IBM、システム開発・運用に生成AI活用の「IT変革のためのAIソリューション」

2024年5月2日(木)10時21分 マイナビニュース

日本IBMは5月1日、AI&データプラットフォームである「IBM watsonx」をはじめとしたAI技術を活用して、戦略策定からシステム開発、運用、プロジェクト管理まで包括的に支援する「IT変革のためのAIソリューション」を体系化し、提供を開始した。
○「IT変革のためのAIソリューション」を構成する5つのコンポーネント
今回、体系化したIT変革のためのAIソリューションは、システム開発や運用などにAIを活用することで、省力化、生産性向上、有識者の知見をLLM(大規模言語モデル)に取り込みが可能となり、情報システムの働き方を変革することができるという。
体系化したソリューションは「AI戦略策定とガバナンス」「コード生成のためのAI」「テスト自動化のためのAI」「IT運用高度化のためのAI」「プロジェクト管理のためのAI」の5つのコンポーネントで構成されている。
○AI戦略策定とガバナンス
ITライフサイクルにおける生成AI活用の戦略策定とガバナンスを提供し、さまざまな事例にもとづいた最適なAIユースケースやコード生成のためのAIなどを活用した生成AIプロトタイプによる生成AI活用シナリオの早期確立と、生成AIを組み込んだ開発プロセス・標準策定によるガバナンスと適用対象を拡大。将来的には、ベストプラクティスを学習した生成AIによる新たな価値提供も実現するとのこと。
○コード生成のためのAI
生成AIとローコード開発などを最適融合し、システム構築ライフサイクル全体を効率化。基盤モデル「watsonx.ai」に同社の共通追加学習と顧客の標準コードを個別学習させることで、顧客環境に適した仕様書からJava/COBOL/PLIコードの生成やコードから仕様書の作成に加え、COBOL/PLIの既存システム分析、テスト自動化、基盤コード生成が可能とし、ハイブリッド/マルチクラウドにも対応する。
○テスト自動化のためのAI
従来のテスト自動化の仕組みに生成AIを組み込み、テスト効率化と仕様変更に対する柔軟性を向上する。要件や仕様情報を入力後、テスト・データを自動生成し、テストスクリプト生成からテスト実行/検証まで、画面打鍵テストのプロセスをシームレスに自動化するという。これまで自動化が難しかった単発の機能テストや、仕様変更が多いアジャイル開発でも柔軟に自動化を適用することで効率化。
○IT運用高度化のためのAI
生成AIや自動化技術を活用し、IT運用を高度化し、具体的には問合せに対するチャットボットでの自動応答によりオペレーターの負担を軽減し、定型作業の自動化、インシデント検知から対応まで自動化し、複数イベント集約による復旧時間を最小化するという。また、生成AIがインシデント要約を作成し、過去の対応実績から障害の根本原因や解決策候補を関連する設計書や手順書を検索して提示。定型作業や復旧作業を自動化し、自動化スクリプトの生成など、インシデント・定型作業対応を高度化する。
○プロジェクト管理のためのAI
AIテクノロジーでプロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)の作業を支援し、プロジェクト品質を確保。社内プロセスや規程、プロジェクト管理関連の質問へのチャット・システムの自動回答、プロジェクト・レポートの自動生成、プロジェクトKPI自動評価やAIによる総評、要注意プロジェクト情報の提供、過去実績データにもとづくプロジェクト品質の確保や評価・予測により、PMO業務を支援する。
今後、2027年には分析、要件定義、設計/開発、テスト、運用における仕様書作成やテストを中心に効率化し、有識者によるレビューを含めても30%以上の効率の向上を目指す。
さらに、2030年には自動化に加え、有識者の知見をLLMに取り込んだAIによるレビューの仕組みを構築することで、開発と運用全体で50%のスピード向上と抜本的な効率化を目指し、IT変革を加速していく考えだ。

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