自己修復する電池を発見、原理を解明 劣化せず長寿命に 東大の研究

5月20日(月)8時2分 財経新聞

従来材料(上)と自己修復材料(下)で充電を繰り返した場合の違い。(画像:東京大学発表資料より)

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 電池には寿命というものがある。電池の中で、電力を蓄える心臓部と言うべき部分、「電極材料」が充電・放電の繰り返しによって劣化するからである。しかし今回、自己修復能力を持ち性能劣化を生じないために長い寿命を持つと期待される電極材料を、東京大学の研究グループが発見、その原理を解明した。

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 研究に当たったのは、東京大学大学院工学系研究科の山田淳夫教授、大久保將史准教授、西村真一主任研究員らの研究グループ。

 現在、電気自動車、風力発電、太陽光発電など、環境ストレスの少ない電力テクノロジーへの期待は高まり続けている。しかしどのような電池も、充電できる電力量には限界があり、また、充電と放電を繰り返すことで性能が低下する。従って、より多くの電力を、より長いサイクルに渡って蓄えることのできる電極材料の開発が待ち望まれている。

 今回発見された電極材料はNa2RuO3という物質である。この電極材料は、充電することによって安定的な構造へと変化するため、結果それが自己修復減少として働き、電池としての性能が落ちないことが分かった。これは従来の電極材料の常識とは全く異なる性質であるといえる。また充電のたびに自己修復は生じるため、長期間に渡って充電と放電を繰り返しても、性能の劣化はほとんど起こらないという。

 なぜこのようなことが起こるかだが、この現象には、ナトリウムイオンが脱離した後にできる空孔と、構造中に残るナトリウムイオンとの間で、「クーロン引力」なるものが強く働くことによるという。

 今後の展望としては、このクーロン引力の導入できる電極材料を開発することで、長寿妙な二次電池を開発することにつなげたいという。

 研究の詳細は、英国の学術誌Nature Communications電子版に掲載されている。

財経新聞

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