全社導入を進める日立ソリューションズが語るRPAの課題と効果 (1) 開発のしやすさに優れているスクリプト型を選択

5月18日(金)11時30分 マイナビニュース

今、ロボットを利用して業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)が注目されている。日立ソリューションズはRPA「Automation Anywhere」の代理店だが、自社でも2016年よりRPA導入に向けた検討に入り、全社展開を始めている。同社はITベンダーとはいえ、RPAの先行導入を開始したのは人事部ということで、一般企業にとっても参考になる話がありそうだ。今回、同社の担当者に、RPA導入にあたっての課題、導入によって得られた効果などについて聞いた。
○スクリプト型RPAを選んだ理由

日立ソリューションズがRPAを導入した背景には、業務の効率化、働き方改革がある。同社は日立ソフトウェアエンジニアリングと日立システムアンドサービスが合併して2010年に立ち上がったシステムインテグレーターだが、2015年の組織再編により社名はそのままに組織が新しくなった。さらに、日立の標準システムを導入することになったが、自社に合わせたシステムのエンハンスができず、手計算・手動での連携が必要となった。そのため、社員から「『手作業を軽減したい』という声があった」と人事総務本部 労政部の小山真一氏は説明する。

かくしてRPA導入のための検討が開始されたのは2016年7月。まだ導入事例や情報が少なかった中、ベンダー選定を行った小山善直氏(RPAビジネス部 部長)は、「ビジネスとして自社が提供する、自社に導入する、と2つのポイントがあった」と述べる。

その上で、「開発のしやすさ」「対応システムの種類が豊富かどうか」「管理機能」の大きく3つの分野にフォーカスして、ベンダーを絞り込むことになった。最終的には、2017年2月に入手した海外レポートで、ロボット開発性・機能、RPA分析、業務適用範囲など多くの項目でトップの評価を得ていたAutomation Anywhereに目をつけた。同製品はまだ日本では展開されていなかったため、米国本社にコンタクトを取った。

例えば、開発のしやすさでは、ロボット開発の生産性とメンテナンス性の2つをみた。RPAソリューションはフローチャート型とスクリプト型に二分でき、Automation Anywhereは後者のスクリプト型となる。実際に試したところ、フローチャート型RPAでは、ロボットの作業ステップが200個も必要になることがわかったそうだ。「実際の業務になると、500個になるものもある」と小山善直氏。ちなみに、同社において最も大きなロボットとなる査定調書作成の場合は2950ステップに及ぶ。

フローチャートの難点は、担当者が変わった後で前担当者が作成したロボットを調べる際、変更の前と後を比較する際などに1つずつハコを開いていかなければならないというメンテナンス性の低さにあった。いうまでもなく、ハコが増えるほどメンテナンス作業は困難になる。

ちなみに、同社において最も大きなロボットとなる査定調書作成の場合は2950ステップに及ぶが、これをフローチャート型でメンテナンスするとなると、かなり作業が煩雑になる。

一方、Automation Anywhereの場合、プログラミングのような開発環境ではあるが、実際のところ「業務のロボット化はプログラム的な表現でなければ無理」と小山善直氏は言う。かといって、Automation Anywhereの開発環境の扱いが難しすぎるというわけではなさそうだ。

画面は変更、削除、挿入と3色に色分けされており、新旧の差分比較をビジュアルに把握できる。このほか、ロボットの再利用、画面変更時の自動修正、システムの操作レコーディングなど、メンテナンスを容易にする機能を多く備えるという。
○専門のRPAセンタを立ち上げて全社に認知普及

Automation Anywhereの導入は、「社内ルールの設定」「対象業務の抽出」「ロボット開発・運用」と3ステップで行っているが、ステップ確立に至るまでには壁もあったそうだ。

営業部門で2つの業務に適用してみて、効果があることはわかった。だが、全社導入となると作業は急に増える——誰がRPAを各部署に説明するのか、説明会の資料は誰が作るのか、FAQがあるといいが誰がまとめるのかなど、負担が大きいことに気がついた。

そこで立ち上げたのがRPAセンタだ。運用、開発、サポートの3つのチームを持ち、専任・兼任合わせて10数名の組織だ。同センタで、ルールの設定と標準化、開発のガイドラインなどを作成した。「RPAセンタは、RPAの考え方を全社に浸透させるために必要」と小山善直氏はいう。

RPAセンタの重要な業務に、ロボット開発がある。ロボットを作成できる人がいない部門では、RPAエンジニアが業務のヒアリングを行ってロボットを開発するという流れになるが、RPAエンジニアは必ずしも業務の知識があるわけではない。一方、部門から見ると、説明に割いている時間もない。このように、双方がヒアリングに大きな手間を取られることになった。

そこで、仕様書を作ってもらう、操作を全てビデオで撮影するなどを試したがどれも解決策にはならなかった。そこでAutomation Anywhereが内蔵する「Process inVision」という機能を試すことにした。

Process inVisionは操作中に「Record」(記録)ボタンを押すとスクリーンショットを撮って記録してくれるというもので、終了後、ストーリーボードで各スクリーンショットに対してプロセスプロパティに簡単な説明を入れる。これをPowerPoint形式でエクスポートすればドキュメントを作成でき、これをもとにRPAエンジニアがロボットを開発できる。

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