液晶テレビと有機ELテレビ、寿命に違いってありますか?【専門家が解説】

2025年4月20日(日)21時10分 All About

液晶テレビと有機ELテレビはそれぞれ異なる特徴を持っています。中でも、「寿命」がどのように異なるかについて、「All About」ガイドで、家電のスペシャリストの安蔵靖志が解説します。

さまざまな異なる特徴を持つ、液晶テレビと有機ELテレビ。寿命という点では、どちらが優れているのでしょうか。
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
液晶テレビと有機ELテレビで、寿命に違いってあるんですか?
(回答)
一般的に、液晶テレビの方が有機ELテレビに比べて寿命が長い傾向にあります。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

液晶テレビの方が寿命は長い傾向

液晶テレビと有機ELテレビは映像を表示する方式が異なるため、使用時の寿命や劣化の原因も異なります。
液晶テレビはLEDを用いたバックライトの光をカラーフィルターに通して映像を表示する方式を採用しており、一般的に液晶パネルの寿命は5〜10万時間と言われています。また、液晶分子の劣化やバックライトの劣化により、時間がたつにつれて明るさが減少したり、色の再現性が悪くなったりすることも。一方で、静止画を長時間表示しても「焼き付き」のリスクは低いです。
有機ELテレビが採用する有機ELパネルは各画素が有機素材で構成されており、これが経年劣化することで明るさが低下することがあります。特に青色の有機材料が早く劣化するため、全体の色のバランスが崩れ、焼き付きや色ムラが発生しやすくなるのが特徴です。一般的に有機ELパネルの寿命は3〜5万時間程度のため、寿命という点で見れば液晶テレビの方が長いことが分かります。

長持ちさせるための意識すべきポイントは?

テレビやディスプレイを長持ちさせるためには、以下の点に注意することが重要です。

適切な輝度設定にする

ディスプレイの明るさが強過ぎないようにすることが重要です。特に有機ELテレビの場合、過度な輝度は焼き付きを引き起こすリスクがありますので、テレビの「エコモード」などを活用するのが望ましいです。

長時間の同じ画像表示を避ける

静止画の表示を避け、同じ画面を長時間映し続けないようにしましょう。有機ELテレビでは特に焼き付きのリスクが高まりますが、液晶でも長時間同じ画像を表示することで明るさが減少することがあります。

適切な環境で使用する

高温や湿度の高い環境を避けることが大切です。特に高温環境はパネルの劣化を早めるため、エアコンや適切な換気を利用して温度を管理しましょう。また、直射日光が当たらない場所に設置することも重要です。

定期的に電源をオフにする

テレビを使用していないときは電源を切る習慣をつけましょう。完全にオフにすることで、無駄な消費電力を抑えつつ、パネルの劣化を防ぎます。
液晶テレビと有機ELテレビの寿命はそれぞれに異なり、使用中の劣化の仕組みやリスクも異なります。それぞれの特性を理解し、適切な使い方を心がけることで、どちらのパネルでも長期間にわたって快適に使用できます。日常的に注意を払い、劣化を防ぐための工夫をするようにしてもよいかもしれません。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
(文:安蔵 靖志)

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