テレビやレコーダーを延長コードにつないでいたら、「たこ足配線は危険」といわれ心配……問題はある?
2025年5月12日(月)21時10分 All About
テレビやレコーダーを延長コードにつないでいる人もいるかもしれませんが、一歩間違えると危険な場合もあることをご存じでしょうか。「All About」ガイドで、家電のスペシャリストの安蔵靖志が解説します。
「All About」ガイドで、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演する安蔵靖志が解説します。
(今回の質問)
テレビやレコーダーを延長コードでたこ足配線でつないでいるのですが、友人に危険といわれて心配です。実際は問題ありますか?
(回答)
たこ足配線=危険というわけではありませんが、定格電力を超えないように気を付けましょう。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
たこ足配線は定格電力を超えてしまうリスクがあります
たこ足配線、つまりコンセントに複数口を持つ電源タップを接続して家電製品を使用することは一般的に行われていますが、注意が必要です。たこ足配線自体が危険というわけではないのですが、結果的に各機器の消費電力の合計が電源タップの定格電力を超えてしまうことがあるためです。例えば液晶テレビは30〜200W、有機ELテレビは50〜300W程度の定格電力で、レコーダーは20〜30W程度と決して大きくはありません。ただし、ほかの機器も稼働させると1500Wを超えてしまう場合があります。例えば、テレビとレコーダーに加えて定格電力1200WのIHクッキングヒーターを同じ電源タップで同時に稼働させたら、1500Wをただちに超えてしまいます。
また、ブレーカー機能を搭載する電源タップの場合、1500Wを超えるとブレーカーが遮断されてしまうため、テレビやレコーダーも同時に電源が切れてしまいます。番組を録画している場合には録画が中断されてしまうため、消費電力の大きい家電をテレビやレコーダーと同じ電源タップに接続しないようにしましょう。
安全なたこ足配線の使い方は?
たこ足配線を使用する際には、安全な使い方を心がけましょう。定格電力を確認する
使用する延長コードやタップの定格電力を確認し、接続する機器の合計消費電力がこの数値を超えないようにします。機器の消費電力は、通常の場合製品の取扱説明書や背面ラベルに記載されています。接続する機器を選択する
延長コードに接続する機器は、必要なものだけにすることをおすすめします。使用していない機器は、できるだけプラグを抜いておきましょう。適切な製品を選定する
使用目的に応じた適切な定格電力の延長コードを選び、過負荷にならないように注意しましょう。認証マーク(PSEマークなど)がしっかり付いている製品を選ぶことも重要です。定期的に点検する
延長コードや電源タップを定期的にチェックし、異常がないか確認します。熱を持ったり、異臭がしたりする場合はただちに使用を中止しましょう。たこ足配線をしているからといって必ずしも危険とは限りませんが、使用方法や配線状態によっては危険が伴うこともあるため、適切な注意を払う必要があります。定格電力を守り、安全な使い方をすることで、不測の事態を避けられます。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
(文:安蔵 靖志)