ゲリラ豪雨を30分前に予測するシステム、東京でテスト中

2月23日(土)12時0分 GIZMODO


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Image: Koichi Kamoshida /Getty Images

予めわかっていればゲリラじゃなくなる?

夏の風物詩にもなった「ゲリラ豪雨」。どこからともなく急速に雨雲が発生し、風が冷たく、そして空が暗くなったかと思うと、小一時間ほど集中的な雷雨が一部の地域を襲う厄介な気象現象です。全身ズブ濡れになったり盆地が池のようになったり、はたまた雨宿りのせいで遅刻したりと困ったことになりがちなんですよねえ。

そこで現在東京都の研究所が、新型気象レーダーや地上デジタル放送(地デジ)の電波を利用して、最大20〜30分前に「迅速かつ正確に豪雨と竜巻を予測」する新しい技術をテストしている、と毎日新聞が報じています。

この新技術は、総務省所管の国立研究開発法人で小金井市にある、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)によって開発されています。そして毎日新聞では、この技術を2020年の東京五輪に先駆けて完成させるつもりでいる、と綴られています。

従来のシステム既存のレーダー・システムは、ゲリラ豪雨を予測する能力に限界があります。

ゲリラ豪雨は上昇気流で大気上層に運ばれた水蒸気が冷やされ、そこで作られた「豪雨のタマゴ」が成長した重さで大気の下層に移り、たった10分ほどという急激な速さで地上に雨を降らせるのですが……これまでのシステムでは、下層部分しか前兆を捉えることができなかった上、分析に5〜10分がかかっていたため、予報が直前になってしまっていたのでした。

新システムは平らなアンテナそこで作られた新型は、このようなものとなっています。

開発者は、テスト中の新しい「マルチパラメーター(MP)・フェーズドアレイ気象レーダー」(MP-PAWR)は、豪雨や竜巻が発生する20〜30分前にそれらを予測できると述べています。これは、従来のレーダーで使用されている回転式のおわん型アンテナよりも、広範囲で電波を放射する平面型アンテナがあるため可能になりました。

30秒程度で雨滴の大きさを観察できるMPレーダーと、雨雲の構造を立体的に把握できるフェーズドアレイレーダーが組み合わせられています

フェーズドアレイは、水蒸気レベルの超細かい変化を測定するのに使用することができる、地デジ電波とペアにされます。この電波は、空気中の水蒸気量が1%増えると、電波が伝わる速度が1兆分の17秒遅くなる性質を持っています。そこで大気中の水蒸気量の変化傾向を気象予測に取り入れることで、より正確に豪雨が発生するタイミングを捕捉することが出来るようになるのです。

実は危ない東京の水捌け事情2015年にThe Guardianが、東京の約30%が海面下にあり、壊滅的な洪水の準備が不適切であることが広く知られているので、突然の集中豪雨を予測することは日本の当局にとっての最優先事項だ、と報告しています。

そして2018年にはロイター通信が、日本の公益社団法人土木学会により、「東京東部の大洪水により2,000人以上の人々が命を落とし、62兆2000億円の被害を被るだろうと推定した」と報じていました。そして公式な見解でも、それに対抗する施設の建造は遅れていることを認めているのだそうです。一方科学者らは、近年の日本で起こるゲリラ豪雨の急増は、気候変動に関連していると考えている、とも伝えています。

日本中で集中豪雨が急増しています。1時間に80mmを超える豪雨が発生したのは、2017年までの10年間で平均18回で、1976年から85年の間の11回でした。

東京大学の防災研究者である片田敏孝教授は、こう述べています。「海の気温が高いと、より多くの水分が空気中に吸い込まれるようになります。それは一度に非常に大量の雨が降ることを意味し、台風がより強く成長する可能性が高くなります。」

実験は昨年から始まり、今年も行なわれているそうです。NICTの担当者は、「この技術を使えば、雨が降る前に洗濯物を取り込めるようにもなる。生活に直結する技術なので、なるべく早く実用化したい」と話しているとのことでした。

ガジェットユーザーとしては、落雷でコンピューターなどがショートしたりという心配もあるので、予めゲリラ豪雨の襲来を知っておくと、余裕を持ってOSを終了して電源を引っこ抜き、雨雲が通り過ぎるのを待つことができますよね。完成が待ち遠しい技術です。

Source: The Mainichi, 毎日新聞, The Guardian, REUTERS

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