富士通主催のデータ分析コンペ、魅力的な川崎に向けた優勝チームの提言とは?
2025年3月21日(金)11時0分 マイナビニュース
蓄積したデータに基づく客観的な判断からアクションにつなげる「データドリブン(Data Driven)」という言葉を、ビジネスの現場でも耳にする機会が増えたように感じる。その一方でデータドリブンはどこか絵空事のようで、身近な行動と結びつけるのはまだ難しい。
富士通が2020年10月に開始した全社のDX(デジタルトランスフォーメーション)プロジェクト「Fujitsu Transformation」、通称「フジトラ」では、データドリブン経営を変革の中心テーマに掲げて挑戦を続けてきたそうだ。同社のデータドリブン経営を支える組織「Data Analytics Center(DAC)」がこのほど、川崎市のオープンデータを活用して新たな洞察を得るためのデータ分析コンペを開催した。
イベントにはデータ分析の初心者から熟練者まで、幅広いプレイヤーが参加。市が公開するオープンデータの他、都市イメージ調査や国勢調査の結果、近隣自治体が公開しているオープンデータを活用して、川崎市の魅力向上に資する新たなアクションの提案が行われた。本稿では白熱した最終審査と表彰式の模様をレポートしたい。ぜひデータドリブンな検証の過程を身近に感じてほしい。
イベント概要 - 川崎市さん、気付いてました?
DACが主催する「DDM Award」は、DDM(Data Driven Management)を自分事として捉え行動を起こした社員の活動を、職種や組織の壁を超えて称賛する全社表彰イベント。富士通社内でデータ登録の重要性を体感するために、データ分析コンペなどが実施される。
データ分析コンペ2回目の開催となる今回は、富士通が本店を構える川崎市が2024年7月1日に市制100周年を迎えたことを記念し、市と共同で「川崎市オープンデータ分析コンペティション」を実施。社外向けに参加者を募集するのも今回が初の試みで、同市にゆかりのある企業や学生らも参加した。
データ分析コンペは「川崎市さん、気付いてました? 市の魅力につながる因子・インサイトを見つけ出せ!」がテーマ。市のWebサイトで公開されているオープンデータや都市イメージ調査、市民アンケートの結果に加え、神奈川県が公開するデータや国勢調査の結果などを活用して、市の魅力向上につながる洞察とアクションを川崎市へ提案する。
データ分析の環境に規定はなく、ExcelやBI(Business Intelligence)ツールなど、使い慣れたツールを活用できる。なお、イベントに合わせて富士通はQlik Senseの無料環境を参加チームに提供した。
データ分析の成果物は、5分間のピッチとして提出する。チームが立てた仮説と検証結果、分析結果から導かれたインサイトやアクションが審査される。審査は「Dynamic:大胆な挑戦」「Discover:新たな発見」「Diverse:多様なアプローチ」の3つの観点を基準として行われる。
オンラインで開催された一次審査と一般投票の結果、4チームが最終審査へと駒を進めた。各チームのピッチと会場の様子は次ページでお届けしよう。果たして、優勝を手にしたチームは川崎市にどのような提案を投げかけたのだろうか。
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