北極と南極に暮らす赤い藻類の謎、国立極地研などの研究

8月12日(日)17時40分 財経新聞

アラスカで観察された赤雪現象。(画像:国立環境研究所発表資料より)

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 雪氷藻類という光合成を行う微生物がいる。北極、南極を含む世界各地の氷河や積雪の上に広く分布する生物で、細胞内に赤い色素を蓄える性質があるため、多く生息する地域では雪が赤く染まって見える。この不思議な生き物の謎について、山梨大学、国立環境研究所、千葉大学、国立極地研究所、北海道大学、東京農業大学、国立遺伝学研究所などの共同研究グループが研究報告を行った。

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 赤雪という現象そのものは古くから知られている。アリストテレスの古代の科学書にも登場するし、ダーウィンのビーグル号航海記などにも登場するという。

 雪氷藻類の細胞はほとんどが休眠胞子で、大きさや色もほとんど変わらないことから、顕微鏡観察でも種の同定は難しいとされている。

 氷河や積雪などの雪氷圏は、北極・南極などの極域や、高山に地理的に独立して分布している。従って、それぞれ孤立して暮らしている雪氷藻類がそれぞれに同一の種なのかどうか、というのは難しい問題であった。

 古い考え方では、北極に暮らす雪氷藻は特定の1種類のみであろうという見方が大勢であった。だが、北極と南極のそれぞれの赤雪の試料を解像度の高い手法による遺伝子分析にかけた結果として、実際には両極合わせて22種類もの雪氷藻が存在することが明らかになった。

 うち15種は、北極および南極のいずれかのみに存在する種であったが、それらの総量で言うと雪氷藻類の6%を占めるに過ぎないマイナーな種であった。残りの7種類は、北極と南極のいずれにも同じ種が生息しているという事実が明らかになった。しかも驚くべきことに、それぞれの集団の遺伝子の変異の状況からして、現在なおこの7種の藻類は北極と南極に分かれて暮らしながら両集団間で交流・分散を続けていると考えられるという。

 なお研究の詳細は、Nature Communicationsに掲載されている。

財経新聞

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