海外モバイルトピックス 第414回 チェキになるスマホが登場! シャオミの折りたたみ「MIX Flip」はプリンターが装着できる

2024年7月22日(月)18時5分 マイナビニュース

シャオミから初となる縦折り式のスマートフォン「MIX Flip」が海外で発表されました。香港や台湾でも発売予定で、Googleサービスが搭載されることから将来の日本での販売にも期待が集まります。MIX Flipは開くと6.86インチ、閉じると4.01インチのディスプレイが使えます。閉じたままでもYouTubeアプリなどが起動できるので、コンパクトサイズのスマートフォンとして使うことも可能です。
MIX FlipはチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を採用したハイスペックなスマートフォンなので、SNSからゲームまで動作に不満が出ることはないでしょう。またカメラはライカとコラボした高画質な5,000万画素を2つ搭載。広角と2倍望遠どちらも美しい写真や動画を撮ることができます。
最近では大手メーカー各社から折りたたみスマートフォンが販売されており、MIX Flipは後発の製品となります。大きな外画面や高画質なカメラ、そして上質なボディー仕上げなどが特徴ではあるものの、他社の折りたたみモデルとの大きな差別化は難しいところ。そこでシャオミは折りたたみスマートフォンならではといえる、特徴的な周辺機器を出してきました。
縦折り式のスマートフォンでよく使われる機能が、本体を曲げた状態で机などの上に置き、外側の大画面を見ながらのセルフィーです。自分の写真を撮るときに、一般的なスマートフォンは片手で持つか、あるいは三脚を取り付ける必要があります。しかしMIX Flipのような縦折り式のスマートフォンなら撮りたいときに本体を開き、あとは置くだけで写真撮影ができます。縦折り式のスマートフォンは写真撮影をより楽しくしてくれるのです。
この写真撮影をさらに楽しめるように、MIX Flipには「プリンター接続カバー」とでもいうような周辺機器が発売されます。シャオミがすでに販売しているポータブルプリンターに、MIX Flipを合体させられる製品なのです。
製品はポータブルプリンターが入るケースの表面に、MIX Flipが装着できる溝がついた構造になっています。一見するとプリンターの背面にスマートフォンを乗せただけに見えますが、ストラップリングが付いているのが隠れた機能になっています。ストラップが付属しているので、ここにストラップをつけて持ち運べるのです。ちなみに本体カラーに合わせたストラップも付属します。
ちょっと大きめではあるものの、インスタントカメラの「チェキ」と同じような使い方ができるわけです。MIX Flipの発表会ではストラップをつけたイメージ写真が公開されましたが、このスタイルはスマートフォンのこれまでにない使い方と言えるでしょう。
MIX Flipを閉じて片手で持って外画面を見ながら撮影するのもいいですし、MIX Flipを少し開き、テーブルの上に置いて撮影するのもよし。そしてMIX Flipを開いて、相手に向けて撮影すればチェキや普通のカメラのような使い方もできます。このような使い方ができるのは「たためばコンパクトサイズ、開けばスマホ、L字型に曲げても使える」という縦折り式のスマートフォンならではです。
印刷する印画紙はZINKフォトペーパーを使います。この印画紙はプリンターインクなどが不要で、熱を加えることで色を発色させます。そのため実は、写真プリンターなどに比べると色の仕上がりはやや甘くなります。ところがその色合いが「エモい」感じというか、ややレトロな感じに仕上がるのです。最近流行りでもある、古いコンデジで撮ったような絵を印刷できるわけです。
なおプリンター部分は単体でも利用可能です。他のスマートフォンからBluetooth接続でワイヤレスプリンターとして使うこともできるのです。友人などが自分のスマートフォンで撮影した写真をその場で印刷してあげる、といった使い方も可能で、そこから新しいコミュニケーションが広がるかもしれません。
MIX Flipの価格は香港で7,699香港ドル、約15万4,000円です。日本で発売中のサムスンの「Galaxy Z Flip6」が159,700円ですからほぼ同等です。MIX Flipの日本発売は未定ですが、サムスンと同価格で出てくれば十分競争力はあるでしょう。チェキと比べると値段は高いですが「いつでもプリントできるスマホ」としてMIX Flipとプリンターのセットはぜひ日本でも販売してほしいものですね。
山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。公式サイト:http://www.hkyamane.com/ この著者の記事一覧はこちら

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