風雲急を告げる時代に登場した第8世代! ThinkPad X1 Carbon Gen8の実力を知る (1) 完成度は円熟の域? 新X1 Carbon実機レビュー

7月1日(水)9時0分 マイナビニュース

ThinkPad X1 Carbonといえば、いまやThinkPadシリーズのフラグシップモバイルノートPCという位置づけだ。その最新世代モデルとなる「ThinkPad X1 Carbon Gen8」が2020年5月に日本市場に登場した(グローバルの発表は1月の2020 International CESに合わせて)。

レノボが導入した製品の新しい命名規則にある「製品の最後に世代を示す“GenX”を記載する」の通り、今回登場したモデルはThinkPad X1 Carbonとしては第8世代になる。その前の第7世代は2019年に登場したモデルが相当する。2012年の初代登場以来、2013年に空白があっただけで、2014年以降毎年新しいモデルが登場して世代を重ねている。その間、「14型ディススプレイを搭載した薄型ThinkPad」というコンセプトを堅持しながらも、ディスプレイ解像度や搭載するCPUやストレージ(の接続バス規格)の世代更新、そして、本体サイズのコンパクト化と軽量化を“じわじわ”と進めてきた。

ThinkPad X1 Carbon Gen8は、サイズ、重さとも2019年モデルとほぼ共通する。とはいえ、14型ディスプレイ搭載ノートPCとしては軽い部類に入る。数字を細かく言えば、2018年モデル(と2017年モデル)と比べて幅(0.5ミリ)と奥行き(0.1ミリ)、厚さ(1ミリ)がわずかながらもコンパクトになり、重さは40グラム軽くなった。

というわけで、本体に関連する仕様は第8世代も第7世代もほとんど変わらない。薄くフラットな形状はバックでの収まりがよいだけでなく、出し入れもスムーズで、「ああ! いつの間にか降りる駅だ!」なんてときでもスッとバックの中にしまえるし、「ああ! いいアイデア浮かんだ! すぐにデザインに反映したい!」なんてときでもスッとバックから取り出せる。この「メモ帳感覚で出し入れできる」ことが、モバイルノートPCでは地味ながら、使い勝手に甚だ大きく影響する。その意味でいうと、カスタマイズでLTE対応構成を選択できるのも、屋外でメモ帳のようにThinkPad X1 Carbon Gen8を使いたいユーザーには「PCを開いたら即ネットワークにアクセスできる」利便性も重要な要素になるはずだ。

このような「屋外で出したり入れたりどこでも使う」ユーザーにとって、ノートPCの堅牢性も欠かせない。その意味でThinkPadブランドは以前から(それこそIBMの時代から)厳しい条件の下に耐久テストを実施して、過酷な状況でも安定して使用できることを訴求している。具体的な指標としては米国防省調達基準で求めている耐久試験から粉塵、振動、水、湿気など12項目のテストを合格したとしている。
○Gen8のスペックを総点検、Gen7との違いは?

本体に搭載するインタフェースは、左側面にUSB 3.1 Type-C&Thunderbolt 3を2基(奥側の1基は電源コネクタ兼用)にUSB 3.1 Type-A、HDMI出力、ヘッドフォン/マイクコンボ端子、そして専用の有線LANアダプタ用拡張コネクタを備え、右側面にはUSB 3.1 Type-Aを用意する。専用の有線LANアダプタを必要とする場合は、製品構成のカスタマイズで「拡張コネクタ ThinkPad イーサネット拡張ケーブル2」を選択する。この場合の差額は4,400円だ。

無線接続では転送速度最大9.6GbpsのIEEE 802.11axをカバーするWi-Fi 6に対応する他、カスタマイズで背面にnanoSIMスロットを設けてLTEデータ通信も利用できる(製品構成のカスタマイズで「WWAN対応」を選択する。その場合2万2,000円の差額)。

最近利用する機会が増えているビデオ会議関連では、720p対応のWebカメラを搭載し、ディスプレイユニットの上端には360度収音が可能なアレイマイクを4基内蔵する。Webカメラではハードウェアレンズカバーとして使える「ThinkShutter」を備える。加えて、Windows Helloの顔認証に対応するIRカメラも選択可能(カスタマイズで3,300円の差額)だ。

ディスプレイのサイズは14型で解像度は1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットを選択できる。1,920×1,080ドットでは10点同時押しに対応するマルチタッチパネルを組み込んだモデルも選択可能だ。最大輝度も解像度によって異なり、1,920×1,080ドットでは400nit、2,560×1,440ドットでは300nit、3,840×2,160ドットでは500nitと高輝度パネルを採用する。なお、1,920×1,080ドットと2,560×1,440ドットでは非光沢パネルを選択できるが、3,840×2,160ドットでは光沢パネルしか選択できない。なお、1,920×1,080ドット構成から1,920×1,080ドットタッチパネル、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドットのディスプレイに変更すると差額はそれぞれ1万1,000円、1万6,500円、3万3,000円となる。

今回評価した機材の解像度は3,840×2,160ドットで、この場合、表示ズームは300%が推奨設定になる。ブラウザにEdgeを用い、表示するフォントの全角サイズをマイナビニュースの記事本文で測定してみると、300%で約4ミリと視認性は問題ないが、ウインドウ表示も大きくなるためせっかくの高解像度が無駄になる。ならば、表示ズームを100%に設定すればいいのかというと、さすがにそれは無理だ。表示ズームと視認性はトレードオフの関係なので徐々に落としていって。“画面を見てもつらくない”加減を探ることになる。個人差があることなので断言はできないが、客観的指標として表示ズームと表示するフォントの全角サイズを次に示す。なお、フォントの表示サイズは、マイナビニュースの記事本文をEdgeで表示した状態で全角文字を実測した。

実際の使用感としては、150%がぎりぎり実用的な限界で、125%も読み取れなくはないものの、30分も使っていると「目が疲れたー!」というのが明らかに分かる。目に疲れを感じやすいユーザーは175%設定が実用的な範囲と思われる。

キーボードは、キーピッチ19.05ミリ、キーストローク1.8ミリとThinkPad X1 Carbon 2019年モデルと共通する。TrackPoint用クリックボタンの形状も同様だ。タイプした感触はやや軽めながら、押し込んだキートップは「スッ」とスムーズに下がり、最下点に到達したら「トン」と静かに指の力を支えてくれる。総じてキーのタイプ音は静かだ。カスタマイズではASCII配列の英字キーボードも選択できる(差額は2,200円)。なお、他のThinkPadシリーズでは、指紋センサーとバックライトの有無も選択できるが、ThinkPad X1 Carbon Gen8では、これらは必ず実装することになる(“なし”を選べない)。

本体に関わる仕様がほぼ共通する“Gen 8”と“2019年モデル”で、大きく異なるのがCPUと無線LANだ。CPUは、第10世代Coreプロセッサーを搭載するだけでなく(現在は2019年モデルでも第10世代Coreプロセッサーを搭載するモデルがある)、vProに対応する「Core i7-10610U」(4コア8スレッド、動作クロック1.8GHz最大4.9GHz、スマートキャッシュ8MB、TDP 15W)と「Core i5-10310U」(4コア8スレッド、動作クロック1.7GHz最大4.2GHz、スマートキャッシュ6MB、TDP 15W)を搭載する構成も選択できる。

なお、Core i7-10610UとCore i7-10510Uとでは、動作クロックなど処理能力に関連する仕様は共通なので、vProや「インテルステーブル・イメージ・プラットフォーム・プログラム」など法人利用を重視する必要がないユーザーはCore i7-10510Uで問題ないはずだ。Core i5-10310UとCore i5-10210Uでは、動作クロックにおいてCore i5-10310Uが高いものの、その差はわずかだ(動作クロックで100MHz/最大で200MHz/グラフィックコア動作クロックで40MHz)。

無線LANでは、2019年モデルがIEEE 802.11acまで利用できるのに対して、Gen 8ではIEEE 802.11axまでカバーするWi-Fi 6に対応する。IEEE 802.11axに準拠するアクセスポイントを所有する、または、購入する予定のあるユーザーならば、最大9.6Gbps(IEEE 802.11acは最大6.9Gbps)の転送速度が利用できることになる。

マイナビニュース

「時代」をもっと詳しく

「時代」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ