ハイブリット手術室を体験 ‐ ゲティンゲが提案するDX化した医療現場とは?

2024年5月21日(火)18時17分 マイナビニュース

医療現場や病院経営、ライフサイエンス企業の課題解決をサポートしているスウェーデン企業のゲティンゲは5月8日、医療現場の働き方改革に対する医療DXについての説明会および医療従事者のトレーニング支援などを行う施設「ゲティンゲ エクスペリエンスセンター東京」の見学会を行った。
現在、日本における医療現場は利益確保の難しさや慢性的な人手不足、時間外労働の上限規制などが重なり、より少ない資源で医療の質を維持しなければならないという厳しい課題に直面しているという。
そうした中で、ゲティンゲは患者が入院から退院まで過ごす上で重要である病院の心臓部「手術室」を中心としたワークフロー全体をサポートできる幅広いラインアップを用意している。
例えば、手術台とX線透視装置の組み合わせによる外科的手術と血管内治療を融合したハイブリット手術室では、臨床医が一か所で診断と治療を行うことができる環境を提案している。このハイブリット手術室は従来の手術ばかりでなく、多くの分野横断的な低侵襲治療にも適用可能。ライトやベッドはもちろん壁紙など手術室のいたるところに患者や医師に配慮されたこだわりが見受けられた。すでに世界68か国1500件の導入実績があるとする。
ハイブリッド化することで手術を行うにあたっての準備時間を削減できるほか、適切な診断と手術精度を向上させるイメージング、オンライン診断による処置時間の短縮も支援しているという。
また、複数の部門やチーム間での患者の移送も減らせるため、より手術の短時間化の可能性や、迅速な診断と治療の可能性も考えられ、患者の回復期間を短縮できるなど、結果的に患者が入院から退院までの各フローの効率を上げることもできるとのことで、患者、医師、病院のそれぞれにとって、医療とテクノロジーをうまく組み合わせて効率化することはメリットがあるとした。
そのほか、入院から退院までを可視化した患者フローマネジメント「INSIGHT」、手術室統合映像システム「Tegris」、手術室のワークフロー改善「Torin」、滅菌供給業務の管理や器材トレーサビリティシステム「T-DOC」の4つのヘルスケアITソリューションも提案しており、導入した医療機関では実際に効果が出ていることも確認しているという。
例えばINSIGHTの導入後、入院予約がスムーズになり、待ち時間が15分から1分へ短縮することに成功、職員の手間が減少したほか、従来は夜勤の看護師配置に苦労していたというが、入院患者の予測ができるようになったことで効率よく配置可能となったという。さらに、ベッド予約が取れないことに伴うストレスも軽減、ミスが発生するリスクも減少したほか、病床稼働率が上昇したことで、年間5.2億円の医業収益増につながったとした。
同社は、必要なリソースを必要な時に必要なだけ割けられる仕組みづくりが重要であるとする。カルテが紙から電子へ移行している流れがあるが、今後はカルテで得たデータをいかに効率的に活用していくか、つまりDX化していくことがさらなる医療機関の発展につながると説明。そうした中で、同社は製品の導入提案で終わるのではなく、医療機器も含めたトータルな環境づくりを提案し、顧客との対話を重ねながら、日本の医療の質を上げていきたいとしていた。

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