20パターン以上に変形するスタンド付きiPadケース「MOFT ダイナミックフォリオ」を試す 折り紙がモチーフ
2025年4月16日(水)12時10分 ITmedia PC USER
MOFT ダイナミックフォリオは、今回紹介する11インチ用の他に13インチ用、さらにmini用の3つのサイズが用意されている。それぞれに3色のカラバリが用意される
米国内のクラウドファンディングで、1万ドルの目標額に対して約26万ドルもの出資を集めるなど大きな人気を博したこの製品だが、日本のMakuakeでも、4月16日午前11時からクラウドファンディング(という名の予約販売)がスタートしている。一般販売予定価格は5980円からだが、Makuakeでは特別価格で購入できるモデルもある。
今回は11インチiPad Pro用モデル(7880円、早割では6280円から)を例に、どんな使い方ができるのかをじっくりと試してみた。
●20パターン以上の折り方に対応
本製品はN52磁石を用いて吸着させる、スタンド機能を備えたiPad用保護カバーだ。iPadの側面はカバーされないので防水/防じんの効果こそ低いものの、バッグの中で表と裏の両面から掛かる圧力には高い保護性能を発揮する。またヴィーガンレザー製で撥水性があることから、汚れ防止にも効果がある。
そんな本製品の特徴は、折り方を変えることによって、さまざまなスタイルでの設置に対応することだ。手前の辺がデスクについた折り方だけでも10パターン以上あるほどで、トータルでは20パターン近くあるというから驚く。
これらは折り紙をモチーフにしているとのことで、折り目に沿って曲げていくと、マグネットで面と面とが吸着し、安定した状態で立てられる。多くの折り方では、そのまま持ち上げても形状を維持できるほどだ。
論より証拠ということで、動画鑑賞や資料の閲覧などに適した垂直寄りの立て方から、タイピングやApple Pencilでの書き込みに適したフラットな置き方に至るまで、一通りの写真を撮ってみた。垂直→水平に近い順に並べてみたのでご覧いただきたい。同じ角度でもスタイルが違うものも含まれる。
角度は15度から80度まで9種類ある。さらに上段にiPhoneを置いて上下2画面での表示にも対応するなど、バリエーションは実に豊富だ。なお縦置きも可能だが、こちらはバリエーションは少ない。縦置きは完全に非対応というわけではないが、実質的に横置きでの利用が前提と考えてよいだろう。
●「ちょっとだけ持ち上げた状態」での設置にも対応
もっとも、これだけであれば角度のバリエーションが豊富というだけで、一般的なスタンド一体型のiPad保護ケースとそう違いはないのだが、本製品のもう1つの特徴は、iPadをデスク面から数センチ持ち上げた状態での設置にも対応することだ。
iPadをデスク上で使おうとした時、手前にキーボードやマウスなど、何らかの障害物があって画面が見づらいというのはよくある話だ。また、障害物がない場合でも、画面の位置があまりに低すぎて見づらいこともあるし、PCの画面と交互に見ると視線が上下して目が疲れることもある。
本製品ならば、こうした場合に、デスク面から数センチ持ち上げた状態で設置できる。もちろんこちらの場合も複数の角度をサポートしているので、使い勝手を損なうことはない。同等のスタンドではあまり見られないギミックだ。
さらにこの応用として、カバーを折った時にできる背面のへこみをうまく用い、腕や膝に添えて保持することもできる。不安定な場所でiPadを使う場合、これらの持ち方が役に立つこともあるだろう。
●Apple Pencilユーザーは必携のホルダーもオプションで用意
もう1つ、本製品にはオプションとして、Apple Pencil装着用のホルダー(1480円)が用意されているので、あわせて紹介しておこう。
一般的に、Apple PencilをiPadの側面に取り付けたままバッグ内に放り込んでしまうと、少しの衝撃で外れてしまい、次に取り出した時は行方不明になっていることがほとんどだ。あったはずのApple Pencilが見当たらずにバッグの中を探し回ったり、実際に紛失した経験があったりする人がいるかもしれない。
このオプションを取り付けておけば、Apple Pencilを保持した状態を保つことができる。薄いプレートを挟むようにして合体させるのだが強度は高く、Apple Pencilがむやみに外れることもなくなる。Apple Pencilを所有しているユーザーは、本体とまとめて購入することをおすすめしたい。
●問題は「折り方を思い出せるか否か」
以上のように、MOFTのこれまでのiPadケースのノウハウの集大成と言っていい製品で、折り方のバリエーションの豊富さは“ダイナミック”の名に恥じないが、唯一のネックは、どのように折れば希望の形状を再現できるか、すぐには思い出せないことだ。
なにせここまで見てきたように、その折り方のパターンは20近くあるので、瞬時に思い出すのはまず不可能だ。実際に使うのはせいぜい数パターン止まりだったとしても、前回試して具合のよかった折り方がどうしても思い出せず、困り果てることはしばしばある。
これについて決定的な解決方法はないのだが、本製品は各部に複数のマーク(丸、線)がついており、それぞれのマーク同士を吸着させることによって、その先の折り方のパターンが変わってくる。そのため、自分が求める折り方は、最初にどのマークとどのマークを吸着させるべきなのかを覚えておけば、少なくとも迷路に入り込むことはなくなる。
とはいえ、トータルで20パターン近くもあることから、多少なりとも限界はある。本稿では1つのパターンにつき3つの方向から撮影した写真で折り方の外観を紹介したが、チュートリアルに掲載されている折り方のうち、どうやっても再現できないパターンがいくつかあったほどで、写真を見ただけで折り方が分からない場合もある。
国内でも、海外と同様に人気を博すのは間違いないが、それぞれの折り方について「〇〇モード」という名前をつけるだけではいまいちピンと来ない。「60度にしたい場合はこのように折る」といった具合に角度からの逆引きができるよう、動画によるチュートリアルがぜひ欲しいところだ。