微生物による金属採鉱実験、国際宇宙ステーションで実施 英大学

8月5日(月)16時48分 財経新聞

ISSでのバイオマイニング実験に使用される微生物のひとつ (c) UK Centre for Astrobiology/University of Edinburgh

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 健康に被害を及ぼす採鉱作業を微生物に実行させるバイオマイニング。地球同様に火星等の天体で行えるかは、有人拠点計画を実行するうえで重要である。英エディンバラ大学は、国際宇宙ステーション(ISS)でバイオマイニングの実験計画を公開した。

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■微重力下で採鉱可能かは不明
 微生物を活用し鉱石から金属を取り出すバイオマイニングは、地球ではすでに実用化されている。高温や毒性化学物質に依存する金属抽出を安全に実施するのが目的だ。世界の銅の約20%は、微生物によって鉱石から取り出されているという。

 火星や月への有人拠点建設が期待されているが、現地で資源を収集するためには、採鉱が不可欠である。地球外でのバイオマイニングが期待されるが、ヒトにとって必須の物質を微生物が抽出できるかが、課題となる。

 他の天体でのバイオマイニングの問題として、重力の大きさが地球とは異なる点が挙げられる。火星は地球の約3分の1の重力であるため、微生物が地球同様に採鉱できるとは限らない。そこでエディンバラ大学などから構成される研究グループは、ISSでのバイオマイニング実験を計画した。

■異なる環境下での実験を実施
 実験には、米西部のコロラド高原、独航空宇宙センター、ベルギー原子力研究センターから3種の微生物が使用された。研究グループは、これらの微生物が鉱石でどのように成長するかや、その比較を調べるという。

 また微生物が20種類以上の元素を鉱石からどの程度抽出するかも調査する。微小重力下ではバイオフィルムが厚くなり特定の構造になることが知られているが、同様の現象が確認できるかが検証されるという。

 さらに地球とは異なる物質でもバイオマイニング可能か調査するために、異なる微生物と物質で追加実験が実施される予定だ。実験が3週間実施されたのち、実験装置は米スタンフォード大学に送られ分析されるという。

財経新聞

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