航空機の技術とメカニズムの裏側 第422回 航空機とセンサー(7)海上自衛隊機などの下方を見るためのセンサー

2024年2月27日(火)9時5分 マイナビニュース

前回は「上方を見るセンサー」を紹介したが、上方の話が出てきたからには、「下方を見るセンサー」の話も出すのが筋というものであろう。ということで今回は、特に「下方」に特化したセンサー機材の話を。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
下方を見るためのレーダー
飛んでいる飛行機から下方に向けて、何らかのセンサー機材を使用するのは、下方にある何かを探知したいから。そして、飛んでいる飛行機から下方を見ると、地表や海面が見える。だから、下方を見るためのセンサーは基本的に、地表や海面の上にある何かを対象とするもの、となる。
地表を見る場合
例えば、地表であれば、合成開口レーダー(SAR : Synthetic Aperture Radar)を用いて地表の凸凹をレーダー映像にする使い方がある。SARには地上移動目標識別(GMTI : Ground Moving Target Indicator)の機能を備えたものもあるが、これは地上を走り回る車両が対象。
どちらにしても、レーダーのアンテナは胴体の下面に設置するのが最善となる。降着装置が引き込み式になら、飛んでいる間、胴体下面はクリーンだから具合が良い。
その一例が、米空軍が運用している戦場監視機E-8C J-STARS(Joint Surveillance Target Attack Radar System)。中古のボーイング707を買ってきて、胴体下面に細長いアンテナ・フェアリングを追加した。この中にSARが収まっている。
E-8Cを正面から見ると、そのアンテナ・フェアリングを頂点として左右に広がりを持たせた、扇形の範囲をレーダーで走査することになると分かる。そして機体は常に前進飛行しているから、走査する範囲が機体の進行方向に沿って変化する。
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