「凪のお暇」“メンヘラ製造機”ゴン(中村倫也)の残酷さ 4話の慎二の涙は空気を読む凪を変えるのか?

8月16日(金)17時57分 ねとらぼ

「凪のお暇」5話放送前に、先週の振り返り。慎二(高橋一生)が今週も泣きました

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 8月9日放送「凪のお暇」(TBS系)第4話のオープニングはどストレートだった。「めっちゃくちゃ気持ちよかった!」と凪が感激するほどのゴンとのセックス。振り向くと、横で寝ているゴンは凪に背を向けソシャゲに励んでいた。最中は熱く感じたゴンの背中が、今はめちゃくちゃ冷たい。ゴンのイベント仲間・エリィ(水谷果穂)はゴンについて「あいつは目の前にいる人に誠実で、目の前にいない人には不誠実」と評した。ゴンの周りでは、こんな風にメンヘラが生まれていくのか。
●遂に凪の目の前で涙を流す慎二
 大島凪(黒木華)は隣人の安良城ゴン(中村倫也)の部屋で一晩を一緒に過ごし、完全にゴンに堕ちてしまっていた。彼女は自分たちが付き合っているのかはっきりさせたいが、空気を読む性格のせいで確認できずにいる。
 ゴンのことで頭がいっぱいになり、凪の部屋は散らかり気味に。ハローワークに1週間も顔を出さない凪を心配に思った坂本龍子(市川実日子)から連絡を受け、凪は「今日は行きます」と返答する。しかし、ゴンからバイクのドライブに誘われ、凪は約束をすっぽかした。龍子から「ゴンにだまされているのではないか」と指摘された凪は「坂本さんに何がわかるんですか?」と猛反発する。
 一方、我聞慎二(高橋一生)はメンヘラ製造機というゴンの噂が気になり、凪の自宅を訪れた。しかし、自堕落な生活を送る凪は出てこず、なぜかゴンの部屋で凪の帰りを待つことに。すると、ゴンの部屋にある凪が書いた置き手紙を慎二は見つけた。「ロールレタスが冷蔵庫にあります」と書いてあったが、ゴンが口をつけた様子はない。慎二がゴンの部屋を出ると、コンビニにいる凪を発見。逃げる凪を追い掛け、「お前以外に何人も女がいるような男でいいのか!?」と問う慎二。「全然いいよ」と返答する凪。その答えを聞いた慎二は涙を流した。
●目の前にいない凪へゴンの残酷さ
 凪「私……ゴンさんのことが好きです」
 ゴン「うん。俺も凪ちゃん大好き」
 ゴンが凪に掛けた「大好き」の言い方が軽過ぎる。凪の「好き」とゴンの「好き」は意味が違って聞こえる。
 慎二を家に上げたゴンは「我聞君が心配するような仲じゃないから。安心して」と一言。凪と「好き」と言い合っていたはずなのに……。セックスはゴンにとって日常の行為で特別なものではないということ? それとも目の前にいる慎二に優しさを向け、言ってほしい言葉を投げただけなのだろうか?
 慎二「俺ら、もう一切そういうんじゃないんで」
 ゴン「我聞君って可愛いね」
 「凪ちゃん、可愛い」と「我聞君、可愛い」のトーンが全く一緒である。慎二とマリオカートで勝負した際、ゴンがホット茶ミルクを入れたハート型のマグカップは明らかにゴンのセレクトじゃなかった。
 凪は「ゴンから合鍵を受け取った」という事実を拠り所にしていた。
 「私たちって……そういう仲ってことでいいんですよね?」(凪)
 いや、ゴンは誰にでも鍵を渡す。数度しか会ったことのない慎二を家に上げるだけでなく、鍵を渡して外出したゴン。凪との仲は否定するし、慎二が凪と会っても気にならない。
 「凪ちゃん帰ってくるまでさ、ここでゆっくりしてて」(ゴン)
 目の前にいない者への無関心が過ぎ、残酷にさえ思えてくる。
 凪との約束をすっぽかし、ロールレタスの置き手紙を見たゴンは「あっ」と反応した。でも、それだけ。食べないし、メモは置きっぱなし。手紙を見つけた慎二は矢も盾もたまらず冷蔵庫を開けた。鍋のフタを開けると、豆苗があった。凪の影響を受け、家で豆苗を育てている慎二。しなびたロールレタスを見て、凪の愛がないがしろにされていることを察した。外で雷鳴が鳴り響いている。慎二の中で何かが弾けた。
●慎二の素直な涙は空気を読み続ける凪へのメッセージか
 「勝手に堕ちてけ、モジャモジャ!」(慎二)
 凪の幻影を振り払おうとしていたのに、そのモジャモジャがコンビニに依存していた。らしくない姿を見て居ても立ってもいられない。節約をし、アイデアひとつで何もない生活から楽しみを見つけてきた凪の魅力的な部分が消えてなくなっている。
 堕ちていく凪に慎二は黙っていられなかった。
 「お前も見ただろ、あいつのユニットバスの洗面台! いいのかよ、お前以外に何人も女がいるような男で」
 まともなら、化粧水だらけの洗面台を見れば正気になるはずだ。でも、凪は見て見ぬふりをした。
 「むしろ、ゴンさんみたいなすてきな人はみんなでシェアしなくちゃ」(凪)
 そんなこと、絶対思ってないはずだ。自分に言い聞かせてるだけ。でも、どうしても失いたくない。同僚の意見に同調し、よく思われようと慎二の前で飲めないふりをしていた頃と全く変わっていない。空気を読んだ言葉。それどころか、凪はもう壊れていた。
 「お前、マジでスベってんだよ……」(慎二)
 初回でも登場した慎二のセリフだが、あのときとは気持ちが違っている。これまでの小馬鹿にした感じはなく、悲しみに打ちひしがれていた。
 「何で? 慎二、もしかして泣いてるの?」(凪)
 慎二は毎週泣いてる。ただ、自分が傷付いたときは隠れて泣いていたのに、凪が傷付けられたと知った今は目の前で泣き出した。空気を読み、自分を偽る凪へのメッセージになった気がしてならない。すなわち、凪に本心が伝えられなかった慎二が初めて素直さを振り絞った瞬間だった。
●凪本人が変わらないと結局同じ
 今回は、凪と慎二の馴れ初めが描かれた。断れないよう空気を作っておいてからの、「俺ら、付き合っちゃう?」(慎二)。このときの凪も、やはり流されていた。でも、お暇した凪は慎二の肩書やスペックに惹かれていたと気付いた。じゃあ、ゴンのどこに惹かれていたのだろう? 自分を肯定してくれ、「好き」「可愛い」という言葉を投げてくれる一面しか彼女は見ていない。やはり、外側だけだったのではないか。
 今の関係を確認したいのに、「変な空気になったら……」と躊躇したあの場面。相手が慎二だろうと足立だろうとゴンだろうと、凪本人が変わらないと結局のところ同じである。
 やはり、このドラマは慎二とゴンの間で凪が揺れ動く恋愛ドラマではなく、凪が自立する姿を描く成長物語だと思う。
(ねとらぼGirlSide/寺西ジャジューカ、イラストまつもとりえこ)

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