銀河系がアンドロメダ銀河と衝突する可能性は50%程度? ヘルシンキ大らの研究
2024年8月14日(水)9時5分 財経新聞
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そのような説が信じられている理由は、銀河系とアンドロメダ銀河が秒速122kmで接近しているという、観測的事実があるからだ。だがこの問題は、そんなに単純にはいかないことが、ヘルシンキ大学の科学者らによって明らかにされた。
科学論文プリントサーバーarxiv上で最近公開された研究では、欧州宇宙機関のガイア宇宙望遠鏡とNASAのハッブル宇宙望遠鏡による最新の観測データに基づき、将来100億年にわたる銀河系周辺のアンドロメダ銀河を含む銀河群の運動をシミュレーションした。
その結果、アンドロメダ銀河に隣接するM33は、銀河系とアンドロメダ銀河の合体を助長する作用を示すが、銀河系に隣接する大マゼラン雲は、合体を阻止するように作用することが判明したという。
またこれらの複数の銀河の運動をシミュレーションすることは、非常に複雑かつ不確実性を伴う問題で、銀河系とアンドロメダ銀河が確実に衝突するということは現時点で断言できず、衝突の可能性は50%程度であると結論付けている。
つまり、向こう100億年間で銀河系とアンドロメダ銀河、M33、大マゼラン雲の運動は確実にこうなると予測ができるような、単純な問題ではないとの結論だ。
もしも100億年後にミルコメダ銀河が誕生すると仮定した場合、人類はどうなるのだろう?およそ50億年後には太陽は死滅するが、それ以前の今から十数億年後に太陽の活動状況が変化し、地球は生命の住めない惑星へと変化する。
太陽誕生後の約50億年間は人類誕生のために準備された、人類にとって幸運な時代であったが、この先の50億年間は前途多難でよほどの技術革新がない限り、人類に明るい未来はなく、銀河系とアンドロメダ銀河が衝突しようとしまいと、その時代にはもはや人類はいないのかもしれない。