急成長が期待される自動車向けAI市場、2028年には138億ドル規模へ - Yole

3月13日(水)18時0分 マイナビニュース

半導体市場調査会社である仏Yole Développementは、自動車向け人工知能(AI)関連ビジネスの市場規模は、2018年に1億7400万ドルだったものが、今後10年間の年平均成長率は49%と急速に成長し、2028年には138億ドル規模にまで拡大するとの予測を発表した。

この内訳について同社は、自動運転車(ロボットカー)向けAI市場が1億5500万ドル規模(2018年)から94億ドル規模(2028年)に、先進運転支援車(ADAS)向けAI市場が0ドル(2018年)から37億ドル規模(2028年)に、車載インフォテインメント向けAI市場が1850万ドル規模(2018年)から7億7000万ドル規模(2028年)にそれぞれ成長すると予測している。

○2019年以降、AIを活用した運転支援や自動運転が本格化

同社が2019年2月に調査したところによると、自動運転に関しては現在、2つのグループが並行して活動しているという。

1つは、先進運転支援システム(ADAS)のレベル向上のために、障害物を認識するためのディープラーニングのアルゴリズムなどの機能を付加しようとしている伝統的な自動車メーカー。具体的にはトヨタ自動車、GM、Ford、BMW、Audi、Mercedes、そしてTeslaのような新規参入者も含まれており、レベル2+とレベル3のADAS車(AIベースの自動運転車)が2019年中に発売される見込みである。

もう1つのグループは、ロボタクシーや無人シャトルのような自動運転車(ロボットカー)を用いたサービルを提供する巨大IT企業やスタートアップ。Google(Waymo)、Uber、Yantex、BaiduやAppleなどで、2019年に特定の都市で初のロボタクシーサービスの提供を予定している企業がいるほか、スタートアップも各地でMaaS(モビリティサービス)の提供を進めようとしている。

また、ロボットシャトル、バス、そして商用車に関しては、Navya、EasyMile、およびDrive.aiのようなスタートアップが閉鎖環境での人や物の低速輸送サービスを提供している。ContinentalのようなTier 1もこの有望な市場に投資して、業績を伸ばそうとしている。
○自動車向けAIの主役はIntelとNVIDIA

自動車向けAIコンピューティングに関しては、Intelや同社が買収したMobileyeそしてNVIDIAのような大手半導体企業を中心に成長してきている。NVIDIAは、ディープラーニングアルゴリズムを計算するために設計されたユニットを搭載しているXavier GPUの提供を推進しているほか、ルネサス エレクトロニクスやXilin、 Kalrayなどもこの分野で独自のソリューションの提供を進めている。この分野では、米国を代表する多くの半導体プロセッサおよびFPGAメーカーがAIチップ開発でしのぎを削っている状況となっている。

スマートホームの巨人ともいえるGoogleとAmazonはそれぞれ、AI活用の有名な音声認識システム「Ok、Google!」と「Alexa」を車載でも適用している。中でもGoogleは自社のAndroid OSを統合することでさらに先進しようとしている。また、ジェスチャー認識では、Sony Softkineticが自動車メーカーと協業している。

○車載AIの勝者は誰になるのか?

AI用センサ、ハードウェア(AIチップ)、AIソフトウェア、Tier 1(Continental、デンソー、Boschなど)、自動車メーカー(Audi、Volvo、GM、トヨタ、日産など)、サービスプロバイダー(Waymo、Uber、百度など)に至る車載AI関連市場のバリューチェーンには、さまざまな企業が勝者をなるべく競争を繰り広げている。

このような状況の中で、勝者となる企業はどこの誰になるのか。Yoleは、今回の調査段階としながらも、「自動運転、セキュリティ、サービス体制の3つの面で成熟した技術をもって躍り出た最初の企業が車載AI市場の大半を確保すると思われる。Google Waymoは技術、サービス両面で先頭に立っており、すでに自動運転車が街の中を走っている。一方、ADAS分野では、2019年、真っ先にレベル3のAI搭載ADAS車を発売する予定のAudi(2019 Audi A8)が先行している。ライバル他社がレベル3のADAS車を発売するのは2020年以降になるだろう。Ford、Volvo、トヨタなどの勢力は、レベル3をスキップして直接レベル4へ2025年ころまでに移行する模様である。AIコンピューティング分野では、Intel/MobileyeとNVIDIAの勝負となるだろうが、ルネサスとXilinxも肉薄してきている。インフォテインメント用AI分野では、いまのところ少数のプレイヤーしかおらず、ジェスチャ認識ではSony Softkinetic、音声認識では経験豊富なGoogleがリードするだろう」と予測している。

マイナビニュース

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