新サービスに質問が集中——ドコモ2018年夏発表会 一問一答

5月18日(金)6時30分 ITmedia Mobile

囲み取材に応じる吉澤和弘社長(右)

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 NTTドコモは5月16日、「2018 夏 新サービス・新商品発表会」を開催した。
 この記事では、発表会での質疑応答と、吉澤和弘社長の囲み取材の模様をお伝えする。
●プレゼンテーション後の質疑応答
 質疑では吉澤社長の他、森健一プロダクト部長、芦川隆範コンシューマビジネス推進部長が報道関係者からの質問に答えた。
—— (HUAWEI P20 Pro HW-01Kについて)Huawei(ファーウェイ)のスマートフォンは5年ぶりくらいだと思う。改めてHuaweiを採用した経緯が知りたい。P20 Proはドコモ限定ということで気合が入っている気がしたが、なぜそこまで注力したのか。(編集者注:ドコモのHuawei製スマートフォンは「Ascend D2 HW-03E」以来5年ぶりとなる)
森氏 昨今、日本でもSIMロックフリー市場を中心に、(Huweiの)プレゼンスがかなり高まって、利用する人が増えているという背景がある。もともと(Huaweiは)dtabも提供してきて、ずっと将来の可能性を模索していた。今回、素晴らしいスペックの端末で、しかも日本の周波数に対応し、FeliCa(おサイフケータイ)、VoLTEやスグ電といったドコモ仕様を盛り込む形で出していただけるということもあって採用に至った。
 4、5年前と比べると、Huaweiさんも相当、研究開発に力を入れてらっしゃる。特にスマホ事業はここ数年、素晴らしいものが出ていた。そういったものが今回、我々のラインアップに加わるのは非常に喜ばしいことだと思っている。
—— 以前、「ひかりTV for docomo」を2018年春から提供する予定と発表していたと思う。もう陽気は「春」ではなくなってきていると思うのだが、どうなっているのか。
芦川氏 今、サービスローンチに向けて着々と準備をしている。しばらくお待ちいただければと思う。
—— my daizは他社のAIエージェントと比べて、どういった優位点があるのか。また、スマートスピーカーのようなハードウェアを用意する予定はあるのか。
芦川氏 ドコモの1番の強みは、キャリアとして、これまでいろいろなサービスを出して培ってきたファクトデータに基づき、ユーザーの行動を先読みして、パーソナライズをしっかりとしてサービスを提案できることにある。我々はスマホやタブレットを使ってもらっているので、ユーザーを常に身近で理解して提案することができる。
 もう1つ、色々なパートナーのサービスをそろえて提案できるという強みもある。質問すると答えてくれる「スマート価値」も大事だが、我々はやはり「提案価値」(を重視したい)。ユーザーが、こうあってほしいと思う前に、我々がこちらから提案してユーザーに価値をしっかり伝えたいという思いで今回は出した。
 AIスピーカーはいろいろあるが、我々にはスマホやタブレットがある。インフォメーションのプッシュ通知やアプリ上の表現などはスマホならでは。そういったものを使って我々からユーザーに語りかけ、自然な対話を誘発する、スマホならではの仕組みが大きな強み。スマホならではの強みを生かしていきたい。
 サービスはオープンで、デバイスはいろいろなパートナーとタイアップしてやっていきたいと思っている。APIを公開しているので、デバイスを開発しているメーカーは、my daizをぜひ搭載してもらいたい。我々が独自でスピーカーなどを出すことは考えていない。我々はスマホとタブにこだわって、ユーザーの身近でやっていきたい。
—— my daizと投資サービス、いずれもキャリアフリーで使えるということで、dポイントの会員基盤を強化する意味合いもあると思う。改めて、ドコモが回線契約から会員へ顧客基盤を転換する狙いと、今回の新サービスが果たす役割や狙いを教えてほしい。
吉澤社長 ご指摘いただいたように、my daizも投資関係のサービスも、我々が「契約から会員へ」ということで取り組んでいることに連携している。会員という捉え方をすることで、いろんなサービスがくっついてくる。
 例えば「THEO+ docomo」で運用すると同時にポイントが付いてくるなど、dポイントの促進につながっている。dポイントがどういう状態になっているかは、my daizですべて確認できる。パーソナルな会員1人1人のデータをしっかりと蓄積して、それをポイントやサービスのさらなる展開、促進に応用し、連携させていく。
 特に今年度、事業革新していくことは、すべてdポイント、あるいはmy daiz、投資サービスに全てつながっていると考えていただいて良い。会員基盤をベースにしたサービスを拡大していくという意味での捉え方で良い。
—— ドコモでは直近1年で、モバイルデータ通信端末やWi-Fiルーターを出していないが、今後はどう考えているか。
森氏 Wi-Fiルーターは2017年3月に出たNECプラットフォームズ製の「N-01J」以降出ていないが、現在、商品企画を具体的に進めているものがあるので、もうしばらく待ってほしい。
●新サービスに質問が集中した囲み取材
—— dポイントの投資、THEO+ docomoでもdポイントが付くなど、これからはdポイントを中心にサービスを展開していくように感じた。ドコモにとって、dポイントは今後、どういう位置づけになるのか。
吉澤社長 「契約から会員へ」という話をしたが、会員の一番大きな枠組みは、ポイントプログラム(dポイントクラブ)。
 世の中にも(ポイントプログラムは)たくさんあるが、ポイントを中心にして会員を広げていく。我々のサービスだけではポイントが貯まったり使ったりすることに限界があるので、加盟店さんを今、拡大している。最近ではマツモトキヨシ、以前はローソンやマクドナルドがあった(加わった)。
 加盟店を増やしていくことによって、会員が増え、dポイントも増え、貯まったら使うということで、ユーザーの利便性が高まっていく。今回の投資サービスについても、まずdポイントを使って体験してもらった上で、(THEO+ docomoで)初めて投資をしていただいて、運用の金額に応じてdポイントが付くということで好循環を作って、ドコモとしての有利なところをみなさんに体験してもらう。会員もどんどん増やしていこうと考えている。
 結局、会員の内側に回線契約がある。回線契約も非常に重要なことなので、それはそれでやるが、他キャリアやMVNOもあり、日本の中で回線はなかなか増えない。ポイントを1つの大きな枠組にして、それをフックにして、もっと会員を増やす戦略。そこには今回の投資サービスもあるし、my daizもポイントと連携する。今いったところはすべてつながっている。別々なものではない。ということで、会員を広げていきたい。
—— ドコモのブランドには安心感があると思うが、今回、ポイント投資とTHEO+ docomoといったリスク商品を扱う上で、安心感を担保するような施策はあるのか。
江藤俊弘FinTech推進室長 投資商品になるので、ポイントであれ現金であれ、(元の投資額から)上昇したり下降したりする。これについてはユーザーの理解をきちんと得た上で使っていただくことを基本としている。サービスを利用する際に、注意喚起はきちんとする。
 そして、リスクに関しては強弱がある。ポイント投資にも(リターン重視の)アクティブコースとベーシカルな(バランス)コースの2つがあり、ユーザーが選べる工夫をしている。そういったところでカバーしていければと思っている。
—— ドコモショップ店頭で何か打ち出したりするのか。
江藤氏 (ポイント投資やTHEO+ docomoの)販売チャネルはネットを基本に考えている。ドコモショップでお勧めすることは当初から想定していない。
—— my daizは、iモードのようにユーザー接点の大きなポイントになるのか。今後、どうしたいと考えているのか。
吉澤社長 my daizはユーザー接点を今まで以上に近くすると、私自身は思っている。
 いろいろなサービスと連携するが、例えば「My docomo(契約者向けWebサイト)」と連携することによって、ドコモショップやコールセンター、Webと並ぶ非常に大きな(接客)ツールになる。そこでは契約更新の時期を知らせたり、機種変更のお勧めなどもできる。1人1人のユーザーに、さらに近づくことができるサービス、それがmy daizだと思っている。
 (接客)チャネルそのものをさらに充実させるということで考えていただいても良いと思う。
—— my daizでは2020年の目標数値として150パートナーという話があったが、その数字が意味するところは何か。
吉澤社長 今は30程度だが、それを150までにする。実際にmy daizを使うユーザーは、2020年で1500万くらい(に達すること)を考えている。
関崎宜史エージェントサービス担当部長 ユーザーの生活の行動支援をするということで、「暮らす」「楽しむ」「買う」といったカテゴリがある。このカテゴリに沿ったサービスを提供していただけるパートナーを開拓し、一緒にサービスを届けていきたいと思っている。
 一方で、我々が積極的にやっていきたいという1つの目標が150で、カテゴリの中に入っていなくても「こういったサービスがあるのではないか?」という提案がある企業もいらっしゃると思う。そういったところとも一緒に作っていきたいと思っていて、もっともっと増やしていきたいという目標として挙げている。
吉澤社長 我々から「ぜひこれをお願いしますよ」ということで増やすのが150だが、APIをオープンにしているので、個人は基本的に無理だと思うものの「我々も!」というパートナーさんがいらっしゃるなら、声をかけていただければ、どんどんそこに入っていただく。領域をどんどん広げていきたい。
—— my daizの有料サービスは月額100円ということで、単独での収益はそれほど大きいものを考えていないと思う。収益はどこで(得ようと)考えているのか。
吉澤社長 有料サービスのユーザーがどれくらいになるか、ある程度シミュレーションしている。ユーザー数が伸びれば収益も伸びるが、サービスのAPIをオープンにして、APIを開放するAPI課金のようなものを考えている。スタート時はやっていないが、パートナーの方に入っていただくときに課金させていただくということを考えている。
関崎氏 間接的になるが、それ以外ではmy daizでユーザーに合わせたdサービスを提案するなど、サービスの利用促進をする役目も果たしていきたいと思っている。そうなると、dサービスを継続して使っていただくことにも寄与できる。
 パートナーのサービスをもっと増やし、最終的に決済に広げていけるのではないかと考えている。
吉澤社長 パーソナライズで、1to1のマーケティングをすることで、月額課金はさることながら、都度課金のコンテンツやサービスを利用してもらえるようになる。間接的というか、100円の利用料金とは別に実は狙っている。
—— すでにスマホには「Googleアシスタント」や他社のAIサービスが搭載されている。競合するところがあると思うが、そこはどう考えているか。
関崎氏 ご指摘の通りだが、スマホだからこその強みがある。Googleさんにもあるとは思うが、ユーザーからお預かりしているデータを駆使して学習し、1人1人に届けられる強み。また、ここもスマホだと被っている要素があるが、家の外(でも役立つという強みがある)。
 あとはパートナーをどれだけそろえていけるか。そういったところが強みだと思っている。ここでもチャレンジかなと思っている。
吉澤社長 パートナーをいかにたくさん集められるかということもあるし、自分たちの仕組みとして、1to1マーケティングができるデジタルマーケティングのプラットフォームをいかに作れるか。
 あとはそのベースとなる会員基盤。我々の今までの実績もあるが、そこを強みにしていくことが、他との差別化につながるのではと思う。
—— my daizのユーザーを2020年に1500万というのは、かなり大きな目標だと思うが、初年度(2018年度)はどのくらいの目標を立てているのか。
吉澤社長 iコンシェルのユーザーがだいたい700万弱。my daizを使っていただくと、iコンシェルのサービス以上のものが使えるので、できればiコンシェルのユーザーをシフトして、さらに新しい機能を使っていただくことで(ユーザー数を)プラスアルファさせて、まあ、そのくらいかなと。
 全員がすぐに移るわけではないだろうが、2018年度中に700万から800万(ユーザー)くらいは行きたい。そして2020年に1500万以上を狙いたい。
—— iコンシェルが出た当初は、非常にインパクトが大きかった。しかし、その後あまり進化せずにパッとしなかった印象があるが、反省点はあるか。何がダメで受け入れられなかったのか。あるいは、良いサービスなのに注力しなかったのか。
吉澤社長 注力はした。iコンシェルでは非常に多くのユーザーの声を認識したり、何億回というケースを蓄積した。そういったことで自然対話のエンジンはものすごく発展した。
 ただ、検索や調べものだけでは、必ずしもユーザーの行動や生活のサポートになっていない。だからこそ、今回はパーソナライズ化。先読みエンジンをいかに充実させるか。my daizでは1人のユーザーが思っている先を行くようなところに注力する。現段階では入っていないが、例えば家電連携。「電気をつけて」とか「掃除をして」とか、いわゆるIoTのアクセス制御のエンジンも投入(を検討)しているところ。
 2018年度中にそういったエンジンを付けることで、もっと強くしていきたい。今までアピールしきれなかったエンジンが、今回、ある程度出来上がってきている。
—— docomo with端末について以前、吉澤社長は「3万円半ばくらいが対象になる」言っていたが、今回のLG端末(LG style L-03K)はスペックが高く、価格も4万円に近づいてきている。段々と価格を上げていくような狙いはあるのか。
吉澤社長 LG styleは(税別で)4万円弱くらい。docomo withをやるときに、ユーザーにお見せするプライスで3万5000円から4万円くらいの間であればいけると言ってきた。4万円をかなり超えてしまうようなものは、なかなかいけないので、ご指摘があったように考え方のギリギリ。(今の端末価格が)ちょうど良いくらいなのかと考えている。
—— もう一声、(docomo with対象に)「iPhone SE」が入ってくるようなことは。
吉澤社長 iPhoneのある機種を対象にするかどうかということについても、我々の実際の調達価格などによるが、検討はしていく状況になるかなとも思う。しかし、今は入れることを考えていない。
—— 今回のHuaweiの端末は、docomo with端末ではなくてハイエンドモデル。そのあたりの思い入れ、今後の期待を聞かせてほしい。
大平雷太プロダクト企画担当部長 ユーザーに受け入れられる、喜んでいただける良いものが、ドコモにラインアップされているという状態にしたいと思っている。P20 Proに関しても、そういう端末なんじゃないかと思ってラインアップさせていただいた。
 他の端末に関しても、良いものがそろっているという状況を作りたいという考えだ。
吉澤社長 P20もいくつかシリーズがあるが、私も、他のものとの関係の中で、ハイエンドなものを揃えておきたいというのが今回の考えだ。
 今後も良いものが出てくれば、しっかり検討していきたいと思っている。
●CMに登場する3名も登場
 発表会では、ドコモのCMに出演している堤真一さん、綾野剛さん、高畑充希さんによるトークセッションも行われた。my daizに話しかけたり、Galaxy S9/S9+で作成したAR絵文字を披露したりして、会場を盛り上げた。

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