Jabra Speak2シリーズは接続するだけで“音”にまつわる悩みを解決してくれる便利なデバイスだった
2023年5月23日(火)12時0分 ITmedia PC USER
コロナウイルスの5類感染症変更などを受け、すっかり人の流れが変わり、オフィスに戻る人も増えてきた。一方で、可能な限り在宅で仕事をしたいという人もおり、多様な場所で働く「ハイブリッドワーク」が働き方のスタンダードになりつつある。
チームで働くからには、メンバーでコミュニケーションを取る必要があるが、会社の会議室に集まれるオフィス勤務組と、自宅からオンラインで参加する在宅組とでは、情報の共有がうまくいかないことがある。
会話の合間に差し込まれる、重要なことを言ったかもしれない声が小さくて聞き取れなかったり、自分の発声などとかぶってしまったりする場合があるからだ。どこで参加しているとしても、同じように情報を共有するには、音質の改善が急務となる。
ここでは、いち早く日本で発売されたGNオーディオジャパンのスピーカーフォン「Jabra Speak2」シリーズのうち、「Jabra Speak2 75」(以下、Speak2 75)と「Jabra Speak2 55」(以下、Speak2 55)を借りることができたので、レビューしていこう。
・Jabraが新型スピーカーフォン「Jabra Speak2シリーズ」を日本で世界初公開した理由
●スピーカーフォン「Jabra Speak2」シリーズの概要
今回発売されたのは、Jabra Speak2 75とSpeak2 55、そしてSpeak2 40だが、Speak2 55とSpeak2 40は、ほとんど性能面で差がない。前者にはBluetooth接続機能があり、後者は省かれているだけの違いだ。そのため、Speak2 40の購入を検討している人にとっても本稿は参考になると考える。
さて、Speak2 75とSpeak2 55では以下のような性能の違いがある。
Speak2 75
・65mmフルレンジスピーカー
・集音範囲:約2.5m
・スーパワイドバンド(150Hz〜7000Hz)対応
・Bluetooth:Bluetooth 5.2対応
・本体サイズ:約132.5(直径)×35(厚さ)mm
・重量:約466g
・バッテリー駆動時間:最長32時間
・税別4万8000円(専用USBドングル付きは5万3500円)
Speak2 55
・50mmフルレンジスピーカー
・集音範囲:約2.3m
・ワイドバンド(150Hz〜7000Hz)対応
・Bluetooth:Bluetooth 5.1対応
・本体サイズ:約120(直径)×33(厚さ)mm
・重量:約280g
・バッテリー駆動時間:最長12時間
・税別2万5000円
性能とは少々異なるが、Speak2 75には、Bluetoothリンクアダプター「Jabra Link 380」が付属するモデルも用意されている。Jabra Link 380本体にスピーカーフォンやヘッドセット類をひも付けておけば、PCでペアリング設定を行わなくても、同アダプターを挿すだけで利用できるようになる。USB接続の気軽さで、スピーカーフォンやヘッドセットのワイヤレス接続の恩恵にあずかれるのだ。
Speak2 75とSpeak2 55の共通仕様には、以下のような機能がある
・自然な会話を実現するフルデュプレックス
・マイクの集音状況を色で伝えるマイク品質インジケーターLEDの装備
・小さい声も大きい声もオンライン上の人に同じようなボリュームで伝える音声レベル正規化テクノロジー
・ノイズキャンセリングを搭載した4基のビームフォーミングマイク
・USB Type-Aアダプター付き巻取り式USB Type-Cケーブル
・ペアリングを容易にするMicrosoft Swift PairとGoogle Fast Pairへの対応
・ペアリング最大8台、Bluetooth同時接続最大2台
またMicrosoft Teamsの認定を受けており、ZoomやGoogle Meetなどにも準拠(Speak2 75はMicrosoft Teams RoomsとZoom Rooms認定も取得)しているので、安心してWeb会議を行える。フェルトポーチが付属しており、出張などにも気軽に携帯できるのも魅力的だ。
●ずっしりとした75とカジュアルに携帯したい55
外観を見ていくと、Speak2 75は実測値で直径が131mm、高さが13.4mmで、重量は実測値が466g、フェルトポーチとJabra Link 380を含めると499gあった。Speak2 55は、実測値で直径が120mm、高さは32mm、本体のみの重さが284g、フェルトポーチを合わせても316gと、気軽に持ち運べるサイズ感だった。
どちらのモデルも巻取り式のケーブルを採用しており、さっとセッティングして、さっと撤収(しかも、左に巻いても右に巻いてもOK)できる気軽さがある。
逆にいえば、このデバイスさえあれば、出先の会議室の音質がグレードアップするため、お互いの意思疎通が容易になり、会話の齟齬(そご)が少なくなるだろう。どこから会議に参加しても、いつでもそばにいるかのようにコミュニケーションを取れるのは、Speak2シリーズを使うことのメリットだといえそうだ。
それでは、早速PCにつなげて使って見よう。
●有線も無線もらくらく接続
巻取り式ケーブルをPCのUSBポートに接続すれば、よほど特殊な設定をPC側で行っていない限り、自動的に音声の入出力がSpeak2に切り替わる。プラグ&プレイですぐに使えるのは、スピード命のビジネスパーソンにとってありがたい。
では無線、つまりBluetooth接続ではどうだろうか。少なくとも、Windows PCを使っているのであればSpeak2が搭載しているMicrosoft Swift Pairのおかげで、楽に接続することができる。Speak2の電源を入れた後、Bluetoothボタンを長押しすると「デバイスのBluetooth接続メニューを開いてください」という内容の英語のガイダンスが流れてくる。
後はPCのタスクトレイ付近に表示たれた「新しいBluetoothヘッドセットが見つかりました」「接続」とクリックしていくだけで接続が完了する。
これなら、Bluetooth接続の設定画面を開いて、ペアリング可能なデバイスをリストから選んで……といった手間が不要だ。機器の操作が苦手な人でも、難なく使い始めることができるだろう。
●マイクもスピーカーも良好
では、本製品の実力はいかほどのものだろうか。試しに自宅の複数の部屋を使い(実際にはキッチンとベランダ)、“ひとりWeb会議”を行った。
主に、オンラインのこちら側と向こう側が同時にしゃべっても会話が成り立つフルデュプレックス機能の性能をチェックした。
Speak2 75を接続したのはMacBook Pro(2020年モデル/2.3 GHz クアッドコア Core i7/macOS Ventura 13.2.1)、Speak2 55を接続したのはGPD Pocket3(Windows 11/第11世代 Core i7-1195G7)で、Web会議システムとしてGoogle Meetを利用した。
なお、Speak2 75とつなげたMacBook Pro側は屋内、Speak2 55と接続したPCは表を通る自動車の音がノイズとして入りやすい屋外に設置した。検証のための録画(Google Meetの機能を使用)はMacBook Pro側で行った。
1人会議を開催するに当たり、前もってスマートフォンに自分の声を録音しておいた。それをSpeak2 75のそばに置き、生身の人間はSpeak2 55で録音を受けながらしゃべるという方法を実施したが、デジタル処理の施されたスマートフォンから流れる音声と肉声では違いがあるからか、シャカシャカという印象の話し声がSpeak2 55から流れてきた。
フルデュプレックス機能を試したいため、構わず話し続ける。また、ノイズキャンセリング機能の実力も知りたかったので、生身の人間(Speak2 55)側で、派手に音を立てながらキーボードを叩くということもしてみた。
その結果、スピーカーから音が流れてきている最中に話しかけても問題なく両者の音を拾うフルデュプレックス機能がきちんと働いていたこと、またスピーカーフォンから20cm程度離れていれば激しくキーボードを叩いても、そのノイズを全く拾わず、相手に不快感を与えなさそうだということが判明した。
これなら、リモートでの参加者に不快な思いをさせずに済むのではないかと感じる結果だった。オンラインで取材を行うときも、洗濯機が発する電子音、ペットが部屋を走り回る音、メモを取るためのタイプ音などをシャットアウトしてくれそうだ。
●スマホでも快適に使える
続いて、スマホでも接続できるとのことだったので、まずはBluetooth接続を試してみた。
Android端末の場合、Speak2シリーズの電源を入れるだけで、ホーム画面に接続を促すウィンドウがポップアップ表示された。無視しても、Bluetoothボタンを長押しすれば、再度ポップアップを表示させることができる。
接続が完了すると、ヒアリング性能を最適化するためのJabraデバイス専用アプリ「Jabra Sound+」をインストールするよう促されるが、記事執筆時点でAndroid向けアプリではSpeak2シリーズをサポートしておらず、iOS向けアプリでもアプリ内でSpeak2を認識しようとするとアプリが落ちてしまった。むしろ、専用アプリなしでも使えるので、「対応デバイスがない!」とイライラするより「完了」を選んでおく方が無難かもしれない。
接続すると、スマホスピーカーのペラペラした薄っぺらいサウンドとは段違いの深みのある音で楽曲を楽しむことができる。デバイスを問わず、高い音質を得られるのは、外付けスピーカーを使うメリットだといえよう。
なお、スマホとの接続はBluetoothのみとのことだったが、OTGに対応したUSB Type-Cポートを搭載するスマートフォン(シャープの「AQUOS R7」)と有線接続してみたところ、入出力の設定を外部に変更するだけで、マイクもスピーカーも「イヤフォンマイク」のように使うことができた。とはいえ、たまたま使える端末だったということもあり得るので、これは各自で試してみてほしい。
●PC向け専用アプリでSpeak2シリーズを管理
Speak2の音質を自分好みにしたり、スマートボタン(いわゆる機能キー)をカスタマイズしたりすることができるよう、「Jabra Direct」アプリがPC向けに用意されている。対応OSはWindows 8.1/macOS 10.15以降だ。
Speak2シリーズ付属のケーブルをPCに接続すると、Jabra Directアプリの「Device」に表示される。2台接続すれば、2台がDeviceに現れる。
接続デバイス名の右にある矢印をクリックすることで、Speak2の設定を行える。なお、設定の範囲はデバイスによって異なるようで、Speak2 75にはあった「Audio」がSpeak2 55にはなかった。
Settingに入ると、前述したスマートボタンの機能割当の他、ペアリングした端末の確認や削除、Speak2のリセット、スリープモードに入るまでの時間の設定、ファームウェアアップデートなどを行える。
気になったのは、日本語にローカライズされていないため、全メニューが英語表示なことだ。デジタル機器を扱うことの多い読者であれば、難なく扱えるかもしれないが、筆者としては「日本語化してくれれば、さらに多様な層に受け入れられるのにな」と思わずにはいられない。
なお、上部にある「Reset」をタップしてしまうと、Speak2が初期化される。Speak2の応答ボタンと終了ボタン(受話器を上げる形のボタンと受話器を置く形のボタン)を同時に長押ししても工場出荷状態に戻すことができる。
●手軽に普段のサウンド環境をワンランクアップできるデバイス
音声ガイダンスとPC向け専用アプリがローカライズされていないことを除けば、どんなチープな音を鳴らすスピーカーを搭載しているデバイスであったとしても、簡単接続で高音質、高集音性をもたらしてくれるのがJabra Speak2シリーズだ。
Speak2 55であれば2万7500円で、どんなPCでもタブレットでもスマホでも、Web会議をワンランクもツーランクもアップさせられる。ヘッドセットやイヤフォンなどを使ったビデオ会議では、どうしても長時間継続するのは難しい。その点、Jabra Speak2シリーズなら手軽に質の高いビデオ会議を行える。
ビジネス向けの製品ではあるが、普段は外部スピーカーとして音楽やネットラジオを流して、使い終わったらケーブルを外して簡単にしまうことも可能だ。
「あそこの会社は何を言っているのか(聞こえなくて)よく分からないんだよな」と、Web会議や商談を敬遠される前に、購入を検討してみてもいいのかもしれないと感じた。
チームで働くからには、メンバーでコミュニケーションを取る必要があるが、会社の会議室に集まれるオフィス勤務組と、自宅からオンラインで参加する在宅組とでは、情報の共有がうまくいかないことがある。
会話の合間に差し込まれる、重要なことを言ったかもしれない声が小さくて聞き取れなかったり、自分の発声などとかぶってしまったりする場合があるからだ。どこで参加しているとしても、同じように情報を共有するには、音質の改善が急務となる。
ここでは、いち早く日本で発売されたGNオーディオジャパンのスピーカーフォン「Jabra Speak2」シリーズのうち、「Jabra Speak2 75」(以下、Speak2 75)と「Jabra Speak2 55」(以下、Speak2 55)を借りることができたので、レビューしていこう。
・Jabraが新型スピーカーフォン「Jabra Speak2シリーズ」を日本で世界初公開した理由
●スピーカーフォン「Jabra Speak2」シリーズの概要
今回発売されたのは、Jabra Speak2 75とSpeak2 55、そしてSpeak2 40だが、Speak2 55とSpeak2 40は、ほとんど性能面で差がない。前者にはBluetooth接続機能があり、後者は省かれているだけの違いだ。そのため、Speak2 40の購入を検討している人にとっても本稿は参考になると考える。
さて、Speak2 75とSpeak2 55では以下のような性能の違いがある。
Speak2 75
・65mmフルレンジスピーカー
・集音範囲:約2.5m
・スーパワイドバンド(150Hz〜7000Hz)対応
・Bluetooth:Bluetooth 5.2対応
・本体サイズ:約132.5(直径)×35(厚さ)mm
・重量:約466g
・バッテリー駆動時間:最長32時間
・税別4万8000円(専用USBドングル付きは5万3500円)
Speak2 55
・50mmフルレンジスピーカー
・集音範囲:約2.3m
・ワイドバンド(150Hz〜7000Hz)対応
・Bluetooth:Bluetooth 5.1対応
・本体サイズ:約120(直径)×33(厚さ)mm
・重量:約280g
・バッテリー駆動時間:最長12時間
・税別2万5000円
性能とは少々異なるが、Speak2 75には、Bluetoothリンクアダプター「Jabra Link 380」が付属するモデルも用意されている。Jabra Link 380本体にスピーカーフォンやヘッドセット類をひも付けておけば、PCでペアリング設定を行わなくても、同アダプターを挿すだけで利用できるようになる。USB接続の気軽さで、スピーカーフォンやヘッドセットのワイヤレス接続の恩恵にあずかれるのだ。
Speak2 75とSpeak2 55の共通仕様には、以下のような機能がある
・自然な会話を実現するフルデュプレックス
・マイクの集音状況を色で伝えるマイク品質インジケーターLEDの装備
・小さい声も大きい声もオンライン上の人に同じようなボリュームで伝える音声レベル正規化テクノロジー
・ノイズキャンセリングを搭載した4基のビームフォーミングマイク
・USB Type-Aアダプター付き巻取り式USB Type-Cケーブル
・ペアリングを容易にするMicrosoft Swift PairとGoogle Fast Pairへの対応
・ペアリング最大8台、Bluetooth同時接続最大2台
またMicrosoft Teamsの認定を受けており、ZoomやGoogle Meetなどにも準拠(Speak2 75はMicrosoft Teams RoomsとZoom Rooms認定も取得)しているので、安心してWeb会議を行える。フェルトポーチが付属しており、出張などにも気軽に携帯できるのも魅力的だ。
●ずっしりとした75とカジュアルに携帯したい55
外観を見ていくと、Speak2 75は実測値で直径が131mm、高さが13.4mmで、重量は実測値が466g、フェルトポーチとJabra Link 380を含めると499gあった。Speak2 55は、実測値で直径が120mm、高さは32mm、本体のみの重さが284g、フェルトポーチを合わせても316gと、気軽に持ち運べるサイズ感だった。
どちらのモデルも巻取り式のケーブルを採用しており、さっとセッティングして、さっと撤収(しかも、左に巻いても右に巻いてもOK)できる気軽さがある。
逆にいえば、このデバイスさえあれば、出先の会議室の音質がグレードアップするため、お互いの意思疎通が容易になり、会話の齟齬(そご)が少なくなるだろう。どこから会議に参加しても、いつでもそばにいるかのようにコミュニケーションを取れるのは、Speak2シリーズを使うことのメリットだといえそうだ。
それでは、早速PCにつなげて使って見よう。
●有線も無線もらくらく接続
巻取り式ケーブルをPCのUSBポートに接続すれば、よほど特殊な設定をPC側で行っていない限り、自動的に音声の入出力がSpeak2に切り替わる。プラグ&プレイですぐに使えるのは、スピード命のビジネスパーソンにとってありがたい。
では無線、つまりBluetooth接続ではどうだろうか。少なくとも、Windows PCを使っているのであればSpeak2が搭載しているMicrosoft Swift Pairのおかげで、楽に接続することができる。Speak2の電源を入れた後、Bluetoothボタンを長押しすると「デバイスのBluetooth接続メニューを開いてください」という内容の英語のガイダンスが流れてくる。
後はPCのタスクトレイ付近に表示たれた「新しいBluetoothヘッドセットが見つかりました」「接続」とクリックしていくだけで接続が完了する。
これなら、Bluetooth接続の設定画面を開いて、ペアリング可能なデバイスをリストから選んで……といった手間が不要だ。機器の操作が苦手な人でも、難なく使い始めることができるだろう。
●マイクもスピーカーも良好
では、本製品の実力はいかほどのものだろうか。試しに自宅の複数の部屋を使い(実際にはキッチンとベランダ)、“ひとりWeb会議”を行った。
主に、オンラインのこちら側と向こう側が同時にしゃべっても会話が成り立つフルデュプレックス機能の性能をチェックした。
Speak2 75を接続したのはMacBook Pro(2020年モデル/2.3 GHz クアッドコア Core i7/macOS Ventura 13.2.1)、Speak2 55を接続したのはGPD Pocket3(Windows 11/第11世代 Core i7-1195G7)で、Web会議システムとしてGoogle Meetを利用した。
なお、Speak2 75とつなげたMacBook Pro側は屋内、Speak2 55と接続したPCは表を通る自動車の音がノイズとして入りやすい屋外に設置した。検証のための録画(Google Meetの機能を使用)はMacBook Pro側で行った。
1人会議を開催するに当たり、前もってスマートフォンに自分の声を録音しておいた。それをSpeak2 75のそばに置き、生身の人間はSpeak2 55で録音を受けながらしゃべるという方法を実施したが、デジタル処理の施されたスマートフォンから流れる音声と肉声では違いがあるからか、シャカシャカという印象の話し声がSpeak2 55から流れてきた。
フルデュプレックス機能を試したいため、構わず話し続ける。また、ノイズキャンセリング機能の実力も知りたかったので、生身の人間(Speak2 55)側で、派手に音を立てながらキーボードを叩くということもしてみた。
その結果、スピーカーから音が流れてきている最中に話しかけても問題なく両者の音を拾うフルデュプレックス機能がきちんと働いていたこと、またスピーカーフォンから20cm程度離れていれば激しくキーボードを叩いても、そのノイズを全く拾わず、相手に不快感を与えなさそうだということが判明した。
これなら、リモートでの参加者に不快な思いをさせずに済むのではないかと感じる結果だった。オンラインで取材を行うときも、洗濯機が発する電子音、ペットが部屋を走り回る音、メモを取るためのタイプ音などをシャットアウトしてくれそうだ。
●スマホでも快適に使える
続いて、スマホでも接続できるとのことだったので、まずはBluetooth接続を試してみた。
Android端末の場合、Speak2シリーズの電源を入れるだけで、ホーム画面に接続を促すウィンドウがポップアップ表示された。無視しても、Bluetoothボタンを長押しすれば、再度ポップアップを表示させることができる。
接続が完了すると、ヒアリング性能を最適化するためのJabraデバイス専用アプリ「Jabra Sound+」をインストールするよう促されるが、記事執筆時点でAndroid向けアプリではSpeak2シリーズをサポートしておらず、iOS向けアプリでもアプリ内でSpeak2を認識しようとするとアプリが落ちてしまった。むしろ、専用アプリなしでも使えるので、「対応デバイスがない!」とイライラするより「完了」を選んでおく方が無難かもしれない。
接続すると、スマホスピーカーのペラペラした薄っぺらいサウンドとは段違いの深みのある音で楽曲を楽しむことができる。デバイスを問わず、高い音質を得られるのは、外付けスピーカーを使うメリットだといえよう。
なお、スマホとの接続はBluetoothのみとのことだったが、OTGに対応したUSB Type-Cポートを搭載するスマートフォン(シャープの「AQUOS R7」)と有線接続してみたところ、入出力の設定を外部に変更するだけで、マイクもスピーカーも「イヤフォンマイク」のように使うことができた。とはいえ、たまたま使える端末だったということもあり得るので、これは各自で試してみてほしい。
●PC向け専用アプリでSpeak2シリーズを管理
Speak2の音質を自分好みにしたり、スマートボタン(いわゆる機能キー)をカスタマイズしたりすることができるよう、「Jabra Direct」アプリがPC向けに用意されている。対応OSはWindows 8.1/macOS 10.15以降だ。
Speak2シリーズ付属のケーブルをPCに接続すると、Jabra Directアプリの「Device」に表示される。2台接続すれば、2台がDeviceに現れる。
接続デバイス名の右にある矢印をクリックすることで、Speak2の設定を行える。なお、設定の範囲はデバイスによって異なるようで、Speak2 75にはあった「Audio」がSpeak2 55にはなかった。
Settingに入ると、前述したスマートボタンの機能割当の他、ペアリングした端末の確認や削除、Speak2のリセット、スリープモードに入るまでの時間の設定、ファームウェアアップデートなどを行える。
気になったのは、日本語にローカライズされていないため、全メニューが英語表示なことだ。デジタル機器を扱うことの多い読者であれば、難なく扱えるかもしれないが、筆者としては「日本語化してくれれば、さらに多様な層に受け入れられるのにな」と思わずにはいられない。
なお、上部にある「Reset」をタップしてしまうと、Speak2が初期化される。Speak2の応答ボタンと終了ボタン(受話器を上げる形のボタンと受話器を置く形のボタン)を同時に長押ししても工場出荷状態に戻すことができる。
●手軽に普段のサウンド環境をワンランクアップできるデバイス
音声ガイダンスとPC向け専用アプリがローカライズされていないことを除けば、どんなチープな音を鳴らすスピーカーを搭載しているデバイスであったとしても、簡単接続で高音質、高集音性をもたらしてくれるのがJabra Speak2シリーズだ。
Speak2 55であれば2万7500円で、どんなPCでもタブレットでもスマホでも、Web会議をワンランクもツーランクもアップさせられる。ヘッドセットやイヤフォンなどを使ったビデオ会議では、どうしても長時間継続するのは難しい。その点、Jabra Speak2シリーズなら手軽に質の高いビデオ会議を行える。
ビジネス向けの製品ではあるが、普段は外部スピーカーとして音楽やネットラジオを流して、使い終わったらケーブルを外して簡単にしまうことも可能だ。
「あそこの会社は何を言っているのか(聞こえなくて)よく分からないんだよな」と、Web会議や商談を敬遠される前に、購入を検討してみてもいいのかもしれないと感じた。