QPS研究所の小型SAR衛星「スサノオ-I」打ち上げ、アンテナ展開成功
2025年3月17日(月)19時0分 マイナビニュース
QPS研究所は、小型合成開口レーダー(SAR)衛星の9号機「スサノオ-I」が日本時間3月15日に打ち上げられ、同日に予定軌道へ投入。約90分後にスサノオ-Iとの初交信に成功し、翌16日には収納型アンテナも無事に展開できたと発表した。
QPS-SAR 9号機「スサノオ-I」はロケット・ラボのロケット「Electron」(ミッションネーム:“The Lightning God Reigns”)によって、ニュージーランド・マヒア半島の発射場Launch Complex 1 Pad Bから日本時間3月15日午前9時55分に打ち上げられた。
衛星の各機器は正常に作動していることが確認できており、翌16日朝には収納型アンテナの展開を実行。機器の動作情報やジャイロなどのセンサー類、スサノオ-Iのアンテナの一部を撮影した衛星のセルフィー画像などから、アンテナは無事に展開したことを確認できたとしている。今後は衛星の調整を続け、初画像の取得(ファーストライト)をめざす。
QPS研究所は軽量かつ大型で、収納性を高めた展開式アンテナも備えた高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」を開発しており、従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストを追求したとアピール。「民間SAR衛星で世界トップレベルの46cm分解能の画像取得が可能」としている。
QPS研究所の大西俊輔社長 CEOは打ち上げミッションの成功を受け、「今年から来年(2025〜2026年)にかけて控える、残り7機のQPS-SARの打上げも、今回のように迅速かつ信頼性の高いElectronとミッションを共にできることを心強く思う」とコメントしている。同社では2028年5月末までに24機、最終的には36機の衛星コンステレーションを展開することで、平均10分毎という準リアルタイムで観測データを提供するサービスの実現をめざしている。