NTT Com、GIGAスクール構想第2期に向けたパッケージ提供 - データ活用を支援

2024年4月9日(火)14時27分 マイナビニュース

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は4月9日、「学習者用コンピューター1人1台端末の整備・更新」に向けた「GIGAスクール構想 第2期」をサポートする「活用の先、データで学びをアップデートするGIGAスクールパック」の申し込み受付を開始すると発表した。
GIGAスクール構想第2期で求められること
「GIGAスクール構想」では、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子供を含め、多様な子供たち一人一人に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現することを目指している。
GIGAスクール構想の推進により、2020年にかけて、小学校から高等学校まで、1人1台端末が整備された。その後、さまざまな課題が生じている一方、今年は端末の更新時期となっていることから、同構想は第2期を迎えているといわれている。実際、国は令和5年度の補正予算で1人1 台端末の更新に向けた補助金2661億円を拠出している。
スマートワールドビジネス部 スマートエデュケーション推進室 担当部長 稲田友氏は、「1人1台端末が展開された2020年までは、DX(デジタルトランスフォーメーション)でいうところのデジタライゼーションに当たり、次のステップである2025年にかけては、データ駆動型教育の実現を目指すデジタライゼーションのタイミングと考えられる」と説明した。
そして、文部科学省は2024年1月に発表した「公立学校情報機器整備事業に係る各種計画の策定要領」において、「文部科学省と地方公共団体の双方において、多額の公費によって整備された 端末の活用状況に関し説明責任を果たしつつ、次期更新に向けた今後の支援の在り方の検討につなげていく必要があると考えている」と述べている。
これを踏まえ、稲田氏は「第2期では端末の活用状況の説明責任が求められるようになっている」と指摘した。
「GIGAスクールパック」の概要
同社はGIGAスクール構想開始から、端末の利活用を中心にサービスを提供してきた。稲田氏によると、これまで端末は100万台、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」は9000校以上に導入したという。
こうした実績について、稲田氏は「先を見据えて、端末が使われなくては意味がないことをメッセージとして強く打ち出し、アプリケーションを組み合わせてサポートまで提供したことが評価されたと見ている」と述べた。
さらに、「今後はデータに着目して提案していかなければならないと考えている。教育データの活用としてダッシュボードが注目されているが、これは大人のデータ活用となる。われわれは第2期でこどものデータ活用を目指す。そのために、『データを使いこなし自分らしく学ぶタブレット』を提案する」と、稲田氏は説明した。
「GIGAスクールパック」の特徴
「GIGAスクールパック」は、「GIGAスクール構想の実現学習者用コンピュータの調達等ガイドライン」補助対象内の基本モデルとして、3つのOSから選べる情報端末に加え、タッチペンや端末管理ツール(MDM)、情報端末のキッティングをパッケージして提供する。
「GIGAスクールパック」は、基本パッケージと応用パッケージを提供する。前者は文部科学省の方針(公立学校情報機器整備事業)の補助対象となる要素のみで構成される。後者は、基本パッケージに加え、文部科学省の方針(公立学校情報機器整備事業)の補助対象外となる端末保証、バッテリー交換、フィルタリングや5G/LTE回線などの追加要素で構成される。
今回、新サービスとして「AARポータル」と「心の健康観察」を提供する。
「AARポータル」
先に述べた「こどものデータ活用」をサポートする機能が「AARポータル」だ。
OECDは「Education 2030」において、これからの学びのフレームワークとして「AARサイクル」を提唱している。「AARポータル」はこのフレームワークをデータで支援するもので、児童・生徒のAnticipation(見通し)、Action(学び)、Reflection(振り返り)に関するデータが蓄積され、データを通じて、児童・生徒自身の自分らしい学びを支援する。
こどもたちは「AARポータル」に蓄積されたデータを活用して、自身の学習を振り返り、次の学びにつなげる。今後は、保護者にレポートを提供することも予定されている。また、学習コンテンツを提供している企業20社と提携の話も進んでいるそうだ。
加えて、稲田氏はダッシュボードの特徴について、「OSは利用状況だけ見えているが、持ち帰り学習の把握など、われわれはもっと深いところまで可視化しようとしている。ポータルと連動することで、教科別の利用状況もわかるようになる。端末が使われているということだけでなく 誰がどんな意味で使っているかまで踏み込んで可視化する」と、説明した。
「心の健康観察」
「心の健康観察」は4つの選択肢から児童・生徒が自身のメンタルヘルスの状況に合う選択肢を回答し、教職員はその結果を確認することで、いじめ・不登校の早期発見を支援する機能で、3月29日に提供が開始されている。
「心の健康観察」では、こどもが登校時と帰宅時に自信の気分を回答し、
ダッシュボード可視化して、先生がフォローできるようにする。稲田氏は「こどものSOSだけでなく、ポジティブな部分まで見えるようにしたい」との意気込みを見せていた。

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