AIは新ステップ「GAN(敵対的生成ネットワーク)」、画像が証拠能力を失う時

7月3日(水)18時12分 財経新聞

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 「すごい」のか「困ったこと」なのか?AIが「創造能力」を持ち始めた。自在に画像を作り上げる能力は、「本物」と「偽物」の区別が出来ないまでとなった。ディープラーニングによる認識技術が発展してきて、いろいろなものをAIが認識できるようになり、自動車の「自動運転」のような作業も現実のものとなってきている。画像認識、音声認識、機械翻訳など目覚ましい発展なのだが、そこには「教師データ不足」の問題が存在していた。

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 しかし、「GAN(Generative Adversarial Network、敵対的生成ネットワーク)」と呼ばれる技術が開発され、急速に展開しつつある。これまでのAIの「機会学習」は、コンピュータに質問と回答を同時に与え、その特徴を認識する方法が一般的だった。

 犬の画像をコンピュータに与え、「これが犬である」と答えを同時に与えていた。そうすることでコンピュータは犬の特徴を記憶することとなる。しかしこれであると、1枚の写真からの情報しかないため、次に見せられた犬の写真が1枚目の写真と同一でなければ、犬とは判別できなかった。

 そこで「大量の犬の写真」を与えることで、「犬らしき特徴」を分類整理してコンピュータは捉え、「おそらく犬と思われる」と判断できるようになってくる。つまり、「大量の犬の写真」(教師データ)を必要としてきた。

 対してGANは、「学習データ」だけが与えられ「答え」を与えられていない状態で分類整理し、例えば「犬」の概念を見つけ出す作業が出来る。GANには、ジェネレーター(generator)とディスクリミネイター(discriminator)の2つのネットワークがあり、ジェネレーターは、その時考えられる限りの本物を作り出そうとする。ディスクリミネイターは、ジェネレーターが作り出したレプリカが、本物なのかを識別する機能を担っている。

 ディスクリミネイターの識別能力が上がり、偽物と判断できるようになると、ジェネレーターは、さらに精度の高いレプリカを作り出す。その繰り返しをしていくと、しばらくして「本物と見分けが出来ない」くらいのレプリカを作り出してしまう。最終的には、ジェネレーターが「教師あり学習」で使われる本物の訓練データを作ることが出来るようになる。これを「敵対的生成ネットワーク」と呼んでいる。

 つまり、自由に「本物データ」を作れるようになり、「画像の証拠能力」がなくなる日が急速に近づいているのだ。

 一方で、これは自動車の「自動運転」の教師データ、つまり「実際に走って集めたデータ」のようなシミュレーションデータが出来るようになり、自動運転のAIを訓練する教師データを集めなくとも、「自動運転AI」を作れるようになる。データ収集で遅れを取る日本企業などでは救世主となりえるもので、盛んに開発が進められている。

財経新聞

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