静岡大など、「スロー地震」発生メカニズムの一端を解明したと発表

2025年3月19日(水)16時40分 マイナビニュース


静岡大学、広島大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の3者は3月18日、「スロー地震」が発生するプレート境界の高温高圧環境を室内で再現し、岩石中に網目状の亀裂構造である「fault-fracture mesh構造」(f-fm構造)が形成されることを発見したと共同で発表。また、プレート境界断層を構成していた四国の三波川帯に露出する「蛇紋岩」の岩体中に、実験で確認されたものと同じf-fm構造が存在すること、さらに鉱物の析出による破壊により隙間が埋められていたことが確認されたことも併せて発表された。
同成果は、静岡大 理学部の平内健一准教授、同・大学院 総合科学技術研究科の永田有里奈大学院生(研究当時)、JAMSTECの岡崎啓史研究員(現・広島大大学院 先進理工系科学研究科 准教授)らの共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌「Nature」系の惑星科学や環境を扱う学術誌「Communications Earth & Environment」に掲載された。
「テクトニック微動」、「低周波地震」、「スロースリップイベント」(SSE)など、沈み込み帯のプレート境界断層で発生するスロー地震は、通常の地震とは異なり、数日から数か月という長い時間をかけて断層が滑る現象だ。西南日本の沈み込み帯では、数か月から数年の周期で微動とSSEが同時に発生する「Episodic Tremorand Slip」(ETS)が知られており、通常の地震の発生領域よりもさらに深部で起きていることがわかっていた。この領域では、沈み込んだ海洋プレートから放出される大量の水(流体)がプレート境界断層に供給されることで、「高流体圧」という特異な環境が形成されていると考えられている。
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