kintoneをもっと便利に! プラグイン・連携サービスの活用術 第8回 「フォームブリッジ」を使いこなす! 便利な機能を紹介

2025年4月23日(水)9時0分 マイナビニュース


Webフォームをもっと便利にする機能
今回は「フォームブリッジ」に用意されている便利な機能をいくつか紹介していこう。これら上手に活用すれば、利用者にとっても、自分(自社)にとっても、親切で使いやすいWebフォームに仕上げられるようになる。
具体的な例をいくつか挙げておこう。
・Webフォームに入力した内容の確認画面を表示する
・回答後に表示されるメッセージをカスタマイズする
・利用可能な「回数」や「期間」を制限する
・利用可能なユーザーをパスワードで限定する
・利用者に「自動返信メール」を送信する
・自分宛に「回答通知メール」を送信する
「フォームブリッジ」では、上記のような改善をWebフォームに施すことが可能となる。それぞれの設定方法について、順番に解説していこう。
回答確認画面の表示
最初に紹介するのは、入力した情報の「確認画面」を表示する機能だ。この機能をONにすると、即座にデータを送信するのではなく、その前にいちど「入力した内容の確認画面」を表示できるようになる。
ただし、この機能はOFFに初期設定されているため、確認画面を表示するには設定をONに変更する必要がある。具体的には、以下のように操作を進めていけばよい。
(1)「フォームブリッジ」の管理画面を開く
(2)設定を変更するWebフォームの「フォーム管理名」をクリックする
(3)左側のメニューから「回答確認画面」を選択する。
(4)「確認画面を表示する」をONにする
(5)「保存」ボタンをクリックする
以上で設定変更は完了。これでデータの送信前に確認画面を表示できるようになる。あわせて、Webフォームの「回答」ボタンの文字を「確認画面へ」などに変更しておくとよいだろう。
なお、すでにWebフォームをインターネットに公開している場合は、「更新」ボタンのクリックも必要となる。これは以降に紹介する機能の設定変更を行ったときも同様だ。忘れないように注意しておこう。
回答完了画面のカスタマイズ
続いては、Webフォームからデータを送信した後に表示される「回答完了画面」をカスタマイズする方法を紹介していこう。初期設定では、「ご回答ありがとうございます!」と記された画面が表示されるようになっている。
とはいえ、Webフォームの内容によっては、「ご回答」という表現が適切ではないケースもあるだろう。このような場合は、メニューから「回答完了画面」を選択し、回答後に表示されるメッセージを変更すればよい。その後、「保存」ボタンをクリックし、さらに「更新」ボタンをクリックすると、設定変更をWebフォームに反映できる。
Webフォームに利用制限を設ける
席数に限りがあるイベントやセミナーを開催する場合など、「あらかじめ指定した人数(回答数)に達したらWebフォームの利用を停止したい」というケースもあるだろう。また、「ある一定の期間だけWebフォームを公開したい」というケースも考えられる。このような場合に活用できる機能が「回答制限」だ。回答制限を設定しておくと、それ以降はWebフォームが閉鎖され、以下の図のような画面が表示されるようになる。
この機能を利用するときは、メニューの画面で「詳しい設定」タブを選択し、「回答制限」を選択する。すると、以下の図のような設定画面が表示される。ここで「回答数上限」に数値を入力して「保存」ボタンをクリックすると、指定した回答数に達した時点でWebフォームが閉鎖されるようになる。
なお、Webフォームを公開する期間を限定したい場合は、「受付開始日時」と「受付終了日時」を指定してから「保存」ボタンをクリックすればよい。
そのほか、パスワードを知っている人だけがWebフォームを利用できるようにする機能も用意されている。会員や購入者だけが利用可能なWebフォームを作成する場合などに活用できるだろう。
Webフォームにパスワードを設定するときは、メニューから「パスワード保護」を選択する。続いて「パスワード保護を利用する」をONにすると、「ユーザー名」と「パスワード」が自動生成される。「ユーザー名」や「パスワード」を自分で指定したいときは、各項目の右端にある「編集」アイコンをクリックすればよい。
すると、各項目に好きな文字を入力できるようになる。その後、それぞれの「保存」をクリックすると設定完了となる。パスワードの表示/非表示は「目」のアイコンで切り替えられるようになっている。
なお、ここで指定した「ユーザー名」と「パスワード」は、全利用者に共通するものとなる。ユーザー認証のように、各ユーザーに個別の「ユーザー名」と「パスワード」を設定できる訳ではない。
また、いずれの場合も設定変更後に「更新」ボタンをクリックしておく必要がある。忘れないように注意しておこう。
自動返信メールの設定
フォームブリッジには、あらかじめ登録しておいた一連の処理を自動実行できる「回答保存プロセス」と呼ばれる機能も用意されている。この機能を使って、利用者に「自動返信メール」を送ることも可能だ。その設定手順を解説しておこう。メニューから「回答保存プロセス」を選択する。
「回答保存プロセス」に登録されているプロセス(処理)が一覧表示される。ここに「自動返信メール」のプロセスを追加する。「追加」ボタンをクリックすると……、
追加するプロセスを選択する画面が表示されるので、「自動返信メール」を選択する。
自動返信メールの設定画面が表示される。この画面で自動返信メールの宛先や件名、本文などを指定していく。
最初に「実行条件」を指定する。特に理由がない限り、この設定は「実行済みプロセスがすべて成功時」のままで構わない。「差出人アドレス」は固定になっているが、トヨクモが提供する「kMailer」と連携すると、自社ドメインのメールアドレスを指定できるようになる。
「差出人名」には、適当な文字を自由に入力すればよい。「宛先アドレス」と「宛先名」は、Webフォームに配置されているフィールドを選択して指定する仕組みになっている。なお、「宛先アドレス」に指定できるのは、入力値の種類が「メールアドレス」の「文字列(1行)」フィールドのみ、となる。
続いて、メールの「件名」を入力し、「本文」の文面を編集していく。このとき、フィールドコードを指定して「各フィールドに入力された値」を自動挿入することも可能となっている。フィールドコードは、{{文字列_1行}}のように半角の二重波括弧で囲んで指定する。
「遅延送信」は、基本的に「無効」のままで構わない。回答後すぐにメールを送信するのではなく、1〜60分後に自動返信メールを送信したい場合のみ、この設定項目を変更すればよい。以上の設定が済んだら「保存」ボタンをクリックする。
「回答保存プロセス」の設定画面に戻るので、「自動返信メール」プロセスが追加されていることを確認し、「更新」ボタンをクリックする。
以上で「自動返信メール」の設定は完了。念のため、Webフォームに自分のメールアドレスを入力して、「正しくメールを受信できるか?」を確認しておくとよいだろう。
回答通知メールの設定
Webフォームから回答(データ送信)があった際に、その旨を自分(自社)に知らせてくれる「回答通知メール」という機能もある。こちらも「回答保存プロセス」に用意されている機能の一つとなる。その設定手順を紹介しておこう。
メニューから「回答保存プロセス」を選択し、プロセスの一覧を表示する。続いて「追加」ボタンをクリックし、「回答通知メール」を選択する。
回答通知メールの設定画面が表示されるので、最初に「実行条件」を選択する。通常は、「常に」または「実行済みプロセスがすべて成功時」を選択しておけばよい。
続いて、「差出人名」、「宛先アドレス」、「宛先名」を入力する。「宛先アドレス」には、自分のメールアドレス(または自社で受信可能なメールアドレス)を入力すればよい。
設定画面を下へスクロールして、メールの「件名」と「本文」を入力する。こちらもフィールドコードを使って「各フィールドに入力された値」を自動挿入することが可能だ。二重波括弧の入力が面倒な場合は、下部に表示されている「フィールドの一覧」からフィールドを選択して、フィールドコードを入力してもかまわない。すべて指定できたら「保存」ボタンをクリックする。
「回答保存プロセス」の設定画面に戻るので、「回答通知メール」プロセスが追加されていることを確認し、「更新」ボタンをクリックする。
以上で「回答通知メール」の設定は完了。こちらも、Webフォームに適当なデータを入力して、「正しくメールを受信できるか?」を確認しておくとよいだろう。
回答保存プロセスに用意されている機能
フォームブリッジの要ともいえる「Webフォームに入力された内容を、そのままkintoneアプリに保存する」という処理も、回答保存プロセスに含まれている。この設定画面を開いて、「各フィールドがどのように対応しているか?」を確認・変更することも可能だ。
「回答保存プロセス」の設定画面を開き、「kintoneアプリへの保存」プロセスにある「歯車」のアイコンをクリックする。
プロセスの設定画面が表示されるので、画面を下へスクロールしていく。すると、各フィールドの対応状況を確認できる。ここで各フィールドの対応を変更することも可能だ。
「Webフォーム」と「kintoneアプリ」が思い通りに連携してくれない場合などに確認してみるとよいだろう。
そのほか「回答保存プロセス」には、文字列連結や文字列置換、自動計算、自動採番といった機能も用意されている。これらの機能を使って、より高度な処理を実現することも可能だ。
例えば、Webフォームに「氏名」というフィールドを配置した場合、「山田太郎」や「山田 太郎」といった具合に、半角/全角スペースの有無が異なる形式でデータが入力されてしまう可能性がある。というより、かなりの確率でそうなるのが一般的だ。
この対策として「姓」と「名」のフィールドを別々に用意しておき、文字列連結により「姓(半角スペース)名」という形に連結してからkintoneアプリに保存する、という処理を設定しておけば、「氏名」のデータ形式を(半角スペースあり)に統一することが可能となる。
「回答保存プロセス」に用意されているプロセスの詳細は、こちらの操作ガイドに詳しく記載されているので、いちど確認しておくとよいだろう。
ここまで紹介してきたように、フォームブリッジは「Webフォーム」と「kintoneアプリ」を連携させるだけでなく、使い勝手のよいWebフォームを作成するための機能も豊富に用意されている。
さらに、トヨクモが提供している「kViewer」と連携させて、ルックアップ機能(kViewerルックアップ)のあるWebフォームを作成することも可能となっている。つまり、別のkintoneアプリから「商品名」や「価格」などのデータを取得して、Webフォームに反映させる、といった使い方もできる訳だ。これにより「Web受注フォーム」などを構築することも可能となる。「kViewerルックアップ」については、こちらのページに詳しく紹介されているので、気になる方は一度確認してみるとよいだろう。

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