Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ

2024年4月23日(火)18時55分 ITmedia PC USER

教育機関におけるChromebookの優勢を説明する、グーグルの杉浦剛氏

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 Googleは4月23日、学習用端末としてChromebookを導入する際に必要なソリューションをパッケージ化した「第2期向けGoogle for Education GIGA スクールパッケージ」を発表した。本パッケージは「GIGAスクール構想」で導入された学習用端末の更新(リプレース)が順次始まるタイミングを見据えて開発されたもので、学習用端末としてのChromebook(ChromeOS)のシェア拡大を図ることが狙いだ。
●第2期向けGIGAスクールパッケージの概要
 第2期向けGoogle for Education GIGA スクールパッケージは、教育機関向けWebツール「Google Workspace for Education」に、Chromebook向けの新しいMDMライセンス「Google GIGA License」と、Google Workspace for Education/Chromebookの運用支援プログラム「Google for Education GIGA サポート」を組み合わせて提供する。
Google GIGA License
 通常、Chromebookを教育機関で管理する場合は、管理用ライセンス「Chrome Education Upgrade」を端末単位で購入するか、同ライセンスが標準付帯する端末を購入する必要がある。
 学習用端末として既にChromebookを導入している教育機関は原則としてChrome Education Upgradeを導入しているが、これだけでは端末管理者や指導者(教諭)が児童/生徒の端末利用状況を詳細に把握することが困難だった。
 そこでGoogle GIGA Licenseでは、Chrome Education Upgradeのライセンスに、「Looker Studio」ベースで構築されたダッシュボードをセットで提供する。ダッシュボードでは、児童/生徒のChromebook(端末)の利用状況の他、Chromebookで利用できる各種アプリの利用状況も確認可能だ。
 単体のChrome Education Upgradeと同様に、ライセンスは端末の買い換え時まで永続する買い切り型となる。ライセンス料金はシステムインテグレーター(SIer)によって異なる。
Google for Education GIGA サポート
 Google for Education GIGA サポートは、Google Workspace for EducationやChromebookを新規導入または継続利用する教育機関(教育委員会や学校法人)に対する各種サポートをまとめて提供するものだ。
 新規導入を検討している教育機関向けには、Chromebookを試用できる「トライアルサポート」や、これらの新規導入に当たっての環境整備を支援する「新規導入サポート」を提供する。
 トライアルサポートで貸し出す端末の台数や貸し出し期間は、希望に応じて調整できる。他のOSとの比較検討などに活用してもらいたいという。新規導入サポートは、Google Workspace for Educationの環境(テナント)の構築を無料で支援するプログラムで、パートナー企業を通して利用を申し込む。
 既にChromebookを使っている教育機関に対しては「継続導入サポート」を提供する。これは管理コンソールを使ったアプリや端末の利用状況をチェックした上で、最新機能の紹介や利用すべき設定などを無償でアドバイスしてくれるというサービスだ。
 新規/既存を問わず提供するサービスとしては、無償の教職員向け研修プログラム「Kickstartサポート」(継続)、先述のGoogle GIGA Licenseのダッシュボードの初期設定を無償で実施する「活用データ可視化サポート」、Chromebook以外も含む学習用端末のリユースやリサイクルを支援する「リサイクルサポート」の3つを提供する。
 継続導入サポート、活用データ可視化サポートとリサイクルサポートは、パートナー企業を通して利用を申し込める。
●他OSから“乗り換える”自治体の獲得にアグレッシブに動くGoogle
 冒頭で触れた通り、GIGAスクール構想に伴い導入された学習用端末は2024年度から順次更新が始まる。各種調査によると、学習用端末におけるOS別シェアはChromeOSがトップで、Windows、iPadOSが続いている。
 グーグル(Googleの日本法人)の杉浦剛氏(Google for Education 営業統括)によると、ChromeOS(Chromebook)を既に導入している自治体からは「OSの起動の速さとバッテリー駆動時間」「端末管理のしやすさ」「導入支援プログラムの充実ぶり」が評価されているという。特にOSの起動の速さとバッテリー駆動時間の長さは、学びを止めないという観点で“選ばれる”理由になっているようだ。
 また、ChromeOSの「キオスクモード」やGoogleフォームの「ロックモード」を使うことで、CBT(Computer Based Test:コンピュータを使った試験)をやりやすいこともChromebookのメリットだという。
 Windows PCやiPadを使っている自治体にChromebookへの“乗り換え”を働きかけると同時に、既にChromebookを導入している自治体にChromebookに“とどまる”ように促す——学習用端末のリプレースが順次始まるこのタイミングで日本独自の取り組みを強化したのは、Googleが日本の教育市場に“本気で”取り組むことの証左といえる。
 Google for Education GIGA スクールパッケージは、教育市場におけるChromebook(ChromeOS)のシェア拡大につながるのか、注目だ。

ITmedia PC USER

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