「HomePod」レビュー 置くだけで手軽に高音質、2台で迫力アップ

8月13日(火)9時1分 マイナビニュース

アップルのスマートスピーカー「HomePod」、いよいよ日本での発売が「この夏」と告知されました。2018年2月に先陣を切って売り出した米国などに対して約1年半遅れの販売開始となりましたが、どのような部屋でも高音質で楽しめることやSiriによる音声操作の軽快さ、2つのHomePodを導入することによる臨場感アップや利便性の向上など、機能面での古さは感じさせませんでした。ただ、アップルの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」とは名前がよく似ているのにできることが異なる点に、いささか戸惑いも感じました。

○アップル製品らしくセットアップは簡単

箱から取り出したHomePodは、予想していたよりも「大きく重い」というのが第一印象。直径は14cmほどあり、他社のスマートスピーカーのようにちょっとした空きスペースに気軽に置ける、というわけではありません。電源ケーブルは直付けですが、プラグ部はACアダプターと違ってスマートな形状になっているのは好ましいと感じました。

アップル製品らしいと感じたのが、設定の簡単さ。電源ケーブルをコンセントに挿してズゥンという起動完了の音が鳴るまで少し待ったのち、手持ちのiPhoneをそばに近づけるだけでメッセージが表示されてセットアップが始まります。設定は2〜3分ほどで終わり、すぐに使えるようになりました。途中、Apple IDのパスワード入力が求められるぐらいで、Wi-Fiアクセスポイント名やWi-Fiパスワードの入力は不要なので、誰でもスムーズにセットアップできるでしょう。

○置く場所を選ばず、部屋のどこでもいい音が楽しめる

設定が終了すると、Apple Musicのなかから自分がよく聴いている曲が自動的に選ばれて流れてきます。通るような高音とズシズシ響く低音が印象的で、「音声の聞きやすさ重視で音質はそれなり」の多くのスマートスピーカーとは別物の仕上がりだと感じさせました。

一般的な高級オーディオのスピーカーとは異なり、HomePodは基本的に部屋のどこに置いても構わず、部屋のどこでもいい音が楽しめる気楽な点がポイント。高音質を得るために、置き場所や聴く場所にシビアになる必要はないのです。

HomePodは、円周上に7つのツイーターを搭載しており、音楽を再生しながら周囲の音の反射を測ってそれぞれの音の出方を調整する仕組みになっています。そのため、どのような状況でも自然なサウンドが楽しめるわけです。周囲に何もない部屋の中央の床に置いたり、部屋の隅にある棚の上に置いたりと、部屋中のいろいろな場所に設置して聴いてみましたが、どこでも違和感のないよい音で楽しめました。

また、音量をかなり大きくしても音が割れたりせず好ましい印象のサウンドが楽しめたほか、ボリュームをある程度絞っても“いい音”で楽しめたことも好印象でした。集合住宅なのであまり大きな音は出せない…という人でも満喫できるでしょう。

米国などとは異なり、日本の住居はスペースの余裕が少ないことがほとんど。置き場所や聴く場所を問わずにいい音が楽しめるHomePodは、ある意味日本向きのスピーカーといえるでしょう。
○Siriは日本語でもスムーズに指示できた

Apple Musicを利用している場合、曲の選択や音量の調整はすべて音声アシスタントのSiriを用います。日本語の音声認識がうまくいかずイライラしないだろうか…と思っていましたが、それは杞憂でした。

HomePodは、円周上に6つものマイクを搭載していることもあってか、大きな声を出したりHomePodのある方に顔を向ける必要はなく、テーブルの向かいにいる家族に話しかける感覚で「Hey Siri、乃木坂のインフルエンサーをかけて」「Hey Siri、音量を上げて」といった感じでテキパキ指示できました。結構な音量で音楽を再生している時でも、「Hey Siri」の音声を認識すると一時的に音楽のボリュームが抑えられ、問題なく認識されました。

Siriを用いているだけに、曲名をズバリ指定しなくても聴きたい曲が再生できます。例えば「安室奈美恵のデビュー曲をかけて」と言えば「Body Feels EXIT」が、「BABYMETALの一番新しい曲をかけて」と言えば「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」がかかるなど、うろ覚えでもお目当ての曲が聴けるのはやはり便利だと感じます。
○2スピーカーで迫力のステレオ再生も可能

HomePodの大きな魅力といえるのが、2台のHomePodを用意することで、1台では不可能な音響体験や便利な使い方が可能になることです。

まず1つがステレオ再生。2台のHomePodを用意して同じ部屋として設定すると、それぞれが左チャンネルと右チャンネルのスピーカーとして機能します。左右のスピーカーを部屋の隅に配置して距離を確保したところ、グッと広がりのあるサウンドが楽しめました。もともと大きなサウンドが出せるHomePodが2台になることで、大音量で再生した際の迫力はかなりのもの。ソファなど、音楽を楽しむ場所が決まっているならば、2台でのステレオ再生は断然オススメといえます。

もう1つが、異なる部屋にHomePodを設置し、人の動きに応じて音楽の再生をいろいろ制御できること。2台のHomePodをそれぞれ「リビングルーム」「ベッドルーム」に設定した場合、寝る際にSiriに「音楽をリビングルームからここに移して」と話せば、楽曲の再生がベッドルームに移るという仕組みです。もちろん、それぞれで異なる楽曲を再生できます。

2台をまとめてステレオ再生で使うのと、それぞれを別々の部屋で使うのは、「ホーム」アプリの設定画面で切り替えられます。ただ、ホームアプリの構成がやや複雑なうえ、どの部分でHomePodの設定を切り替えるのか分かりづらいのは気になりました。HomePod専用のアプリをぜひ作ってほしいと感じます。
○AirPodsとは異なるワイヤレス接続に戸惑う

HomePodは、SiriでApple Musicの楽曲を再生するだけでなく、ストリーミング機能「AirPlay 2」でiPhoneやiPadで再生している楽曲をHomePodで再生できます。右上からのスワイプでコントロールセンターを呼び出し、音声出力をHomePodに変更すれば音声が切り替わります。

アプリは音楽アプリのほか、YouTubeやNetflixなどでHomePodから音声が再生できました。画面に表示される映像との遅延はなく、迫力のある音声で映画やドキュメンタリー番組が楽しめるので、映画ファンは必見といえます。音声再生はRadikoのアプリも対応していました。

このあたりの使い勝手を見ていると、完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」と同じように感じます。ただし、Bluetooth接続のデバイスとして扱われるAirPodsとは異なり、HomePodはBluetoothスピーカーとしては機能せず、AirPlay 2のみ対応するので、前述のアプリ以外はほとんど音声が出力できません。ゲームは残念ながらほぼ全滅で、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)は音が出たものの遅延が3秒ほどもありました。この制約は、一般的なBluetoothスピーカーとの違いとして頭に入れておく必要があります。
○Apple Musicファンに新鮮な体験をもたらす1台

Bluetoothスピーカーとしては利用できないHomePodですが、Apple Musicを楽しむデバイスとしてはこの上ない音質や使い勝手を持っていると感じます。特に、Siriの性能が思った以上に高く、それまでSiriを積極的に使っていなかった筆者も音声による選曲や音量調整で軽快に使いこなすようになっていました。Apple Musicを日々活用している人ならば、予想以上の体験をもたらしてくれるデバイスとなるはずです。現状では“Apple縛り”の印象が強い仕上がりですが、今後さらなる改良や機能追加に期待して使ってみるのもよいでしょう。

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