KDDI×森ビル、TOKYO NODE HALLに常設のデジタルツインホールを共同開発

2024年3月29日(金)11時27分 マイナビニュース

森ビルとKDDIは3月28日、新たな都市体験やコンテンツを創出する「TOKYO NODE LAB」の共創プロジェクトとして、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの情報発信拠点「TOKYO NODE」の「TOKYO NODE HALL」に、常設のデジタルツインである「TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, au」をオープンさせたことを発表した。
同デジタルツインホールは、両社が共同開発を行ったもので、リアル空間をデジタル空間に忠実に再現し、デジタルならではの付加価値を加えた仕様となっている。
この発表に伴い両社は、同デジタルツインホールにて、発表記者会見を開催した。会見にはKDDI 事業創造本部 副本部長 Virtual Shibuya Executive Producerの中馬和彦氏、森ビル 新領域事業部 TOKYO NODE運営室 TOKYO NODE LAB Executive Producerの杉山央氏が登壇した。
○TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, auの概要
TOKYO NODEは、2023年10月6日に開業した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の最上部に位置する施設で、イベントホール、ギャラリー、レストラン、ルーフトップガーデンなどが複合する情報発信拠点だ。
「NODE=結節点」という名の通り、ビジネス、アート、テクノロジー、エンターテインメントなどあらゆる領域を超えて、新たなものを生み出し、世界に発信していく舞台として活躍しているという。
そのTOKYO NODE内の新たな施設としてお披露目されたTOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, auは、「リアル×デジタル」にこだわったデジタルツインホールとなっており、リアルの常設ホールであるTOKYO NODE HALLとデジタルが融合したイベント体験が楽しめるもの。
同デジタルツインホールを運用することで、TOKYO NODE HALLでは、デジタルとリアルの2つの会場の映像/音響/照明などの空間演出を同期させ、各会場のスクリーンには互いの映像を映し出すことにより、疑似的に360度の客席、1つの空間を創り出すことができるという。
それにより、デジタル空間ではリアル会場にいるかのような体感を得ることができ、リアル会場ではデジタル空間ならではの演出を体験することが可能。
さらには各会場の盛り上がりを同時に伝えることができるため、熱狂を拡張し、音楽ライブやファンミーティング、ビジネスカンファレンスに、これまでにない新たな体験を実現する。
○現実×デジタルで「一緒に体験する喜び」を創出
中馬氏は、イベントスペースには元来、収容人数に上限があることに加え、移動の時間や手段を要するなど、さまざまな障壁があることが課題だったと語る。
「リアルの空間やモノをデジタル空間に精細に再現したデジタルツインホールでは、リアルの会場のキャパシティを拡張することで遠隔地からもイベントに参加でき、さらにリアル会場では物理的にできない演出が可能となります」(中馬氏)
物理的にできない演出という中馬氏の言葉の通り、当日のデモンストレーションでは、デジタル上のステージの周りに水を流すという演出が行われた。このようにリアル空間では難しい演出をデジタル空間で実現することができるほか、リアル会場の照明の動きや色に、デジタルツイン会場内の照明を連動させて、照明を使用した空間演出をデジタル上でも再現することが可能だ。
「リアル空間のステージ上でライティングが行われた時、デジタル空間上のステージも同じタイミングでライティングさせることができます。このように現実とデジタル空間での体験を掛け合わせることで『一緒に体験する喜び』を創出します」(杉山氏)
○従来よりも低コストでデジタルツインのイベントを実施可能
中馬氏は、同デジタルツインホールの最大の特徴は「常設されていること」だと語った。
「都度の会場CG制作が不要なため、従来よりも低コストでデジタルツインのイベントの実施が可能です。さらに、従来は必要とされていた専用アプリなどは不要で、ウェブブラウザ上で高精細な映像体験を提供できるため、視聴者のハードルを下げることも可能にしました」(中馬氏)
また、運用コストを抑えたステージ演出から高精細な3D CGを使用したデジタル空間構築まで、コンテンツ品質を柔軟に変更できるため、エンターテインメントやカンファレンスなど多用途で利用できる特徴もあるという。
森ビルとKDDIは、この1つの空間を新たな共有体験の舞台とし、さまざまなアーティストとのコラボレーションを促進することによって、デジタルとリアルが融合する新しいエンターテインメントを提供するとともに、両会場の熱狂を創出していきたい考え。
「森ビルとKDDIは今後も、TOKYO NODE DIGITAL TWIN HALL -RESPECT YOU, auとTOKYO NODE LABを通じて、従来の領域やジャンルにとらわれず、さまざまな分野の企業やクリエイターとのコラボレーションを促進して、新たな都市体験やコンテンツを創出し、東京・日本から広く世界に発信していきます」(杉山氏)
また、将来的には世界中からイベントに参加する方々がリアル会場と同期するステージ演出を楽しんだり、遠隔から会場の照明などの演出に関与したりできるなど、インタラクティブにイベントに関われる仕組みを目指すという。
最後に中馬氏は「リアル会場のキャパシティは約300人であるものの、デジタルを活用することでより多くの観客の参加が可能になった。観客の方すべてに良い体験を届けたいと考えている」という言葉で会見を締めくくった。

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