京大、サンゴの死滅・白化を防ぐ新物質を発見

5月18日(金)16時57分 マイナビニュース

京都大学(京大)は、サンゴが地球温暖化によって白化絶滅する原因を、ビッグデータに基づくトランスオミクス解析によって、分子レベルで明らかにしたと発表した。また同時に、サンゴの白化防止に効果のある化学物質を発見し、その機能についても解明したと発表した。

同成果は、京大 農学研究科 応用生命科学専攻の植田充美 教授、青木航 助教、元根啓佑氏(日本学術振興会特別研究員)、東京大学の高木俊幸 助教らと、早稲田大学、筑波大学、沖縄科学技術大学大学院、京都市産業技術研究所・京都バイオ計測センターらの共同研究グループによるもの。詳細は国際学術誌「Marine Biotechnology」に掲載された。

全海洋生物種の約25%が生息するサンゴ礁は、生物多様性が豊かな環境のひとつだ。しかし近年、地球温暖化に伴う海水温上昇などの影響でサンゴが死滅する観察例が世界中で報告され、世界のサンゴの種の約3分の1が絶滅の危機に瀕していると言われている。

海水温の上昇は、サンゴ幼生の死滅や親サンゴの白化を引き起こし、サンゴの崩壊や、サンゴ礁に生息する多種多様な生物の消滅につながっている。そのため、サンゴの白化現象を分子レベルで解析し、白化を防ぐ保護技術の開発が求められていた。

研究グループは、温暖化による高温ストレスから異常に産生された活性酸素種により、サンゴの死滅や白化が引き起こされると仮説を立て、高温条件下で研究室で飼育に成功したサンゴ幼生の生存率を向上させることを目的として、活性酸素種を消去するために設計されたレドックスナノ粒子(RNP)の活用を検討した。

RNPは、中分子量ポリマーに抗活性酸素剤であるニトロキシドラジカルが共有結合した構造をとっており、正常細胞の電子伝達系などに障害を与えず、過剰に産生した活性酸素種のみを選択的に消去することができる。

研究グループは今回、モノリスカラムを用いたプロテオーム解析により、RNPを投与されたサンゴ幼生では、活性酸素種の産生に応答する酵素群の生産が減少していることを明らかにした。また、高温条件下で飼育したウスエダミドリイシの幼生に対してRNPを投与したところ、生存率の向上が認められたという。

これらの結果から、RNPが過剰な活性酸素種を消去することで、高温ストレス下におけるサンゴ幼生の生存率の向上に寄与していることが明らかになった。

なお、今回の成果を受けて研究グループは、RNPは活性酸素種を効果的に消去できることから今後、サンゴの保護にも活用できることが期待されるとしている。

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