nano tech 2018 第8回 小型の疑似位相整合デバイスだけでテラヘルツ波の発振が可能に

2月15日(木)12時14分 マイナビニュース

2018年2月14日〜16日にかけて東京ビッグサイトにて開催されているナノテクノロジーの展示会「nano tech 2018 第17回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」において、理化学研究所(理研)ブースでは、産業連携を見据えた物理・工学系分野の最先端技術の紹介を行っている。

例えば、理研が2017年10月に発表した小型の疑似位相整合デバイスのみでテラヘルツ波発振を実現する技術を用いた光源や、燃料電池として水素を活用した際に、配管などの隙間から漏れ出る水素を安全に常温・常圧で吸蔵することが可能な水素フィルターの紹介などが行われている。

電波と光波の境界にあるテラヘルツ電磁波は、紙やプラスチックなどの物体を透過して内部を観測できるといった特長などを活用することで、さまざまな産業への応用が期待されているが、従来、必要な性能を得るためには、大型の近赤外レーザーを励起光として利用する複雑な光学設計に基づいた装置が必要であった。

今回、理研が展示しているテラヘルツ波光源は、そうした課題の解決を目的に開発されたもの。発振波長が固定されているレーザー光を、テラヘルツ波などに変換する光波長変換技術として、ニオブ酸リチウム結晶を用いて、人工的に位相整合条件を設計・制御することで、波長1064nmの近赤外励起光の後進波としてテラヘルツ波を発振できる小型の疑似位相整合デバイスを開発。疑似位相整合デバイスを回転させるだけでテラヘルツ波の発振周波数を制御可能であることも確認したほか、ほかの光学素子を用いないで済むため、振動などの外乱にも強いことを確認したという。

また、室温動作も可能かつ、波長や出力などの計測は既存のフォトにクス技術を利用できるため、先端テラヘルツ波応用への活用が期待されるとのことで、非破壊・非接触検査や物品品質検査・状態モニタリング、危険ガス検出が応用先として考えられるとしている。

一方の水素フィルターは、水素吸蔵合金をナノレベルまで微細化することで、常温・常圧での水素吸蔵をシート状で可能としたもの。吸蔵された水素は大気中の酸素と結合し、水として放出されるため、燃料電池やその周辺のパイプなどから水素が漏れ出ていた場合でも、水素を無害化することが可能となる。そのため、実験や試験設備の天井や壁、換気設備などにフィルターとして貼り付けることで、大気中の水素を安全な水へと変換したり、水素燃料の入れ替え時の安全対策などへの応用が期待できるとしている。

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