ASUSがミラノデザインウィークで見せた自然界の美しさとテクノロジーとの融合

2025年4月21日(月)16時45分 マイナビニュース


ASUSは、2025年4月にイタリア・ミラノで開催されたミラノデザインウィーク2025に出展。独自開発した新素材「Ceraluminum」を採用した特別デザインのノートPC新製品を発表しました。また、出展会場では同素材のインスタレーションを見せるなど、PCメーカーの枠を超えたデザインフォーカスのイベントを実施しました。
ミラノデザインウィークは決まった会場があるわけではなく、各企業が様々な場所でイベントを開きます。ASUSが選んだ場所は1920年代に建てられた歴史的なギャラリー「Galleria Meravigli」でした。アールデコ様式の美しい曲線ガラス天井が特徴で、ミラノの歴史と現代デザインが交差する象徴的な空間と言える場所です。
イベントのテーマは「design you can feel」。会場の中心に設営されたインタラクティブアート「Willful Wonder」はロンドンを拠点とするStudio INIによるもので、AIと人間の共生を体感できるというもの。翼のように見えるものにはCeraluminum素材が使われています。
このインスタレーションは来場者も参加できるもので、翼に左右を囲まれた中央の通路を歩けます。ところどころで翼に手を触れながら歩いていくと、翼が開き空間の変化が見えるというインタラクティブな展示です。テクノロジーと人間の共生関係を象徴的に表現しているとのこと。
さて、新製品である「Zenbook Ceraluminum Signature Editions」は、外装パネルにCeraluminumを採用した軽量かつ強度のあるノートPCです。自然の美と最先端技術、サステナビリティを融合した限定モデルで、最新のIntel Core Ultraプロセッサを搭載、3K 120Hz OLEDディスプレイ、最大32GBメモリ、1TB SSDを搭載します。
4つのカラバリはObsidian Black、Pamukkale White、Terra Mocha、Luminous Blue。それぞれ大自然から着想を得た本体カラーと天板のパターンが特徴的な製品です。なお、Ceraluminumは100%リサイクル可能な素材で、パッケージやスリーブにも茶葉由来の材料を使うなど、環境への配慮の比重が高い製品になっています。
天板の仕上げは一台ごとに異なるパターンとなっています。つまり、同じカラーのモデルを買っても、同じデザインの製品は存在しません。これは自然界の多様性を製品に反映させる意図があります。自分自身のPCが自分だけの存在になるわけです。
会場には、Ceraluminumの軽さをアピールする展示も。Ceraluminumは、ASUSが約4年をかけて開発した素材で、2024年に公開され複数の製品で採用されています。ノートPCの軽量化を実現できる素材としてASUS製品の差別化を図る重要な技術であるのです。
他にも気になる製品の展示がありました。こちらは中国で販売中の「Adol Book 14 Air」。なんと香りがするノートPCなのです。
このモデルは、ファッションブランドのANNA SUIとのコラボモデルもあります。同ブランドらしい幻想的な紫色のボディーのところどころに、蝶やバラなどANNA SUIの象徴的なモチーフも刻印されています。 付属のマウスやPCバッグもANNA SUI専用モデルとなっており、これは日本でも販売してほしいものです。
香りの秘密は天板の中央にある着脱式の円形ディスペンサー。ここに香りのついたシートをマグネットで固定して、ノートPCに装着します。購入時には香りのシートも3種類付属します。PC作業が忙しい時でも、いい香りがすれば心も落ち着くでしょうね。
Adol Book 14 Airのコンセプトを表す展示もありました。森をイメージした空間にAdol Book 14 Airを置き、その周りにはガラスドームの中に異なる香りをセット。それぞれのドームを手にして香りを味わいながら、Adol Book 14 Airを使う姿をイメージできるわけです。
ノートPCの新しい使い方を提唱する「Zenbook DUO」も自由に体験できました。一般的なノートPCサイズながら、2枚のディスプレイを活用できるモデル。キーボードを片側のディスプレイに乗せたまま使うこともできます。また下側のディスプレイに仮想キーボードを表示して使うこともできるなど、利用スタイルは様々。
Zenbook Duoのコンセプトを伝えるため、バインダーに同モデルのイメージイラストを挟んで来場者が自由に捲れるという作品も展示。ノートPCの固定概念が崩れ、これまでにない使い方を想像できるわけです。これらのように製品だけではなく、それに関連するイメージやデザインなどを見ることができるのが、ミラノデザインウィークでの展示なのです。
プロのデザイナーやクリエイター向けノートPC「ProArt」はハードな作業にも耐えうるMIL-STD-810Hに対応。アルミニウム合金シャーシやナノコーティングによる指紋や水滴が付きにくい設計になっています。それを証明するような展示がこちら。鉄球を上からレールを通してProArtの天板の上に落としても傷やへこみが付かない様や、水をかけてもひと拭きで撥水できる表面処理などを体感できます。
自社製品で使われている素材をカラーパターンのように並べた展示からは、単一的になりがちなノートPCの外観やデザインに多様性を与え、ユーザーに自分好みやライフスタイルに合った一台を選ぶことができる製品を展開していることを強く印象付けました。ノートPCは単なる道具ではなく、個性を表現するアイテムなのです。
ミラノデザインウィークでASUSが見せたのは、素材やデザインにこだわった多様性に満ちた製品作りであり、テクノロジー企業の枠を超えた存在になろうとしている姿だと感じられました。 テクノロジーとデザインの融合やサステナブルを考えたモノづくり精神など、ASUSのこれからの製品に対する期待度が大きく高まるイベントでした。
富永彩乃+山根康宏 富永彩乃(とみなが あやの) ITジャーナリスト/自撮り端末研究家。日本や海外各国のIT事情、特に海外の最新スマートフォンやビデオコンテンツサービスに精通。海外展示会の取材も積極的にこなし、現地からライブ配信によるレポートや動画撮影・編集も自身で行っている。スマートフォン複数台を常に使いこなし、TVやメディアへの出演も多数。 山根康宏(やまねやすひろ) 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど活動の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。 この著者の記事一覧はこちら

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