殺人事件の証拠として「Amzon Echo」の録音データを提出へ。次世代の警察捜査の予感

3月10日(金)22時5分 GIZMODO

殺人事件の証拠として「Amzon Echo」の録音データを提出へ。次世代の警察捜査の予感


IoTが行動の証拠に…。

「Amazon Echo」や「Google Home」など、続々と私達の日常生活に普及しつつある音声アシスタント端末。しかし何をアシスタントに尋ねたのか、何日何時何分に話しかけたのかなど、非常にパーソナルな情報を抱えているデバイスでもあります。

そんな音声アシスタントのプライバシー問題に注目が集まったのが、2015年11月にアメリカのアーカンソー州で起きた殺人事件の捜査です。事件の内容は、容疑者のAndrew Batesの自宅のバスタブで、被害者であるVictor Collinsの死体が見つかったというもの。

そしてThe Informationのレポートによると、その殺人が起きたとき、バスタブの近くに音声アシスタント端末のAmazon Echoが設置されていたことがわかり、「ちょっとこのEchoのデータ提出しなさい」と警察からAmazon(アマゾン)に令状が出されたんです。

というのもEchoは常にユーザーの発言を聞いているわけです(起動していなくても、「Alexa(アレクサ:Echoに搭載されているAIの名称)」や「Amazon」という単語を聴いて起動するようになっています)。

そのため事件直前に容疑者と被害者の間で何か会話が交わされていたとしたら、Echoがそれを聴いていた可能性があると。しかしAmazonはこの提出を一度拒否しています。その際に提出された91ページにわたる申し立てでは、表現の自由を保障する憲法修正第1条を根拠にしています。


当局によるこのような要求が出されることで、ユーザーたちが情報やコンテンツ表現を自宅というプライバシー空間で探し、受け取ることを萎縮してしまうことは不可避である。これは憲法の根幹に関わることである。このような萎縮効果を防ぐためにも、Echoデバイスの利用によって発生した録音データに対する決定的な必要性があり、また捜査への十分な結びつきがあると明白に証明することを、裁判所は当局に求めるべきである。


事件は解決してほしいものの、アマゾンの懸念もわかります。何か事件や微かな疑いがある度に「はい、家中のEchoのデータ、Amazonからもらいますねー」と気軽に警察がデータを持って行くようになってしまうとユーザーは音声アシスタントの利用をためらってしまうでしょう。

たとえやましい事がなくても国民へのスパイ活動で忙しいアメリカです。今では一般人も種々のデバイスに対して「あーこれ盗聴とか簡単にされるんだろうな。当局に目をつけられたら適当に証拠とかでっち上げられるんだろうな」なんて不安も持ったりするわけです。

さて今回の捜査ですが、BBCが掲載したCBS 4のニュースによると、容疑者がEchoのデータの提出に同意したことで、結果的にAmazonはデータを警察に引き渡すことに同意しました。まさか人工知能Alexaが殺人事件の「証言者」として裁判で話す日が来るのか...と注目を浴びています。

それと同時にテック関係者、ユーザーが興味を持って待っているのが「そもそもEchoはどういう録音データをサーバーに保存しているの?」という点。これもいずれ明らかになるでしょう。

テック界の大企業たちは、音声アシスタントが色々なIoTデバイスを巻き込んで、テクノロジーの中心になるような動きを見せています。しかしそれは同時にユーザーに関する膨大なデータもアシスタントが一気に握ることを意味しています。今回は「ロボットアシスタントが殺人事件の証言人に〜」なんてユーモアも交えて、珍しさから話題になっていますが、実は今後の警察捜査の主流になりうる手法なわけですね。

・Amazonの音声アシスタント「Alexa」は緊急時には役に立たないかも

image: Zapp2Photo / Shutterstock.comsource: The Information, Ars Technica, Alexa, BBC, CBS 4

Christina Warren - Gizmodo US[原文](塚本 紺)

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