NASA月面着陸から50年。10万円で買った映像テープが約2億円で落札される

7月23日(火)11時0分 GIZMODO


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Image: NASA/Hulton Archive/ゲッティ イメージズ

気づいてよかったね…。

7月20日は「アポロ11号」が人類初の月面着陸に成功して50年でした。オークションハウスのサザビーズは月面着陸50周年を記念したオークションを開催し、NASAの元インターンGary Georgeさんが出品したアポロ11号の月面着陸の動画3本が182万ドル(約1億9600万円)で落札されました。

現存する映像で最も古く、鮮明、正確CNNによれば、サザビーズはその動画が解像度を上げられたり、レストアされたり、何か他に手を加えられたものではなく、「現存する人類の月面への第一歩の動画として最も古く、鮮明で正確」だと主張しているとか。1976年、ラマー大学の学生でヒューストンのジョンソン宇宙センターでインターンをしていたGeorgeさんは、政府主催のオークションでNASAの磁気テープ1,150本を217.77ドル(現在の価値に換算すると980ドル、約10万6000円)で落札。同氏は当初、その中に月面着陸の貴重な映像があったとは気付かず、貴重かもと気付いたのは2008年になってからだとCNNは報じています。

Georgeさんは何本かのテープを売り払ったり寄付したりしましたが、父親がその内の3本に「APOLLO 11 EVA | July 20, 1969 REEL 1 [—3]」や「VR2000 525 Hi Band 15 ips」とラベルが付いていることに気付いてからは、それらを手元に置くことに。2008年になって、NASAが月面着陸の40周年のためにオリジナルのテープを探していると知るまでは、この3本のテープについてあまり考えることもなかったとか。

テープ3本の尺は計2時間42分で、オークションハウスいわく、ミッション管制センターのスタッフから見た月面歩行の様子から当時のリチャード・ニクソン大統領との通話まで全体が収まっているとのこと。

どうやって撮影されたの?サザビーズはCNBCに「月面への最初の一歩を捉えるには、カメラを(ニール・)アームストロングと(バズ・)オルドリンがアポロ月着陸船を降りる前に配置せねばならなかったので、モジュール装置格納アセンブリ(MESA)の耐衝撃断熱マウントにカメラを格納していた」と語っています。「アームストロングがハシゴをゆっくり降りて月面へと降り立つ姿を撮影できる配置にカメラがなるよう、彼は着陸船から外をのぞいた時にMESAを展開した。その後宇宙飛行士たちは、着陸船と彼らの活動や実験を広い視野で収めるため、カメラを着陸船から三脚へと移動させた」とのこと。

なお、落札者は明らかにされていません。

一方、NASA所有のテープは…不名誉にもNASAは、1969年の月面着陸から直接受信した低速走査テレビジョン(SSTV)映像を含む14トラックテープを“紛失”(実際は上書きされていた模様)していますが、放送用にNTSC方式に変換された高画質な映像とオーストラリアから届いた変換前のSSTV映像のスーパー8のフィルム1巻を復元できたため、破壊されたデータは実際にはないと言います。

NASAは、Georgeさんのテープが「テレビ放送用のフォーマットに変換された動画をヒューストンで録画した、2インチのビデオテープ」であり、「NASAで保存されていない素材は含まれていない」とつづっています。とはいうものの、サザビーズはこのテープに収められている動画は中継基地局を通しての送信による劣化がなかったから、他のバージョンよりも「鮮明でもっとハッキリとしている」と主張しています。

New York Timesによれば、SSTV動画の原本は2000年代にNASAが1980年代のテープ不足の際に犠牲になったと結論付けたこともあり、見つからない可能性が高いとのこと。NASAが放送した分のマスターテープは、カーター政権時のエネルギー不足の際に政府の施設はエアコンを切らなければならなかったため高い湿気に囲まれ修復不能なダメージを受けています。

Source: CNN, CNBC, NASA(1, 2), Wired, The New York Times

GIZMODO

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