Googleが「Gemini in Chrome」を発表/Windows 11が「MCP」をネイティブサポートへ

2025年5月25日(日)6時5分 ITmedia PC USER

GoogleがGemini in Chromeを発表した

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる——そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、5月18日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
●Googleが「Gemini in Chrome」を発表
 Googleは5月20日、「Gemini in Chrome」を発表した。デスクトップ版ChromeブラウザにGeminiを内蔵するもので、ウィンドウのGeminiアイコンをクリックすると、タブを切り替えることなくページ内のコンテンツを要約したり、質問に対してコンテンツの内容に基づいた回答を提供したりできる。
 Gemini自体は、gemini.google.comにアクセスすれば他のブラウザからでも利用できるが、Chromeではアドレスバーに@geminiと入力してウェブアプリでチャットを開始できる。
 さらにGemini in Chromeはデスクトップ版Chromeの一部であるため、表示しているページコンテンツを共有したり、ライブモードを使用したりできる。
 Gemini in Chromeは、Chromeのツールバーか、WindowsまたはmacOSのデスクトップで設定したキーボードショートカットからアクセスできる。なお、Gemini in Chromeは、まず米国のGoogle AI ProおよびUltraサブスクリプションユーザーを対象に展開される。
●Windows 11が「MCP」をネイティブサポートへ
 Microsoftは5月19日、Windows 11でMCP(Model Context Protocol)をネイティブサポートすると発表した。今後数カ月以内に、一部のパートナーにプライベート開発者プレビューとして提供し、フィードバックの収集を開始する。
 MCPは、AIエージェントが外部のデータソースやサービスを利用するためのプロトコルだ。2024年11月にAnthropicがAIの外部連携を共通規格化することで、開発者の負担を減らすとして公開されたもの。
 Anthropicは「AIアプリケーションのためのUSB Type-Cのようなもの」と例えている。既にOpenAIがサポートを表明しており、AIエージェントにおける標準プロトコルとしての地位を確立しつつある。
 Windows上のMCPプラットフォームは、AIエージェントがネイティブWindowsアプリに接続するための標準化されたフレームワークを提供し、Windows 11 PC上でこれらのエージェントのスキルと機能を拡張するための機能を公開できるとしている。
 OSレベルでMCPが組み込まれると、AIエージェントの利用が簡単になるが、セキュリティとプライバーの確保が重要になってくる。そこで、Windows上のMCPプラットフォームでは、以下のコンポートが導入される。
・Windows用MCPレジストリ: MCPサーバにアクセスできるWindows上のAIエージェントを管理する。AIエージェントは、MCPレジストリを介してクライアントデバイスにインストールされているMCPサーバを検出する
・Windows用MCPサーバ:AIエージェントが対話するためのMCPサーバとして、ファイルシステム、ウィンドウ処理、Windows Subsystem for LinuxなどのWindowsシステム機能が含まれる
 MCPの新機能では、MCPやその他のエージェント機能を拡張していく中で、学び続ける必要があることを認識しているとのこと。安全な基盤の上に構築していくことを最優先に考えているという。
●CLIエディタ「Edit」がWindows 11に標準搭載へ
 Microsoftは5月19日、Windows向けの新しいコマンドラインテキストエディタ「Edit」をオープンソースとして公開した。GitHubからダウンロード可能になっている。また、今後数カ月以内にWindows Insider Programでプレビュー版として提供し、その後、Windows 11に搭載される予定とのこと。
 Editは、64bit版WindowsにデフォルトのCLIテキストエディタが必要なことが開発のきっかけになったという。32bit版Windowsでは、MS-DOSエディタが付属していたが、64bit版にはこれまで標準のCLIエディタが存在していなかった。
 Microsoftが「Vimをどうやって終了するのか」というのが定番のネットミームになっているという通り、“魔法の終了呪文”を習得するのは比較的簡単だが、これは新人プログラマーだけでなく、ベテランプログラマーにとってもしばしばつまずきの原因となる。
 この問題を回避するため、Windowsではモードレスエディタが必要だと判断したという。
●GoogleがGeminiの新料金プランを発表
 Googleは5月20日、Geminiを利用できる新プラン「Google AI Pro」「Google AI Ultra」を発表した。
 Google AI Proは、従来のGemini Advancedを置き換えるもので、価格は月額2900円で変更はない。Gemini Advancedの契約者は、既にプラン名がGoogle AI Proに変更されているはずだ。
 Veo 2やDeep Researchなど、Geminiをさらに活用できる他、GoogleフォトやGmail、Google ドキュメントと共有する2TBのストレージを利用できる。
 Google AI Ultraは、最も高性能なモデルへの最大の利用上限でアクセスできるVIPプランだ。実験的なAI機能への早期アクセスも優先的に提供される。利用できるストレージは30TBとなっている。Google AI Ultraは米国から提供を開始し、今後さらに多くの国で提供予定だという。米国では月額249.99ドル(約3万6000円)で提供される。
●Google、AI動画制作ツール「Flow」発表
 Googleは5月20日、生成AIを活用したAI動画作成ツール「Flow」を発表した。
 Flowは、Googleの最新モデルである動画生成の「Veo」、画像生成の「Imagen」、生成AIの「Gemini」向けにカスタム設計されたAI動画生成ツールだ。ストーリーテラーがアイデアを自由に探究し、映画の様なクリップやシーンを生成できるとしている。
 主な機能は、カメラの動きや角度、視点を直接制御できるカメラコントロールや既存のショットをシームレスに編集および拡張できるシーンビルダー、全ての座素材とプロンプトを管理できるアセット管理、Veoで作成されたクリップやチャンネル、コンテンツが追加されるFlow TVなどがある。
 Flowは、まず米国のGoogle AI ProおよびGoogle AI Ultraプランの加入者向けに提供され、近日中に他の国でも利用できるようになるとのこと。
●OpenAIのソフトウェアエンジニアリングエージェント「Codex」
 OpenAIは5月16日、複数のタスクを並行して処理できるクラウドベースのソフトウェアエンジニアリングエージェント「Codex」を発表した。
 Codexは、アプリ開発における機能の開発、コードベースに関する質問への回答、バグ修正、レビューのためのプルリクエストの提案といったタスクを、開発者に代わって実行できる。
 ソフトウェアエンジニアリング向けに最適化された、OpenAI o3の派生バージョンであるcodex-1を搭載している。よってさまざまな環境における実際のコーディングタスクで強化学習を行っており、人間のスタイルを忠実に反映し、指示に正確に従い、合格するまでテストを反復的に実行できるコードを生成する。
 まずはリサーチプレビューとして提供され、ChatGPT Pro、Enterprise、Teamユーザーが利用できる。PlusとEduにも近日中に対応予定としている。今後数週間は追加費用なしで利用できるが、その後、レート制限付きのアクセスと、オンデマンドで追加購入できる柔軟な価格設定オプションを展開するという。

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