オリックス・レンテックが金属3Dプリンタ体験拠点を拡張、中国BLT製品も導入

2024年3月4日(月)14時8分 マイナビニュース

オリックス・レンテックは、東京都町田市にある東京技術センター内にある金属3Dプリンタの体験拠点「Tokyo 3D Lab.」の規模を拡張。2月13日にリニューアルオープン記念として報道陣に公開した。
1976年創業の同社は、日本国内において東京技術センターのほかにも、神奈川県相模原市に「相模原技術センター」、兵庫県神戸市に「神戸技術センター」と「神戸第2技術センター」、兵庫県尼崎市に「西日本試験センター」の合計5つの技術拠点を設けており、同社が扱っているさまざまな電子計測器、ロボット、ドローン、ICT機器などの管理やメンテナンスなどが行われている。
実際に顧客が出力を体験できる東京技術センターの「Tokyo 3D Lab.」
Tokyo 3D Lab.は、3Dプリンタによる金属造形品の出力を顧客が体験できる拠点。2015年6月に開設されて以来、同社では体験拠点の展開も含めたさまざまな形で3Dプリンタ事業を展開してきた。主に金属や樹脂の3Dプリンタを用いて研究開発、試作品、治具などの造形を受託する「3Dプリンター出力サービス」、実機検証を行う3Dプリンタ向けの「導入支援サービス」や「レンタルサービス」などを展開しており、マルチベンダーとしてのノウハウを活かし、顧客の3Dプリンタ導入をトータルでサポートしている。
今回のリニューアルでは、従来から設置されてあった独EOS製金属3Dプリンタ「M290」に加えて、新たに中国Xi’an Bright Laser Technologies(BLT)製の金属3Dプリンタ「S320」を実機検証用として導入。設置した3Dプリンタが増えたことを踏まえ、東京技術センター内でのTokyo 3D Lab.の位置を移転し、併せて面積を約2倍に拡張することで、金属造形用3Dプリンタの比較検証を可能にした。
BLTは航空機部品や自動車部品などの大型造形が可能な金属3Dプリンタの開発を強みとしているほか、自社で340台の金属3Dプリンタを保有する形で、アジア圏で唯となる一仏Airbusの航空機部品の造形を受託するなど高い技術力を有することが知られている。
Tokyo 3D Lab.の最大の特長は、金属3Dプリンタを使用した経験を持つ担当員から実際に説明を受けられる点、また、より良い使い方についてのノウハウなども共有してもらえる点も顧客にとって魅力となっているという。「3Dプリンタを使うことは一見簡単そうにみえますが、実際はうまく作れないことも多いです。また、カタログをみても具体的な特徴などがわかりにくいといった顧客からの声を聞くこともあるので、“体験できること”が1番の強みだと思います」と担当者は語っていた。
3Dプリンタの造形シミュレーションサイト「3D-FABs」で造形委託費用を手軽に試算
同社は3Dプリンタのさらなる利用促進に向けて2023年に造形シミュレーションサイト「3D-FABs」を開設。同サイトは、活用方法を同社作業員がサポートしてくれ、造形ノウハウを習得することができるサービスが展開されている。3Dプリンタを用いた造形にはモデルや材料、造形方法などそれぞれに得意不得意があり、造形シミュレーションも含めて3Dプリンタの特徴を活かしきれていないユーザーが多かったとのことで、このようなサービスを立ち上げることで、そうした3Dプリンタを使う際の懸念点を減らしたかったという。
実際の使い方としては、ユーザーが3D CADデータをアップロードし、材料や造形方法などの各種条件を選択すると、造形を委託した際の試算表がすぐに作成され、かつ3Dモデルに欠陥などがあれば、その改善点も教えてくれるという仕組み。複数個・複数モデルの試算にも対応しており、試算結果はアーカイブ化されるとのこと。
なお、同社は3Dプリンタ事業として2023年度からの5年間で100億円の売り上げを目指すとしており、同センターの来場目標を年間で約400社に設定、そのうち半分の約200社を体験拠点に誘導して3Dプリンタの使い勝手を体験してもらい、実際の事業で活用してもらえるようになってもらえるようにしていきたいとの意向を示している。

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