ホリエモンロケット打ち上げ成功 課題は「品質管理」と「人工衛星打ち上げ能力」

5月5日(日)18時19分 財経新聞

 とうとう成功した。ホリエモンこと堀江貴文氏らが起業したベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が5月4日、「MOMO(モモ)」3号機を北海道大樹町の実験施設から宇宙空間まで打ち上げた。発射まで問題が発生していたため打ち上げは延期を続けていたが、ついに成功した。

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 発射直後には傾きかけた本体だが、姿勢制御に成功しており、そのまま上昇を続けることが出来た。ロケットの場合、姿勢制御は慣性誘導装置のはずだ。ジャイロで水平・垂直など姿勢を認識し、ロケットの噴射ノズルの方向を変える仕組みだ。これはミサイル制御技術の基本で、日本初めてのロケット研究では、東京大学宇宙航空研究所の糸川英夫教授が「慣性誘導装置はICBM(大陸間弾道ミサイル)に繋がる」として開発を拒否していた技術だ。

 そのため、日本のロケットはスピンコントロールと言って、ロケットをスピンさせて方向性を安定させる方式で始まったのだ。しかしこれは、大砲の弾丸のコントロールと同じで風に弱く、コントロールしているとは言えず、人工衛星の打ち上げには幾度も失敗した。現在のH2ロケットはすぐにでもICBM化することが出来る技術を持っているが、糸川教授の思想は当時、「日本は再軍備しない」との意思表明として世界に強く訴えることとなった。

 しかし、今回の堀江氏たちのロケットは再軍備の姿勢とは受け取れるはずもなく、自由にのびのびと小型衛星を打ち上げるロケットになってほしいものだ。

 これからの課題としては、人工衛星を軌道に乗せるまでの「制御技術」と、一度成功したら次からは必ず成功できる「品質管理」の手法だ。打ち上げの様子を見ると、まだまだ同様の問題を繰り返しているようだ。

 「民生品」を使ったシステムであるので、その部品管理も極めて大事だ。民生品の品質保証の精度で、部品を積み上げて品質を保証できるのか?極めて興味がある。品質を一定にするには「製造工程を一定に保つこと」が必要だが、これには部品工場の現場をはじめ作業員全員の固い意志が必要だ。現在の民生品工場の品質管理は極めて優秀で、仮に、堀江氏たちロケット設計家たちが理解できていなくとも、現場の作業員たちが心得ているはずだ。

 品質保証が出来るとすれば、それは民生品の品質が軍事用の部品に匹敵するほどであることが証明される。それはまた、民生品が軍事用に転用できることでもあり、北朝鮮などの軍事転用に備えなければならないことになる。堀江氏たちは、テスラのイーロン・マスク氏も散々戦ってきた「製造」の壁に挑戦することとなる。それでも堀江氏の試みは自動車工業の「量産」技術ではなく検査・修正が許されるので、何とか乗り越えてほしいものだ。

財経新聞

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