新型コロナ感染者増加も新たな「在宅勤務」導入はわずか0.9%- 東京商工リサーチ

2024年8月20日(火)11時12分 マイナビニュース

東京商工リサーチは8月19日、企業を対象に8月1日〜13日に実施した「在宅勤務」についてアンケート調査の結果を公表した。7月の新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあっても、新たな「在宅勤務」導入はわずか0.9%であった。
○第11波でも「勤務体制は変わらず」
7月より新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあり「第11波」に入ったとの声があるが、今回の感染拡大を受けて勤務体制を見直したか尋ねると、全体で「これまでと変わらず在宅勤務も許可している」は20.5%であった。
一方で、感染増を受け「出社を前提としていたが、今年7月以降は在宅勤務も許可している」と回答した企業は0.9%とごくわずかに留まる結果となった。全体では「在宅勤務」を認めた企業は21.5%と、5社に1社であった。
また、「これまでと変わらず出社を前提としている」は69.1%、「在宅勤務を許可していたが、今年7月以降は出社前提に切り替えた」は0.7%で、全体では「出社前提」の企業は約7割(69.9%)を占めた。なお、「出社・在宅勤務は個人または部署の裁量に委ねている」は8.4%となった。
○在宅勤務が許可されている職種の多くは「IT関連の業種」
規模別では、「在宅勤務」は大企業が36.5%、中小企業が19.5%。中小企業では人的管理の負荷や設備投資の問題が在宅勤務の障害となっているが、採用面での強みとなる可能性があるため、ハイブリッドな就業形態の導入など、発想を転換する必要があるかもしれないと、東京商工リサーチは指摘している。
業種別でみると、「在宅勤務」を許可している企業が多いのは、「インターネット附随サービス業」や「情報サービス業」「専門サービス業」など、IT関連の業種で、もともと在宅勤務と親和性が高くコロナ禍でも業務遂行に大きな支障はなかったとみられる。一方、「出社前提」の企業が多い業種は、「道路旅客運送業」や「学校教育」「洗濯・理容・美容・浴場業」など、BtoC業種が中心で、消費者と直接対面するため出社が避けられない業務が多いことが示された。
「これまでと変わらず出社を前提としている」と回答した企業に理由を聞くと、「業務の特性上、在宅勤務がなじまない」(76.1%)が最多であった。次いで「新型コロナの感染症法上の分類が5類であるため」が25.8%、「人員の関係上、在宅勤務にすると業務に支障を来たす」が19.4%、「在宅勤務はコミュニケーション不足が生じるため」が9.6%、「在宅勤務を中心にすると従業員間で不公平が生じるため」が7.6%となっている。

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