モスフードサービス、2024年問題対策として都内一部店舗で無人納品開始

モスバーガーを展開するモスフードサービスは3月19日、ドライバー不足や輸送力の低下が懸念される物流の「2024 年問題」に対応し、物流効率の向上への取り組みを強化すると発表した。
○「2024年問題」とは
トラック事業においては、今年4月から働き方改革関連法の施行によ、ドライバーの時間外労働の上限（休日を除く年960時間）規制などが適用される。
この規制により、ドライバーの労働時間が減少すると見られることから、「1日に運べる荷物の量が減少」「トラック事業者の売り上げ・利益の減少」「ドライバーの収入の減少」「収入の減少による担い手不足」などが起きるとして、「2024年問題」と言われている。
これらの問題を放置して改善基準告示に違反してしまうと、警告、車両停止、事業停止などの行政処分を受ける。
○都市部店舗を中心に早朝無人納品へ転換
同社は2020年4月から店舗納品時の対面検品レス（有人置き配）を実施するなど、納品の効率化を進めて対面による検品が不要な納品システムを構築。これにより、ドライバーの滞在時間が1店舗あたり10分の短縮となったという。
これを踏まえ、4月以降は、都市部の店舗を中心に早朝無人納品を本格的に導入する。従来は、店舗の営業時間（準備時間含む）に合わせるため、午前6時頃から午後2時頃まで（ランチタイムピークの1時間は納品不可）行ってきたが、、ドライバーの労働時間の不規則化・長時間化の原因になっていたという。
この状態を改善するため、都市部の店舗（全体の約30％）では、午前 4 時から午前9時までに納品完了する早朝無人納品へ変更する。
○海上輸送で他社協業を推進
同社は全国9カ所にある物流拠点の在庫移送において、環境負荷がより低いといわれる鉄道輸送および海上輸送を2003年より積極的に取り入れてきたという。
鉄道輸送が難しい冷凍品は、関東から北海道と九州への在庫移送時にトレーラーでの海上輸送（フェリー）を取り入れている。このうち、関東から北海道への輸送では、セコマと協業し、同社の北海道発関東着の輸送ルートの帰り便の活用をび開始した。
これにより、コンテナトラックの運転手がフェリーへ乗り込む必要がなくなり、物流人員の負担低減につながっているとのこと。