ドコモ、Snowflake Streamlit導入によりデータ抽出・分析コストを54%削減

2024年2月26日(月)15時6分 マイナビニュース

Snowflakeは2月22日、NTTドコモ​が全社規模で取り組むデータ活用に、Snowflakeが買収したStreamlitを採用したと発表した。これにより、ドコモはデータ活用における課題を解決し、データ抽出や分析にかかるコストを54%削減したという。
「Snowflake Streamlit」とは
ドコモの取り組みを紹介する前に、「Snowflake Streamlit」の特徴を整理しておこう。StreamlitはオープンソースのPython用UIライブラリだ。
Streamlitにより、Pythonを使った簡単なコーディングでWebアプリケーションやフロントエンドのGUIを作成できる。
Streamlitはもともと、Amanda Kelly氏らが開発したもので、2022年3月にSnowflakeが買収した。2023年12月には、Snowflakeのデータクラウド上でStreamlitを用いてアプリを構築することが可能になる「Streamlit in Snowflake」が発表された。
Streamlit社の創業者であるKelly氏は昨年12月に来日し、Streamlitをオープンソースとして開発した理由、生成AIやLLMにおけるStreamlitの活用などについて語った。
Snowflake 執行役員 セールスエンジニアリング統括本部長 井口和弘氏は、データ活用におけるStreamlitの役割について、次のように説明した。
「Snowflakeはデータのサイロ化の解消、データを活用したいというニーズに応えることをミッションとしており、フロントエンドのテクノロジーを探していた。ユーザーがデータコラボレーションを行うとなった時、HTMLでアプリを作り、業務に必要なデータを抽出する必要がある。これらを煩雑なツールで行っていると時間がかかってしまう。これを簡単にするのがStreamlit。データを活用するサイクルを加速する、これがStreamlitが貢献できるポイント」
事業価値・顧客価値創出に向けデータを活用
続いて、NTTドコモ データプラットフォーム部 鈴木敬氏が、同社のデータ活用プロジェクトについて説明した。
ご存じのように、ドコモはd払い、dカード、dポイントなど、さまざまなIDベースのサービスを提供しており、約9900万会員のIDにひもづく多種多様なデータを抱えているという。
これらのデータから得られる「リアルの行動」「顧客属性」「ネットでの行動」から、会員を多角的に理解して、事業価値と顧客価値につなげることを目指している。
この目標の実現に向けた施策として、「基盤づくり」「ナレッジ、プロセス整備」「人材育成」が進められている。「ストレスなく、データを活用できる状況を実現するため、データ基盤を整備している。また、データ活用を実践できる人材を育成するため、プログラムを立ち上げた。2月時点で、2400人のプログラムの修了生がいる」(鈴木氏)
Streamlitがデータ部門とビジネス部門の課題を解消
鈴木氏は、データ活用において、「待ち時間なく、簡単にデータが使える」「アクションにつながる分析ができる」「あらゆる組織でできる」といった理想を掲げていたが、現実はそうではなかったと述べた。
まず、業務担当がその業務に特化したデータを抽出するために数週間かかっていた。その背景には、データ活用が加速すればするほど、データエンジニア部門の負荷が高まっていたことがあった。
加えて、業務部門では、プログラミングの知識を持ち合わせる人材が少ないだけでなく、専門知識が必要な既存のデータ加工ツールでは、容易に活用できないという課題もあった。
さらに、鈴木氏は「これまでデータ活用において、データ部門とビジネス部門が受委託の関係になっていた。やり取りに時間がかかるので、最終的な結果が出るのも遅くなってしまい、結果が思っていた内容ではないなんてことも起こる。データ部門側では、手戻りが多いという問題もあり、双方がストレスを抱えていた」と語った。
こうした課題を解決するため、誰もが「自分でできる」データ活用の環境づくりが進められることとなった。そこで、白羽の矢が立ったのがStreamlitだ。Streamlitを使うことで、データ部門とビジネス部門の双方で課題が解消されたという。
データ部門にとっては、Streamlitにより慣れ親しんだPythonでGUIを作れる点が大きなメリットであり、アプリケーションも再利用できる。ビジネス部門はStreamlitによって好きな時にいつでもノーコードでデータ分析が行えるようになった。
データ活用プラットフォーム「ポチ」
このように整備されたドコモのデータ活用プラットフォームは「ポチ」という愛称がつけられている。その名称は、「ポチポチするだけで、データを活用できる」ことに由来している。
「ポチ」は社内で頻繁に行われているデータ分析がメニュー化されており、目的に合ったアプリを選んだ後、ターゲットユーザーなど必要項目をポチポチ選択していけば、その場で、分析結果を確認できる。
例えば、顧客ターゲティングも加盟店や利用種別などを選択するとノーコードで完結する。また、施設来訪者のプロファイル分析も場所と時間を選択するだけで可能だ。
全社展開に向けて、初めにデータ部門で開発を行い、その後に、開発者育成プログラムを実施し、一部組織で自主開発を展開。さらに、社内コンテストを実施して、幅広い組織で開発・活用が進められている。
社内で開発した24個のアプリの効果を測定したところ、月間3800時間の削減が見られたという。さらに、利用が全社に拡大することで、月間4万時間の削減が見込まれる。
また、開発したアプリケーションを利用することで、これまでデータ抽出や分析にかかっていたコストを54%削減し、分析業務の効率化を実現しているという。

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