iPhoneが「RCS」に対応するとどうなるの? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
2025年3月16日(日)11時15分 マイナビニュース
au/KDDIがiPhoneで「RCS」をiOS 18.4ベータ版向けに提供することを公表しました。正式なサービス開始のアナウンスではないものの、ついに日本のiPhoneユーザにもRCSが身近な存在となる日が来たようです...といっても、RCS対応にどのようなメリットがあるかピンと来ない人も多いでしょうから、かんたんに説明してみましょう。
RCS(Rich Communication Service)は、テキストの送受信やファイルの送受信、コンテンツ共有など多様なコンテンツを扱える、SMS/MMSの進化形といえるメッセージングサービス規格です。メッセージの既読確認やグループチャットなど、既存のSNS/メッセージングアプリでサポートしている機能が多く含まれるものの、システムレベルでサポートされればサードパーティに依存せずにすむ、セキュリティ面でも安心できることに期待が集まっています。
RCSはさまざまな経緯からGoogleが積極的に推進し、「Googleメッセージ」として提供してきた経緯があるほか、日本でも2018年から国内大手キャリア3社により「+メッセージ」が展開されてきました。しかし、+メッセージには独自に拡張された部分があるため、他のRCSサービスと相互接続できないという悩ましい仕様が存在します。
iPhoneでも2024年秋公開のiOS 18でサポートされ、標準装備のメッセージアプリを使いGoogleメッセージユーザとコミュニケーションできるようになりました。しかし、RCSでのやり取りにはキャリア側の対応が必要になるため、日本のユーザは以前と変わらない状況に置かれています。
RCSがiPhoneのシステムおよび通信キャリアレベルでサポートされることにより、これまで国/地域でまちまちだった"SMS/MMSの進化形サービス"の方向性が見えてきました。日本のiPhoneユーザも、au/KDDIが先陣を切ったことにより状況が変わっていきそうです。
海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら