Dell EMCはなぜ無償で提供する「OpenManage」を重視するのか?

8月16日(金)10時33分 マイナビニュース

「PowerEdge」でx86サーバ市場で出荷台数と金額の両方でナンバー1のDell EMC(以下、単にDell)、システム管理では「OpenManage」ブランドを持つ。Dell以外のサーバも管理できるほか、スマートフォンからの操作も可能であるなど、サーバ選択の際の差別化となるべく機能強化を続けている。そのOpenManageの最新版「OpenManage 3.2」リリースに合わせて来日したプロダクトマネジメント・ディレクターのEnrico Bracalente氏に話を聞いた。

ITはAI、IoT、ソフトウェア定義などのトレンドを取り込み、ビジネスをサポートするという本来の任務を果たさなければならない。だがIT管理はいまだに効率改善の余地があり、プロセスは分断化されている。既存のIT環境の維持に70%の時間を費やしているというForrester Researchの結果もある。

Bracalente氏はシステム管理の重要性が指摘されている背景として、「ハードウェアの複雑性が増しており、それを維持するための費用も増加している。きちんとしたシステム管理なしにはサーバのライフサイクルコストがかさむことになる」と説明する。

多くのサーバベンダーがハードウェアと合わせてシステム管理ソフトウェアを提供するが、Dellの場合は「OpenManage」がそれになる。Dell独自の調査によると、60%がサーバベンダーを決定するにあたり、そのベンダーが提供するシステム管理ツールを重視すると回答したという。

Bracalente氏によると、OpenManageは顧客がシステム管理で抱える以下のような問題を解決することを目指したという。

・マニュアルでの作業を減らす
・マルチベンダー/異機種混在環境のモニタリング
・使うツールを減らす

OpenManageという製品名が表すように、同製品はオープン性が大きな特徴となる。「管理にオープン性を導入する。技術的ロックインはない」とBracalente氏。バーチャル(仮想)アプライアンスなので物理的な機械は不要だ。

オープン性以外の特徴として同氏は、容易にインストールして使える「シンプルさ」、自動化による「効率性」、100%を目指す「可用性」、ライフサイクルを通じて組み込んでいるという「セキュリティ」を挙げる。

これらの特徴とともにBracalente氏が強調するのは、「システム管理のさまざまな形態への対応」だ。GUIを好む管理者、既存の外部のシステム管理コンソールを使い続けたい管理者、PowerShellなどのスクリプトを好む管理者などさまざまだが、これらのニーズにOpenManageは対応するという。
○「OpenManage Enterprise(OME)」

OpenManageポートフォリオの中心となるのが「OpenManage Enterprise(OME)」だ。上記の特徴を備え、HTML5ベースのGUIを持つ1対N型のシステム管理コンソールだ。しかも無償でダウンロードできる。PowerEdgeサーバはもちろん、Dell EMCのストレージ、ネットワーキングなどのインフラ製品、それに外部のハードウェアも一元的に管理できる。Microsoft System Center、VMware vCenter、Red Hat Ansible、Nagios、IBM、Hewlett Packard Enterpriseなどとの統合が可能であり、対応可能なデバイスの数は最大8000台。

「無償で得られるシステム管理機能で対応できる台数が8000台というのは、他の追随を許さないレベル」とBracalente氏。

Bracalente氏は、OpenManageが他のソリューションとは一線を画す点として、エージェントフリーアプローチを挙げる。「スタンダロンのコントローラーで、それぞれが自分自身のOSの下で動いている。メインのCPUを消費することはないし、エージェントレスなのでOSダウン時も管理エレメントは影響を受けずに動き続けることができる」とBracalente氏。問題があるサーバに対して、遠隔からのトラブルシューティングができ、ログの抽出も可能だという。

これを可能にしているのが、iDRAC(integrated Dell Remote Access Controller)だ。IPMI(Intelligent Platform Management Interface)に準拠しており、サーバに関連した設定や操作を行うことができる。各サーバのコンポーネントから情報を収集し、集めた情報をコンソール経由で表示してくれる。iDRACへの情報のプッシュも可能で、BIOSやファームウェアなどのアップデートが必要な時はコンソールからプッシュして、iDRACで実行できるという。コンソールだけでなくAPIのインターフェイスとしての機能も有し、スクリプトとのやりとりができるとのことだ。

○ARを活用しモバイル対応

OpenManageはもう一つの差別化を持つモバイル対応だ。「OpenManage Mobile」として3〜4年前から実現しているもので、スマートフォンやタブレット(AndroidまたはiOS、アプリのインストールが必要)からシステムの健康状態をモニタリングしたり、警告を受け取ることができる。またQuick Syncモジュールにより、対応するサーバにかざすことで状態や設定を確認することもできる。またAR(拡張現実)によるサーバ設定の支援なども可能という。

先に発表したバージョン3.2の強化点としては、レポートのカスタマイズ、OpenManage Mobileとの連携強化などがあるという。

最後にBracalente氏は、「システム管理は今後さらに重要な差別化要因になる。OpenManageは最先端のシステム管理であり、今後さらにリードを広げたい」と述べた。

マイナビニュース

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