「Stella AI」のテンプレ機能で生成AIをフル活用 - ドコモスマホ教室で生成AIの基本を学ぶ

2025年3月19日(水)22時24分 マイナビニュース


生成AIが実用レベルになってきた昨今、携帯キャリア各社が自社サービスの契約者に生成AIサービスの提供を積極的に進めています。ソフトバンクが「Perplexity Pro」をソフトバンク/ワイモバイル/LINEMOの契約者に1年間提供したのを皮切りに、NTTドコモはSUPERNOVAの「Stella AI」を、楽天モバイルは自社の「Rakuten Link AI」を、それぞれ無料(もしくは実質無料)で提供するようになっています。
ただ、そうやって生成AIが利用できる環境が整いつつあるのにも関わらず、日本では生成AIの利用がそれほど広がっていないようで、キャリア各社はショップで実施するスマホ教室で生成AIの活用についての講座を設定し、利用促進に努めています。
NTTドコモも2月1日から、ドコモショップでスマホ教室「生成AIをはじめよう」を開催しています。今回、ドコモショップ丸の内で開催された教室を取材することができたので、その模様をご紹介します。
○ドコモ契約者に1年間実質無料で提供される「Stella AI」を活用する内容
この日の参加者は4人。すべて男性で、年齢は30代〜40代のように見えます。キャリアショップのスマホ教室というと、参加者はシニア層が中心で、女性も多いという印象があったので、ちょっと新鮮です。実はこの日はもうひとりシニア層の参加者の予約もあったそうなのですが、都内で降雪があったこともあって参加を見合わせることになったとのことでした。
講座は「生成AIで何ができるか」「生成AIのしくみ」といったところから解説をすすめていきます。その中では、「指示のしかたを工夫しないと思ったとおりの回答が得られない」という、いわゆるプロンプトエンジニアリングの考え方にも話が及びます。
ここからがドコモのスマホ教室ならではの内容になってきます。ドコモは前述のとおり、SUPERNOVAの「Stella AI」を1年間実質無料で提供しているのですが、「Stella AI」は豊富なテンプレートでプロンプト入力を簡略化できることを特徴のひとつとしており、この機能を利用する想定で解説が進められます。
例としてまず、「時短料理のレシピを考えてもらう」という作業を実際に行いました。講師はカテゴリからテンプレートを選択できること、使いたい食材などを「パラメータ」として与えることで状況に合わせた検索ができることを説明し、参加者それぞれが自身のスマホで体験していきます。
さらにもうひとつ、「冠婚葬祭にあたっての文章を考えてもらう」というワークも行いました。この際は、キーワードでテンプレートを検索する方法も紹介されました。
こうして生成AIの使い方を学んだあとは、ハルシネーションや著作権侵害のリスクといった生成AIを利用する際の注意点についても解説されました。最後に「Stella AI」の料金プランとNTTドコモの「Stella AIセット割」について簡単に紹介し、約40分の講座は終了となりました。
終了後、参加者にも話を聞いてみました。近くで働いているという30代の男性は、スマホ教室で生成AIを扱っているというのを友人に聞いて参加したそうです。お仕事で生成AIを使っているというわけではないそうですが、AIについて勉強することを推奨されているとのこと。これまでにGeminiを少し使ったことがある程度だそうですが、「思ったより理解できた」と話してくれました。もうひとりお話を聞いた30代の男性も、ChatGPTを少し使ったことがある程度とのことで、生成AIについて知ってはいても本格的に利用してはいない人というのは少なくないのかもしれません。
○ドコモスマホ教室には累計1,900万人がさんか、生成AI講座も公表
NTTドコモが開講する「ドコモスマホ教室」は、2018年から運営を開始し、2025年2月末時点で累計1,900万人が参加しています。講座内容は多岐にわたりますが、もっとも人気があるのははじめてスマートフォンに触れるような人を対象とした初級者向け講座だそうです。
生成AIに特化した講座は、2025年2月より首都圏/関信越の一部ドコモショップ(253店舗)で開催されています。生成AI講座を開講したのは、日本での生成AI利用率が諸外国と比べても低く、その理由として「使い方がわからない」という人が多いため。生成AI講座の開催回数や参加人数は教えてもらえませんでしたが、非常に好評で、他のスマホ教室にくらべて幅広い層の参加が得られているといいます。
今回の講座は生成AIの基本を紹介する内容でしたが、「Stella AI」を中心に解説するというのがわかりやすさにつながっているように思いました。講座中でも解説されていましたが、生成AIに適切な指示を与えるのは難しく、せっかくこの講座で生成AIに触れるようになっても思うような結果を得られず生成AIの活用をあきらめてしまうというのはありそうなことです。そのハードルを“テンプレートの活用”でクリアし、不慣れな人でも思ったように生成AIを活用できるというのは入口としてはよいアイデアのように思います。
なお、「Stella AI」を提供しているSUPERNOVAの木本東賢代表取締役社長はもともとNTTドコモ出身。SUPERNOVA自体がNTTドコモの社内スタートアップからスピンアウトしてできた会社で、現在も一定の出資を受けているそうです。
SUPERNOVAでも現在、テンプレートのブラッシュアップに取り組んでいるとのこと。個々のユーザーがプロンプトエンジニアリング的な知識を学ぶよりも、テンプレートの改善のほうが、あらゆるユーザーが生成AIの能力を十分に発揮させられるようにするためには近道かもしれません。
現時点で開講されているのは今回のような生成AIの基礎講座だけですが、2025年度には、今回開講されたような基礎講座だけでなく、親子での体験型ワークショップやターゲットを絞ったより高度な使い方を紹介する講座も開講していく方針。お近くのドコモショップで生成AI講座が開講されているようなら、いちど覗いてみてはいかがでしょうか。

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