レッツノートの製造がどんどん自動化 - パナソニック神戸工場の最新事情

7月18日(木)16時18分 マイナビニュース

国内のビジネス向けモバイルPC市場で圧倒的なシェアを誇るパナソニックのモバイルPC「レッツノート(Let'snote)」シリーズや、過酷な環境でも安心して利用できる優れた堅牢性を誇る「タフブック(TOUGHBOOK)」および「タフパッド(TOUGHPAD)」シリーズは、パナソニック コネクテッドソリューションズ社の神戸工場で生産されている。今回、その神戸工場の様子が報道陣に公開された。

○目指すはスマートファクトリー、故障ゼロの世界

レッツノートなどを製造している神戸工場は、1990年6月に松下電器産業(当時)のワープロ工場として竣工。その後、1991年8月にPCの製造を開始し、現在ではレッツノートやタフブックなどのPCを製造。設計から生産まで全てを自社で行う自社一貫の生産体制や、顧客とダイレクトに話をしながら細かなカスタマイズを行うことで、ジャパンクオリティを実現しているという。

パナソニック コネクティッドソリューションズ社モバイルソリューションズ事業部神戸工場工場長の清水実氏によると、この神戸工場で高品質なジャパンクオリティを実現するための特徴が4つあると説明する。

1つめが「柔軟・迅速」。顧客の要望に柔軟に対応できるように生産計画を毎日見なおすとともに、”ワンフロアオペレーション”と呼ぶ一気通貫での製造体制を実現。基板実装を自動化して24時間稼働体制を整えることで迅速に生産しつつ、人間による匠の技も組み合わせて細かなカスタマイズに対応できる多品種変量生産を構築しているという。

2つめは「高品質」。神戸工場内に10m電波暗室を用意し全世界の電磁波規制に対応した検査を行えるようにしたり、防水や落下、衝撃といった各種試験装置によって世界各地の環境を再現し耐久性を確認している。

3つめは「カスタマイズ・サービス」。神戸工場では、”一品一様”のカスタマイズを実現するため、パナソニック以外の製品のソフトウェアのインストールや製品の同梱、各種セッティングなどの要望に応えているという。また、神戸工場内にもコールセンターを設置し、工場の人間が電話サポートに対応するとともに、そこで得られた品質情報を直接工場にフィードバックし即座に対応できる体制を整えている。

4つめが「体感型ショウルーム」。工場内で実現している尖った技術や製品の活用例などを実際に見てもらいながら紹介することで、現場のプロセスやイノベーションを体感できる工場にしているという。実際に、2018年度には2,148名の来客があったそうだ。

そして、これら4つの特徴を活かしつつ、今後はAIを活用して顧客の需要を予測するなどのオペレーションの進化によって受注即納品を実現したり、人間の匠の技を伝承したロボットを導入することによって、人の経験に頼らない高品質の物作りや、多様な要望へ迅速に対応する一品一様のモノ作りを実現したいという。

同社は、神戸工場の「スマートファクトリー化」を進める考えだ。加えて、AIやクラウドを活用し、工場だけでなく出荷した製品の状況も把握できるトレーサビリティや予兆管理を進化させて顧客とグローバルでつなぎ、故障ゼロの世界を実現したいとした。
○”匠の技”を伝承するロボットが部品を検査

では、実際の神戸工場の様子を紹介しよう。

まずはじめに、基板実装ラインだ。こちらはすでに全行程の8割以上が自動化されている。こちらの基板実装ラインでは、IoT技術を活用した自動化技術を導入。以前は、はんだ印刷やパーツ実装位置のズレなどが確認されたら、作業員が装置を操作して修正を行っていたそうだが、現在はそれら問題を装置自体が検出し、その結果を別の装置にフィードバックして自動的に修正する、M2M(Machine to Machine)自動修正機能を取り入れている。

製造する機種を切り替える場合でも、装置が自動的に変更を設定できる仕組みも実現した。

また、人の手が介在する組み立て工程においては、カメラを利用したモニタリングによって、ミスを低減する仕組みを取り入れているという。このような各種技術の導入によって人の介在を最小限にしたり、ミスを低減することによって、不良率を改善している。

基板の検査工程には双腕ロボットを導入。基板実装ラインから流れてきた基板を検査装置に取り付けて検査し、検査が終了したら次のラインに流す、という一連の作業を双腕ロボットが行うことで自動化している。また、この双腕ロボットは移動できるようになっているため、トラブル発生時など必要な時にはロボットを移動させて人間の手による検査も可能にしているという。

この他、固定型の短腕ロボットと双腕ロボットを組み合わせた自動化工程も用意。こういった各種の自動化の取り組みによって、基板実装から検査までの工程を24時間運用可能にしている。

こういった自動化の導入によって、オペレーターの人員は自動化導入前と比べて半減できているという。

○バーコードの読み取りはカメラで、省電力化と効率化が進む

神戸工場では、AIやロボットなどの導入による自動化と合わせて、最新の技術を取り入れた省力化にも取り組んでいる。そのうちのひとつが、物流ソリューション「Zetes」の技術による省力化だ。

Zetesは、もともとはベルギーを本拠とした世界的な物流ソリューション企業で、現在はパナソニックの子会社となっている。Zetesには、工場から店舗に至るまで、サプライチェーン全体の見える化や効率化を実現するソリューションがある。その中に、製品パッケージなどに貼られている複数のバーコードを、カメラを利用して一度に読み取るという技術があり、それを神戸工場で応用して使ってる。

例えば、神戸工場で利用するパーツのパッケージには、多いものでは9個ほどのバーコードが付けられているが、これまではそのバーコードを係員が手動で読み取っていた。

そこにZetesの技術を取り入れ、記載された全てのバーコードを、カメラで一度に読み取れるシステムを導入。これによって、それまでの手作業ではバーコードの読み取りに約18秒かかっていたものが、6秒ほどで完了できるようになり、全体の作業効率を20%以上高められたという。

○レッツノートが頑丈な理由。耐久性検査を見学

レッツノートやタフブックは、世界各地の過酷な環境にも耐える優れた堅牢性が大きな特徴となっているが、それらも神戸工場で細かく検証されている。

例えば、環境検査室と呼ばれる場所では、世界各地の気温や湿度などを再現する施設を用意して、様々な環境での耐久性をチェックしている。また、タフブックシリーズではIP65準拠以上の防水・防塵性能を備えているが、防水性能を検証するための装置を利用して、実際に水をかけたり、ジェット水流を吹きつけたりして検証を行っている。耐衝撃性能の検証では、様々な高さから落下させる装置を用意し、26方向からの自由落下試験を実施している。

さらに、神戸工場の敷地内には、10m電波暗室を用意。こちらでは、製品から発せられる電磁波の強さなどを計測できるようになっており、世界中の電磁波規則に則った検査を行うことで、規則を満たした製品を開発できているとした。

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