山田祥平のニュース羅針盤 第192回 「Galaxy Fold」がつなぐ大画面モバイルモニタへの道

9月10日(火)6時0分 マイナビニュース

IFA2019でサムスンのプレスイベントに参加した。同社がいうには時代は大画面を求めているのだそうだ。TVはもちろんスマホもだ。

ただ、スマホは携帯することが苦にならないようなサイズ感が必要という宿命を背負っている。大きな画面がよければタブレットを使えばいいのだが、スマホは今どきの6型超スクリーンというのが限界ではないだろうか。これより大きいとポケットに入らないし、そもそも、電話なので通話する動作にも不便を感じるようになるだろう。ヘッドセットを別に用意すればいいという意見もあるかもしれないが、スマホはスタンドアローンであらゆるものがオールインワンでなければ受け入れられないだろう。

○ガラケーの進化に通じる二つ折りスマホ

そこで折りたたみスマホだ。大きな画面を二つ折りにすればポケットに入る。このフォームファクタが次のトレンドになる可能性が出てきた。いわゆるガラケーの時代もそうだった。最初はプッシュボタンをむき出しにして携行するシンプルなストレートタイプのものばかりだったが、そのうちプッシュボタンにカバーがつき、さらに二つ折りのフォームファクタが主流になった。画面はフルに使えるし、通話をするときも口のそばにマイクがくるので安心感がある。ちょうどあの流れをなぞるようなイメージだ。

サムスンは、二つ折りスマホとしてGalaxy Foldを提案している。本当はもっと早くに出荷を開始する予定だったが、折れ目部分の強度などの問題で、今の時期になってしまった。だが勢いはある。ちょうどこのプレスイベントの翌日から韓国で発売が開始されたのだが、初日で初回販売予定分が完売したという。韓国・朝鮮日報の報道によれば、同社直販で2〜3,000台、通信3社も各社3〜400台を販売したようだ。価格は日本円で20万円を軽く超える。ハイエンドスマホが2台買えてしまうほど高価な製品だ。次の販売は今月18日から事前予約が始まり、順次出荷される予定だそうだ。

かつて、同社が初代のGalaxy Noteをリリースしたとき、ぼくは、飛びついてグローバル版を購入したが、あのときと同じようなムードを感じる。同機はフォンとタブレットを合成したファブレットという新語を生み出したが、今回は、そのときと同じようなムードを感じる。そんな大きなスマホが受け入れられるわけがないといわれたものだが、スマホの世界は大画面化をひたすら進むことになったのはご存じの通りだ。
○素晴らしき大画面、言葉にできない体験

イベントの翌日、実機にもさわらせてもらった。45分間という限られた時間だったが、使用後は初期化するというので、自分のアカウントを設定し、言語を日本語にし、普段のスマホと同じような環境を作って試させてもらった。いやもう、Twitterなどを使った日には、もう元の環境が貧弱に感じられてしまう。本当にこんなものが必要かと半信半疑だったが、その印象は一瞬でふっとんだ。

折れ目は気になるといえば気になる。フリックやスワイプなどの操作で指が折れ目を横切ると段差を感じる。また、スクリーンのベゼルに、スクリーン面との段差があって、指をスライドインさせるような操作のときは違和感がある。折りたたんだときに向かい合わせになったスクリーン面を保護すると同時に、液晶がめくれてしまうのを回避するためだそうだ。

使った感じはまるでタブレットだ。同社がいうように、やっぱり大きな画面は素晴らしい。これは実際に体験してみればわかる。どうにもその興奮をテキストでしか書けないのがもどかしい。筆舌に尽くしがたいとはこのことだ。OSはAndroidで画面を4分割、さらにポップアップで合計最大5つのアプリを同時に表示できる。

このスマホには大画面のほかに、もうひとつ画面がある。タブレット状態の本体を折りたたんだときに、タブレットの大画面スクリーンが表示していたコンテンツを、背面の画面でそのまま引き継いで表示するのだ。この状態では、小さな画面のスマホになる。今どきのスマホとしては画面が小さい。折りたたんだときに引き継ぐのか引き継がないのかは設定でアプリごとに指定ができる。

ちょっと重いし分厚い。でも、持ち運びが苦になるほどではない。パンツのポケットにも余裕で入る。

きっと、将来はこの半分くらいの厚みになって、重量もさらに軽くなるんだろうなと、今から想像をたくましくしてしまう。価格もこなれていくであろう将来が実に楽しみになってきた。

○真の大画面モバイルモニタも夢じゃない

同社は、折れ曲げられるスクリーンをたまたまスマホのかたちで世に出したが、これをシンプルなモニタスクリーンにすることができれば、大画面モバイルモニタも夢ではなくなる。モバイルとはガマンの同意語ではなくなる未来がそこに待っている。

平たい板に収束していったスマートフォンは、もうこれ以上、各社が差別化するのは難しい状態になっている。できることといえば、サイズとアスペクト比を独自のものにすることと、外観や質感をいかにチャーミングなものにするかくらいだ。だが、ここにきて具体化された二つ折り形状。この先に見えている未来を堪能するなら、初物買いに走るしかない。

マイナビニュース

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