新生活シーズンにも要注意! 危険を伴う「アース線」のNG使用法
2025年4月23日(水)21時15分 All About
冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などの生活家電についているアース線。どのような役割があるのかはご存じでしょうか。正しい取り付け方法から、やってはいけないNG使用法まで解説します。
そのような場合、家電も新たに買いそろえることになります。生活家電を設置するときに気になるのが、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などについているアース線。多くの場合、緑色のフィルムが巻かれた銅線が電源ケーブルと同じように家電製品から出ていると思います。
そんなアース線ですが、どのような役割を担っているのでしょうか。取り付け方法と、気を付けなくてはいけない点を紹介していきます。
そもそもアース線とは何?
アース線は、家電に供給されている電気が漏電したときに、地面に逃がす役割を持つ部品のこと。「漏電」とは、家電製品から電気が外部に漏れてしまう現象のことで、コンセント部にホコリがたまっていたり、コードの被膜が破れてしまったり、家電製品が水に濡れたときなどに発生することがあります。漏電した状態の家電に触れると感電してしまう場合があるため危険です。冷蔵庫やエアコン、洗濯機などは、水回りで使うことが多く漏電リスクが高いため、このアース線がついているというわけです。これらの家電は消費電力も高いため、感電事故が発生したときのダメージも大きくなり、注意が必要になります。
アース線の取り付け方法は?
冷蔵庫や洗濯機の設置場所のコンセントにはアースターミナルがついているので、家電を設置したタイミングで取り付けます。また、アース線には銅線がそのままなタイプと、先がU字型コネクタになっているタイプがあり、これらとコンセント側の仕様の組み合わせで、取り付け方が異なってきます。最も多いパターンである、コンセント側のアース口がネジタイプの場合は、プラスドライバーを用意しましょう。カバーを開いてネジを緩め、そこにアースを差し込みます。U字型コネクタの場合は差し込むだけでOKです。銅線タイプの場合は、被覆がない部分(銅線が露出している)をネジに当たるように逆U字型に巻き付けて固定します。
また、最近増えているワンタッチタイプ(ボタン式)のコンセントタップの場合、アースの先の被覆を剥ぎとり、ボタンを押しながら、カバー内の穴に銅線部分を差し込むだけです。
アース線が届かない場合は?
冷蔵庫や電子レンジなどは、設置場所によってはアースがついたコンセントに届かない場合があります。そのような場合のため、アース線は延長や付け替えが可能。延長する場合は、市販のアース線を買って、銅線部分を接続し、ビニールテープなどで絶縁すればOKです。ただし、アース線の延長は推奨していないメーカーもあるため、基本的には交換がおすすめです。また、賃貸住宅ではなく持ち家の場合は、コンセントタップ自体をアース付きに交換することもできます。ただし、コンセントの交換は電子工事士の資格が必須なので、業者への依頼が必要です。そのほか、複数の家電のアース線を1つのアース端子に取り付けることも可能。例えば、冷蔵庫と電子レンジを重ねて設置している場合などは、同じアース端子に両方のアース線が接続できます。
アース線でやってはいけないこと
アース線の接続で注意したいのが、水道管やガス管をアースとして接続すること。これは法律で禁止されています。また、同じく電話線のアースへの接続もNG。金属製の棚やラックなどにアース線を巻き付けるのも意味のない行為です。アース線の役割は、漏電時などに感電しない、もしくはダメージを低くするためのもの。このため、大型家電は基本的にアースターミナルに届く位置に設置しましょう。もし、新しい部屋にアース付きコンセントがない場合は、大家や管理会社に言って付けてもらうのがベストです。
実際にはアースを接続していなくても家電は動作します。ただし、アースの接続は内線規程において義務とされています。万が一の事故を起こさないためにも、アースは必ず接続しましょう。
(文:コヤマ タカヒロ(デジタル・白物家電ガイド))