生態系のバランスは複雑な種間関係性によって維持されている 京大らの研究

2月15日(木)21時28分 財経新聞

研究の対象となった舞鶴湾の15種の生物と、個体数変動データから明らかになった生物種間の14の関係性(種間相互作用)。 (画像:京都大学発表資料より)

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 京都大学の潮雅之 生態学研究センター研究員、 益田玲爾 フィールド科学教育研究センター准教授、近藤倫生 龍谷大学教授らが参加した日本・台湾・アメリカの学者たちからなる国際研究グループが、京都府北部舞鶴湾における12年間におよぶ調査の結果として、生態系を構成するそれぞれの種の数的バランスは複雑な種間の関係性によって維持されていることを明らかにした。

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 自然の生態系においては、ある生物種の個体数が増減すると他の生物の個体数が影響を受けて増減する仕組み、すなわち種間相互作用が存在すると考えられている。実際には自然環境下には無数の生物種が存在しているわけであるが、そのような相互作用によって、全体の数的バランスは一定の状態に保たれているのではないか、という思考実験的な予測は古くから存在した。

 ただ問題は、どうすればこの論理を科学的に実証できるか、ということである。実際に自然環境下で、生物の頭数を数え、具体的に数的に分析してそのような相互作用が存在するかどうかを明らかにした研究は今回が初めてのものとなる。

 今回の研究では、まず12年間、潜水調査によって舞鶴湾の生物種の調査データを作成した。それを新たに開発した特殊な数理的手法で分析した。その結果として、15の生物(魚類が14とクラゲが1種)において、確かにそのような種間相互作用が存在していることが数理的に実証されたという。

 なお、その他、舞鶴湾では数的な安定性は夏には高まって冬には不安定になる性質があること、魚類の種類の多さが相互作用を弱めることで全体の安定性を高めていること、も明らかになった。

 具体的に何が何に対して正負の影響を与えているのかについては、画像をご参照いただきたい。

 詳細は、科学誌「Nature」に掲載されている。

財経新聞

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