顧客ロイヤリティ向上のカギはAIとデータの活用

2025年5月27日(火)15時2分 マイナビニュース


オンラインビジネスにおける課題の一つに、いかに顧客を維持し、離脱を防ぐかということがあります。Waitwhileの調査によると、平均的な消費者は15分以内に購入手続きを終えられない場合、待ち時間に耐えきれず購入を諦めてしまうといいます。
カートの放棄(Cart Abandonment)は、企業にとって大きな課題です。せっかく購入直前まで誘導した顧客を失うことは、マーケティングや営業に投じたリソースが無駄になることを意味します。これに限らず、企業は顧客の行動や嗜好の予測の難しさ、適切な在庫管理のための需要予測、効果的な広告配信といったさまざまな壁に直面しています。
顧客維持は、企業の利益に直接影響を及ぼします。顧客の離脱率が高まり、新規顧客獲得のコストが増加すれば、利益は急速に減少してしまいます。Bain & CompanyのFrederick Reichheld氏によると、顧客維持率をわずか5%向上させるだけで、企業の利益は25%から95%増加する可能性があるとされています。
このように、企業の収益に直結する問題である以上、企業は顧客の声にもっと耳を傾けるべきです。そのための鍵となるのが「データ」なのです。
データの分断を解消し、アクセスを拡大する
顧客向けサービスを提供する企業には、膨大なデータが蓄積されています。閲覧履歴、販売データ、価格設定、サプライヤーの注文、製品情報、物流データなどを活用することで、貴重な顧客インサイトを得ることが可能です。
しかし、これらのデータセットが一元管理されておらず、複数のシステムや環境に分散していることが大きな障壁となっています。Clouderaが2024年に実施した「エンタープライズAIとモダンデータアーキテクチャ」に関する調査によると、ITリーダーの73%が「社内のデータがサイロ化されており、統合されていない」と認識しています。
さらに、半数以上のリーダーは、「会社のすべてのデータにアクセスするくらいなら歯科治療(根管治療)を受ける方がマシ」と答えており、データへのアクセスの難しさが深刻な課題であることが伺えます。
このようなデータの分断を解決する施策の一つに、最新のデータレイクハウスの導入があります。データを統合しない限り、大規模なクエリ実行やAIモデルによる高度な分析は不可能だからです。
例えば、フィリピンのUnionBankは、顧客プロファイルの深掘りによるクロスセル戦略の強化を目指し、「Data Vault」という統合データプラットフォームを構築しました。このプラットフォームにより、AIや機械学習(ML)を活用したインテリジェントな商品推薦機能を実装し、成約数を138%増加させる成果を上げています。
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