ZOZOUSEDが古着の値付にAIを導入し的中率が1.5倍に - ユーザー還元を強化

7月9日(火)11時1分 マイナビニュース

ブランド古着のファッションモール「ZOZOUSED」とブランド古着の買取「ZOZOTOWN買取サービス」の運営・管理を行うZOZOUSEDは、今年の1月からAIを活用した値付けの本格導入を開始した。

同社が買取を行っているのは、基本的には定価3,000円以上のファッションアイテムで、8,000以上の対象ブランドの買取を行っている。

ZOZOUSED マーケティング部 MDセクション データサイエンティスト 佐々木北都氏は、古着の値付けにAIを活用するようになった背景について、「厳密には販売価格を予測し、それをもとにZOZOUSEDへ出品する価格やお客様へ提示する買取価格を決めています。そもそも古着の値付けは、JANコード(バーコード)がありませんので、非常に難しいという点があります。例えば、同じブランドのTシャツでも、同じ品番の商品か違う商品か特定できません。商品に付いている品質表示タグの品番をもとに、人の手で調べることもできますが、何十万点という商品を1点ずつ調べていくことは難しいので、ブランドやカテゴリー、コンディションなどの情報から値付けを行っていました。今回AIの活用によって、より精度の高い販売価格を予測し、今まで以上に高い買取価格をユーザーに還元出来ると考えたことが導入に至った背景です」と説明した。

ZOZOTOWNでは、「買い替え割」という下取りサービスを2016年11月から提供している。これはZOZOTOWNで過去に購入した商品を下取りに出すことにより、割引価格で購入できるというものだ。これによってZOZOTOWNで取り扱っている商品の発売時期、販売価格などをZOZOUSEDでの販売商品に紐付けることが可能になった。今回のAI導入による値付けは、従来のブランドやコンディション等の情報に加え、ZOZOTOWNでの商品に関する様々な情報、さらにZOZOUSEDでの過去の売れ行きも変数として加えている。

なお、同社では、買取可能な商品のコンディションをS(未使用または新品同様のアイテム)、A(数回使用した程度のきれいなアイテム)、B(使用感が少ないアイテム)、C(使用感があるアイテム)の4段階に分類している。

ただ、佐々木氏によれば、AIの試験導入開始当初、精度はそれほど上がらなかったという。

同社では、人の手を介した値付けや、商品のブランド・コンディション情報等をテーブルに照らした自動査定システムでの値付け、「買い替え割」の下取り商品での値付け、他にもさまざまな値付けを行っている。当初はこれらすべての商品の値付けを予測の対象としていた。

「最初はすべての商品を対象に行っていましたが、予測結果にバラツキがあり、まったく精度が上がりませんでした。そこで、ZOZOTOWNの商品データと紐付けられているものかつ、ZOZOUSEDで販売実績があるものを対象に予測を行うことにしました。それによって、精度が劇的に改善しました」(佐々木氏)

AIを用いて値付けを行っている商品は、買取商品の半数になるという。

これらの商品では、はじめにDataRobotにデータを与え、ベースラインモデルを作成。そこから得られる特徴量の重要度をはじめとする知見をもとに、特徴量の取捨選択や新たな特徴量の作成を常に試している。その上で、予測モデルを自身で改めて構築し、精度を上げている。

AIを利用した販売価格の予測モデルは、現在も実装段階で作成したものを利用し、更新と調整を行っている。

「販売実績データの更新によって質が変わっていくことがありますが、実装段階で作ったモデルを更新しながら運用しています。現在、精度はある程度の範囲に収まっており、データが増えても全く別のモデルを作成することなく、更新とチューニングをしながら運用しています」(佐々木氏)

精度は、ブランドによっても差が出るという。

「年月が経っても価値が落ちないブランド商品に関しては、精度を高く予測することができます。逆に、短いスパンで大量に商品を販売するブランドでは精度にバラつきが出る傾向があります」(佐々木氏)

予測モデルは商品の特性ごとの様々なグループ単位で構築を試みている。特性によっては学習データの数が減り、高精度の予測が難しい場合もあるという。

モデルの更新は毎週行っており、KPIとしては的中率などを設定している。的中率は出品価格と販売価格との差が、独自に設定した範囲内に収まっていたら的中としている。的中率は、AI導入前の約1.5倍に上がっているという。

高精度に販売価格を予測できるようになったことで、より高い買取価格をユーザーに提示できるようになった。高く買い取ることで、ユーザーに満足感を与え、再度、中古販売しようという意欲を高める狙いもある。実際、AI導入により平均買取単価は200-300円上がっているという。

佐々木氏は、精度向上のポイントについて「DataRobotなどを活用して省力化し分析した上で、改めて自分の手でモデリングして検証します。このサイクルを速くまわし、試行回数を増やすことが重要だと思います」と語った。

現在は、ZOZOTOWNで取り扱いのある商品を予測の対象としているが、今後ZOZOTOWNで取り扱っていない商品に関しても予測できるようにしていきたいという。

「そうなれば、クローゼットの中にあるすべてのファッションアイテムの資産価値を可視化できるので、洋服を買う・売るという行為をシームレスに繋げて、よりファッションを楽しめるようにできると思っています」(佐々木氏)

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