買収された会社社長がアクセンチュアをディスった? ゆめみ“怪文書”騒動

2025年5月12日(月)18時36分 ITmedia NEWS

片岡俊行社長が「ネタ怪文書」と表現した文書(出典:web.archive.org)

 モバイルアプリ開発などを手掛けるゆめみ(京都市下京区)が“怪文書騒動”で注目を集めている。5月8日にアクセンチュアによる買収を発表した後、はてなが運営するWebサイトにアクセンチュアをディスるような文書が掲載され、後日ゆめみの片岡俊行社長が「自分が書いた」とXに投稿したのだ。
 文書のタイトルは「ゆめみからアクセンチュアにJoinされる皆さんへ」。「弊社にJoinくださることを嬉しく思ってます」と、アクセンチュアの人間が書いたような体裁で始まり、社内環境から社用PC、開発環境、そして評価や昇進にいたるまで愚痴のような説明が並ぶ。
 例えば、週5出社なのに席が足りていない、PCは社内標準ツールが満載(常にトラッキングされている)のせいか起動に時間がかかる、AIは社内の「謎ChatGPTもどき」しか使えないなど。いずれも真偽不明ながらも、大企業にはありそうな内容だ。
 文書はその後削除されたが、5月11日にゆめみの片岡俊行社長が自身のXアカウント(@raykataoka)を更新。「私が空想で書いたネタ怪文書が思った以上に話題になってしまい大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。
「事実無根な内容であるばかりでなく、稚拙な書き様であることが、あたかもな真実味を増すことに至ってしまいました。怪文書がアクセンチュア社長の目に留まると、私の立場も危うくなるため、決して拡散しないようにお願い申し上げます。決して、拡散しないでください」
 これを見たXユーザーは困惑。本当に片岡社長が書いたと受け取りコンプライアンスに問題があると指摘する人、社長が怪文書を書いた人をかばっているのではないかと推測する人、Grokにファクトチェックを依頼する人なども現れ、混沌とした雰囲気に。明らかなのは、皆が片岡社長の真意を推し量れずにいるということだ。
 しかし、ゆめみ社内は意外なほど冷静だったようだ。ある社員は「社長に確認したわけではない」と前置きした上で「社内では『いつものこと』という受け取られ方をしている。センシティブな内容の文書に対し、意表を突く切り返し(=Xへのネタ投稿)でユーモアに変えようとしたのではないか」。
 つまり、この社員は文書を書いた人間は別にいて、社長は騒動を丸ごと煙に巻くようなジョーク投稿をしたとみていた。それは「社長の普段の行動パターンを見ていると分かる」という。
 果たして、これで怪文書騒動は収まるのか。なお、ゆめみ広報はこの件についてアクセンチュアと協議したと認めたものの、それ以上のコメントは控えた。
 モバイルアプリなどのデジタルサービス全般の企画開発を手がけるゆめみは2000年に創業。デザイナーとエンジニアが密に連携する「デザインエンジニアリング」をうたい、これまでに600社以上の企業とWebアプリケーションやスマートフォンサービスを企画開発してきた。5月8日付でアクセンチュアによる買収を発表している。

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