TSMCの3nm生産能力の大半を主要顧客が確保、2026年まで受注継続 台湾メディア報道

2024年6月13日(木)9時49分 マイナビニュース

AI半導体やHPC、ハイエンドスマートフォン(スマホ)などで採用が進むTSMCの3nmプロセス(N3シリーズ)は、その生産能力の多くを同社の主要顧客であるApple、NVIDIA、Qualcomm、AMDの4社が確保しており、Intelも次世代プロセッサ「Lunar Lake」(開発コード名)のコンピュートタイル(CPUチップレット)にN3Bプロセスを採用することもあり、すでに3nmプロセスの受注は2026年まで見通せている状況だと台湾メディアが報じている。
また、2024年中にTSMCは3nmプロセスの生産能力を前年比で4倍に引き上げる計画だが、需要の高まりはその計画を上回っており、同社では5nm製造ラインを3nm向けに転換するなど、さらなる増産措置を打ち出す可能性があるという。そのため、関係者の間では3nmプロセスの月産能力は12万〜18万枚ほどにまで拡大されるとの予想が広まっている模様である。
現時点で、TSMCの3nmシリーズは、ニーズに応じたさまざまなバリエーションが用意されており、顧客ごとの要求にきめ細かく対応できる体制が整っている。大手顧客の動きとして、すでにAppleは2023年にA17 Proプロセッサにて3nmプロセスを採用済みで、それ以降のチップも3nmとなることが見込まれているほか、AMDも2024年後半に登場する可能性がある次世代のZen 5アーキテクチャを採用した「Nirvana」(開発コード名)で3nmプロセスが採用される予定で、そこにIntelのLunar Lakeの製造もあり、Qualcommも次世代SnapdragonでTSMCの3nmを採用するとされるなどといった流れができている。このほか、Ampere Computingなど、大手ほどではないが複数の顧客がTSMCの3nmプロセスを活用した製品を発表しており、相当引き合いの強いプロセスであることがうかがえる。
これらのうち、Qualcommは当初、Samsung Foundryの3nmプロセスを採用して「Snapdragon 8 Gen 4」の製造を行うとされていたが、最終的にはTSMCの3nmプロセスでの製造となった模様で、こうしたSamsungとTSMCを両天秤にかけるといった動きもみられる。例えば韓国でAI半導体を手掛ける新興のDeepXも、生産パートナーをそれまでのSamsungからTSMCの半導体設計パートナー会社である台AsicLandに変更したと韓国の電子業界メディアであるThe Elecが報じている。
この契約金は約100億ウォンとされ、DeepXが設計した大規模言語モデル(LLM)向けNPUはTSMCで少量生産が行われる見込みで、2025年のエンジニアリングサンプル製造を目指しているという。AsicLandは、DeepXと契約を結んだことは認めているが、契約内容については明らかにしていない。
なお、DeepXは現在の製品ポートフォリオとして自動車向け「M1」、データセンター用AIアクセラレータ「H1」、コネクテッドカメラやドローン向け「Vシリーズ」などのNPU搭載SoCを手掛けているが、M1およびH1はSamsungの5nmプロセスを、VシリーズはSamsungの28nmプロセスを使用しており、今後ともSamsungとの提携も継続していくとDeepXでは説明しているという。

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