東北大、360度全方位に自由自在に移動可能な新型クローラーを開発

8月27日(火)7時3分 マイナビニュース

東北大学と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月26日、NEDOの「次世代人工知能・ロボット中核技術開発」プロジェクトの研究成果の1つとして、360度(全方位)にスムーズな移動を可能とする新型クローラー「円形断面型クローラー」を開発したことを明らかにした。

従来、ロボットを360度全方位に移動させる手法としてオムニホイールなどが検討、活用されてきたが、車輪が段差を乗り越えられない、脱輪した車輪がもとの状態に戻れない、毛の深い絨毯のような柔らかい地面だとスムーズに移動できないなどといった課題があった。今回のプロジェクトは、そうした課題解決を目指して進められたものとなる。

開発されたクローラーの仕組みだが、簡単に言えば、一般的なクローラーの表面に等間隔でクローラーの進行方向と直角(=横)の方向に回転するチェーンを配置。2つのモーターと、新たに考案した全方向移動用のスクリュー式差動回転機構を組み合わせることで、左右のモーターが同方向に回転するときは前後方向へ、それぞれを逆方向にするときは横方向へと、モーターの切り替えなどなしにシームレスに移動させることを可能とした。

また、開発された移動体はこのクローラーを2基搭載することで、旋回動作も可能としたものとなる。移動速度は縦方向で310mm/s(最大)、横方向で656mm/s(最大の10%)、旋回で11rpmとなっており、耐荷重は187kgf(安全率3)となっている。

実験では、段差踏破特性として、溝に対し正面方向で10mm、横方向で30mm、溝踏破特性として、溝に対して正面向きで溝幅140mm、溝に対し45°の角度で180mm、斜面踏破特性は、軸方向で30°(材質:シリコーンゴム)、横方向で25°(材質:木材)で問題ないことを確認したとする。

なお、研究を進める東北大学 大学院情報科学研究科 タフ・サイバーフィジカルAI研究センターの多田隈建二郎 准教授は、今回の成果を踏まえ、「将来的な話としては、適用分野としては、車椅子の移動ベースや、1人乗りモビリティ、長期的には海底探査ロボットの足回りなどに応用できるのではないか」と説明するが、すでにクローラー(無限軌道)を活用している重機などへの応用といったことも期待できる。また、月面のレゴリスのような極限環境での活用も技術が発展していけば、期待できるようになるかもしれない。

同研究プロジェクトは、2019年度で終了ということであるが、今回の成果は今後、実際の社会での活用に向けたアプリケーションとしての肉付けなどに進むことが期待される。

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